高校生読者からの手紙
By 瀬尾陽介さん


この手紙は、「会員証希望」のお申し込みメールに記載された内容を掲載させていただいたものです。
なお、本文中にあった学校のメールアドレスとご本人の住所については、こちらの判断で割愛しております。


●自己紹介●
  
  私は岡山県立精研高等学校に通う、高校三年生です。

●HPの感想●

  あなたのHP、和服に関する情報の不足に嘆いていた私にとって「一筋の光」のようで、大変参考になり、また楽しく拝見いたしました。点数を付けるならば99点と言ったところです。ぜひあなたのように常に和服を着て生活したいと思っています。しかし、一言文句を言わせてもらうなら、「全和装人アンケート」の結果発表で、趣味の統計がありましたが、趣味の分類で「マニア系」と言う分類はやめるべし!!自分の経験から「マニア」という言葉はイメージが悪い言葉だ!と考えております。すなわち、私は鉄道ファン(通称てっちゃん)だが、例の「・・・マニア」表現により、世間一般から暗いイメージで見られているのです・・・・・・どうも納得が行かん!(悲+怒)この言葉により暗い趣味、ネクラ集団という誤解を与え、半ば差別用語的な面も持っていると思います(もともと、「マニア」という言葉は「偏執狂」という意味で、「一つの物事に凝り固まった精神異常者」と言っているようなもの)。で、問題の「マニア系」という分類の中に入っていた趣味は鉄道、天体観測、写真の3つがありましたが、どれも決して暗い趣味ではないと断言することができます。まず鉄道は身近な交通機関であり、趣味の対象とするのはごく自然なことだと思います。このHPにはプロカメラマン、南正時さんのことにふれており、鉄道は彼の主な被写体でもあります。次に、昨年の「しし座流星群」と言えば天体観測で、私の住む町には日本有数の101センチ望遠鏡を備えた天文台があります。最後に写真についてですが、日本人は写真撮影を好む民族であるという話を聞いたことがあります。以上のことから「マニア系」という分類をやめて、「ホビー系」の中に編入すべきでしょう。ちなみに「ホビー(hobby)」とは英語でズバリ「趣味」という意味です。

  閑話休題。私は和服ユーザーである18歳、高校3年生(!)で、おそらくこれはあなたのHPにアクセスし、メールを送った人物の最年少記録ではないでしょうか。和服はピシッとしていて格好良く、中学校終わりごろから「成人式に和服を着ていこう」と思うようになり、そこから和服に対する憧れが芽生え、「モノ・マガジン」1996年9月16日号(ぼろぼろになるまで読み返した)や学校の図書室にあった本を読み、研究を重ね、去年の夏に阪急百貨店で買った浴衣(本体・角帯で1万円)や知り合いからもらったウールのお対+半襦袢(帯は浴衣と一緒に買ったやつを流用)により、当初の予定(成人式)より3年も早く「和服を着たい」という憧れがかなったのです。これは同時に高校生であるうちに和服に出会うことができた(私にとってこれは大きな意味を持っている)ということでもあります。

 現在、私が持っている和服は前述の浴衣とウールお対の2点で、1月25日に袴を購入しました。これは黒のカシミヤ風のポリエステル製で、弓道をやっている友人を通じて格安の9000円で手に入れたものです。今後もこのような普段にも着られるようなものを中心に増備していきたいと思っております。なお、私の持っている角帯(浴衣と一緒に買ったやつ)はHP内「和服を知る」−「角帯」の写真4画面右端に写っているのと同じ製品です。こんな偶然があるのかとびっくりしました。あなたは「未だもって、この角帯の上下について説明している書籍や文献には、不思議と出会ったことがない」そうですが、私の家にある、昭和47年に暁教育図書株式会社が発行した「くらしの新百科(3)『美しい装い』」という本の185ページ2段23行目には「・・・二つ折りに仕立てた帯は山が上に向き、縫い目が下になります。袋帯は縫い目がないので、その必要はありません。」という記述があります。この文章は当時伊勢丹できもの研究所所長をされていた安田丈一さんという人が書かれたもので、私は最初、この本の意見を採用していましたが、現在はあなたの意見を採用しています。さて、どちらが正しいのでしょうか?結び方は当初貝の口でしたが、椅子に座ると背中がごつごつするので、現在はこのHPで知った浪人結び(片挟み)に移行しています。

