単衣者と申します
By 単衣者 さん
(E-Mail = fwik7858@mb.infoweb.ne.jp

 初めまして単衣者と申します。「ふどしの里」のリンクで貴ページを知り早速メールさせて戴きました。私も、和服が好きで、よく着ます。「男の和服」についての情報が非常に少なく、何時も疑問が解決されず、女性小物誌の一部にある男物の数ページと、お世話になっている呉服屋さんから知識を得ていました。いままで、男が着物を着るための、これほど体系だった物をみたことが有りません。母から、和服には色々な約束事がある事をよく聞かされていていましたが、うろ覚えです。もっとよく聞き書き留めて置けば良かったと悔やんでいます。

 失礼な言い方ですが、着物を生業として居ない方で、こんなにマニアックな方がいるとは、夢にも思いませんでした。何よりもホームページの内容の豊かさ、詳細さに驚いております。私も着物が大好きですが、伊織さんの域に達する事は出来そうに有りませんが着物を愛するという心は一緒でしょうから、これを期に着物についてもう一度勉強し直そうと思っています。 

 私も着物を普段着のよう着ます。仕事時以外は全てという程では有りませんが、家に帰るとすぐに着慣れた綿着物に着替えます。着慣れた着物は肌になじみ何とも心地良く、くつろげます。着物って良いですよね! 永く着物を着ているうちに、私もおのずとふんどしを締める様になりましたし、和装の肌着を着るようになっていました。今は着物の時は何時も褌を締めています。褌ですと帯も決まりますし、それよりも気持ちが、シャンとします。

 昨夏、横浜の花火大会に行き合わせ、花火見物の若い人達が浴衣掛けで行くのを見かけ、日本の若者が着物を見直してきた事を嬉しく、もっと多くの方が着物を着てくれたらなと思いつつ、着ていたポロシャツが何とも恨めしく思いました。どうしたことか、浴衣掛なのは若いカップルだけです。いかにも着せて貰った様で、浴衣が歩いている感じですがそれでも、楽しそうにペアーで着物を楽しんでいる様子です。でも、驚いた事に、何人もが、左前に浴衣を着ているのです。思わず、ここは日本でなく、外国に来ている様な錯覚を覚えました。異国情緒たっぷりの横浜だったので、余計にその様に感じたのかも知れません。それこそ、そこで帯を解いて左前を直してやりたい衝動に駆られました。考えるに、女の子が、週刊誌の付録あたりで得た知識で、着せるので、洋服と同じで、男女で前の合わせが異なると考えてたのではないかと思います。こんな簡単な約束事も伝わらないのですね。それにしても、左前は着ずらいいのではないかと余計な心配をしてしまいました。よく見ると、最近の浴衣は訳の分からないデザインの極彩の浴衣なんですね。浴衣と言えば 、白地に藍か、藍の地に白、彩色の物は金魚柄の子供の位が浴衣と思っていた自分には、なにか別世界の物の様な気がしてちょっと残念でした。それも揃ってみな極彩色なんです。伝統柄なぞほとんどお目に掛かれません。

 正月は柴又の帝釈天に行来ました、虎年に「寅さん」で大層込み合っていました。下町の正月ですので、着物姿の若者だけでなく年輩の方も多く、さすが、左前は居りませんでしたが、下町なので、粋に肌に着物が添う様に着ている人が多いのではと思っていたのですが、着こなしている人にはお目に掛かれず少し残念でした。正月に着物を着るなら、少し前から普段着で慣れているともっと馴染んで格好よく着る事が出来るのに、それだけ、着物が日本人の生活から離れてしまい、正月だけの物になってしまったのですね。寂しいことですし、なんとも、悲しいですよね。(自分のことは棚に上げてしまってますが) 

 話が変わりますが、仕事の関係で、浴衣を染めている方に、懇意にして戴いてますその方によれば、職人さんが高齢化していて、その点からも将来が期待できないし、流通業界が伝統を無視し、儲かりさえすれば、色落ちする安物でもなんでも良いと、中国、東南アジア辺りで大量に生産させているそうで、着る側にすれば、安いのは有り難いのですが、これによりその国の伝統を壊し、日本の伝統を繋げて行くことも困難になって来ているとの事です。こうなると今までの伝統的な物が着られなくなり、困ります。着物は企画商品や流行に流されると、職人の所に仕事が来なくなり、結局職人が殺されてしまうと嘆いていました。何とか良い物が残せる様な方法は無いですかね。