  足袋は普段着ではタブーとされている白足袋を履いていますが、これは他の人に頼んで買ってきてもらうときに私が色に関する注文をその人に伝えなかったためです。しかし、買ってきてしまったのはしょうがないのでそのまま履いています。汚れが目立つところを除けば気に入ってますし。また、呉服屋の人曰く「白足袋が流行っている」のだそうです。 私の和服姿の写真を学校の先生や知人(無論、年齢は私よりもずっと上)に見せたところ、「着こなしができている」「よく似合う」「大人っぽい」と大変評判がよく、学校内では「和服」が私のイメージの一つとなりつつあります(嬉)。 私は高校生ながら腹が出た体格(友人によく言われる)ですが、それは和服が似合う体格なので気にしていません。 

  さて、品物の入手経路のことで「私は問屋街で調達・・・・・・」といった記載がありますが、問屋は通常、一般客は相手にしてもらえないはずで、そうした店で買うとき、業界と関係していない早坂さんはどうしているのですか。業界と関係していない人が問屋で買い物をするノウハウを教えて下さい。

  最後に、和服をどのくらい着ているかということについて、私は「年間和装率」という考え方を取り入れています。これは1年間に和服を着た日数を%で表したもので、計算式は(和服を着た日数)÷365(閏年は366)×100で、私はこの年間和装率を西暦2005年をめどに60%以上に引き上げるという計画(野望?)を持っています。

  メールアドレスは学校が個人個人に発行している関係上、3月1日(卒業式の日)までの期間限定ですので、3月2日以降はXXX−XXXX 岡山県**郡**町*****XXXX 瀬尾陽介 宛に封書でお願いします。 

  なお、この文書は、HP上に掲載してもかまいません。

とっても熱意のある高校生で、将来が頼もしいですね。瀬尾さんの着物生活は、高校生としては非常に恵まれた?環境であるとも思いますが、苦労話は昔の自分を思い出すようで頷きながら読みました。(^^;ただ、もう少し力を抜いて楽しみの幅を広げることも大切ですよ。(^^)

まず、ご指摘にある通り、「全和装人アンケート」の趣味の統計ページは、「マニア系」という分類をやめ、「ホビー系」の中に再編致しました。一億総マニア時代?の現在、こちらとしては特別暗いだのというつもりはありませんでしたが、おっしゃるような誤解を生んだことは申し訳なく思います。(私自身、世間からすれば着物好きもマニアの一種のような気がしていますが)この一点のせいで99点であったとすれば、惜しかったですね。(^^;さっそく修正UPしておきましたのでご確認下さい。

また、角帯についてですが、HPで紹介している帯の大半は量産品であり、同一製品をあちこちで良く見かけます。それから、角帯の上下についての説明に関しては、献上柄の角帯のことを主に説明していますが、ご指摘のように二つ折りの帯の上下は、関西(特に西陣や綴れのもの)では折り目を上にするようで、どちらが正式かということは断定できないようです。きもの研究家というのも人の数だけ「説」があるようで、実際の書籍もまちまちだったりしますが、瀬尾さんのように、自分で気に入った方を採用することでOKだと思います。ちなみに、私の説明は池波正太郎氏の意見から採用したもので、実際に締め比べて見て、個人的に折り目が下の方が具合がよかったためです。

なお、問屋が一般客を相手にしないというのは誤解です。確かにそういうお店も多いのですが、頼めば売ってくれるお店もあります。確実なのは、そのお店と縁のある方の紹介や、直接つれていってもらうなどですが、HPで紹介しているお店なら、「早坂伊織のHPを見た」と言えば、多くの所で話が伝わるはずです。(ただし、岡山のお店は全くわかりません。ごめんなさい)

最後に、「年間和装率」というお考えは面白いですね。寝巻の浴衣も「和服」とすれば、私は100%ということになりますが、個人的には、和装に馴染むには着る回数(日数)よりも連続して着用し続けた「時間」をいかに長くするかの方が効果的だと思っています。そう言う意味では、「24時間連続和装の生活を何日送ったか?」と言う記録も面白いかも知れませんね。

ところで、会員証発行を含め、個人的なお問い合わせに対し、封書でのお返事は致しかねますので、どうぞご了承下さい。

これからも、着物への憧れと研究心は大切になさって下さい。そして、無理のない楽しい和装ライフをどうぞお楽しみ下さい。(^^)




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