 此のホームページを始めて見て、着物を着る為に下着から、それも自ら体を張り、肌を晒しふんどし姿になり、締め方まできちんと示されている勇気に敬服しますとともに、尊敬の念すら覚えます。図書では避けてしまう所ですのに・・・・ でも、基本的に帯一本で着崩れを無くし快適に男が着物を着るためには不可欠ですし、初めての人に判って欲しいと言う気持ちがそうさせたのでしょうが、伊織さんの着物への思入れが凄いと言うか、主張をきちっと伝え様と言うことなのでしょう ふんどしをきちっと締めて着物を着るのと、パンツ、ブリーフで着るのと雲泥の差が有りますよね!ずいぶん前に亡くなった有名な落語家さんが「浴衣の下は六尺じゃなきゃいけねーよ」、「そんじゃーなきゃー帯がきまらねー」と言っていたのが思い出されました。

 私の着物は綿の普段着で、安物ばかりです。いま唐山の袷に縞の半纏を羽織ってメールを書いています。縞に縞ですが、家にいる時はあまり気にせず着ています。下着も貴殿と同様、しっかり六尺ふんどしを締めています。着物は普段着ですので、当然、散歩にも、買い物にもまいります。風呂は自宅にも有りますが、マンションの小さな風呂なので、銭湯にもよく出掛けます。風呂へも普段の此の格好で出掛けていきます。風呂では、来ている人に、どこの御師匠さんですかとか、板前さんですかなぞ聞かれますが、私も極普通サラリーマンです。もう着物は普通の人の着る物で無くなってしまったのでしょうかね。

  昨年、後輩が明治記念館で結婚式を挙げたので、これ幸いとお召しの羽織に一つ紋を付けて貰い、袴を付け出席しました。式場の人が結構気を使ってれくて、思い出深い結婚式でしたが、自宅から着ていったので、電車の中では何となくあちこちから視線を感じました。どこの売れない落語家が乗ってるのかとあまりいい気持ちでは有りませんでしたがその位のことではめげません。

 此の春、念願の大島の御対が出来上がりました。衣擦れが何とも言えません・・・ 価な大島有るからと進められ、一枚位有っても良いかなと、後先考えずお願いしたしまったというのが本当の所です。今持っている着物は、そのとき気に入った物を買っていただけで、系統的に揃えていないので、此のページで勉強させて貰らい、少しずつバリエイションを広げて行きたと思ってますので宜しくご指導方お願いします。ショップのリストにも知っている名前が幾つも出てきていて、すごく近親感を感じ、初めてのHPの様な気がしません

 私の着物はほとんど浅草のなじみの呉服屋さんで仕立て貰っています。もうお願いして何年もになります。場所柄、役者、芸人さんのひいきが多いとの事で、稽古着にする物も多く、また、品物は良いのに小さな傷が有るとか、半端になったから、好きで着るなら良いでしょうとと取って置いてくれます。安サラリーマンには有り難い限りです。私は170*70と少し太り気味で、着物は着やすい体型になって来てます。古着と言う手が有ることは知りませんでした。普段着なのですから、紹介されている店を機会を見つけて覗いて見ます。きっと、掘り出し物に出会えるかも知れませんものね

 着物の約束事とか、色々お教え下さい。宜しくお願いします。このホームページに出会えて嬉しく、本当に良かったと思ってます。 ますますの発展を心から祈ってます。それに「男の着物」がもっと普段に当たり前に着られることを願って。

 取り留めもない事をだらだらと書いてしまいましたがお許し下さい。久々に興奮してしまい失礼しました。これに懲りず宜しくお願いします。
                                       
平成10年睦月大安吉日
 
   早坂伊織 様                 
                                         単衣者
単衣者さん、大変熱のこもったお便りありがとうございました。HPの作者冥利に尽きると言いましょうか、ただただ、感無量でございます。浴衣の件、私も全く同感です。ただ、それでも私は、和服を着てくれるだけで嬉しくも思います。こうした人たちが和服の良さをわかってくれて和服人口が増えてくれれば、願ってもないことですから。見た目の問題は何度も着込んでもらえば、そのうち何とかなるでしょう。流行と伝統の問題も非常に考えさせられる問題ですね。我々和服を愛好するものにとっては、伝統的な「作品」ばかりでもまた困るわけで、需要と供給のその辺のバランスが現実問題として非常に難しいようです。それから、唐桟。意外と綿の袷のきものがあるということ、ご存じない方も多いようですが、単衣者さんのお便りにもあるように、浅草なら手に入るようです。ウール一辺倒でなく綿の普段着ももっと広まるといいのになあと、私も常々思っておりました。それにしましても、読んでいて心が晴れ晴れするようなお便りをありがとうございました。ほんとに男も和服をもっと当たり前に着るようになるといいですね。いっしょに頑張りましょう!(^ ^)

つい先日、単衣者さんとも、浅草で待ち合わせてローカルオフしてきました。どじょう鍋おいしかったです。ぜひまたお会いしましょう。





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