「丈夫で暖かい結城紬」


結城紬は、大島紬と共に2大紬として有名ですが、高額品としても有名なきものです。しかしながら、一口に結城といっても、やはりピンからキリまで値段の幅があり、値段の差は基本的に製造工程の手間のかかり方の問題と言えます。

いずれにせよ、どんなにその良さを認めることができたとしても、やはり数十万円、果ては数百万円以上もする値段の衣類を普段着にするには常識的に考えて無理がありすぎます。(^^;

私の持っているこの結城紬は、もちろん安く手に入る機械織りの量産品のもの。それも、倒産した呉服屋の倉庫に眠っていた古い放出品を、とても公の場では言えないくらい超格安で手に入れました。おかげで、惜しみなく着ています。(^^;一応下のようなラベルも付いていたし、手触りも結城だし、何より激安だったので、十分過ぎる買物でした。

なかなか、こうしたラッキーな買物はできそうにありませんが、結城紬はきもの好きならやはり1枚は持っておいて損のない着物ではあります。



「きものサロン」99年春号の特集によると、結城紬の反物には、「本場結城紬」と「結城紬」の2種類のラベルがあるそうで、「紬」印は「結城紬」、「本場結城紬」は「結」印がつきます。双方の違いは一言で言えば手間のかかり方と品質レベルの違いですが、この「紬」印のものは一部機械工程を入れた量産品で、「結」印のものよりかなり安く手に入ります。こうしたラベルは、製造工程の違いと品質を示す目安として一応チェックしましょう。

結城紬の良いところは、とにかく丈夫で暖かいこと。昔から結城は、一度寝巻きにして体に馴染ませてから着ると言われるほど、新しいうちは固くてごわごわしています。もちろん、そんなことを実際にしなくても、着れないほどではありませんが、やはり何度も袖を通して着込んだものの方が、着やすく着心地もよいものです。

また、結城紬は真綿でできた紬だけあってか、真冬でも非常に暖かく、春先などでは暑くて汗を掻いてしまうほど。贅沢ができるなら、春秋用に単の結城を揃えたいくらいです。

真冬でも足元からとにかく暖かい着物です。


一見、ウールと間違う人もいるくらいですが、手触りは全く違います。独特のほっこりとした真綿の手触りが特徴。 まさに、真綿に包まれているような感じ。 糸くずや埃が付着しやすいので注意。

結城紬は、どちらかと言うと、ある程度年とってからの方が似合う着物かもしれませんが、やはり和装ファンなら憧れのきものと言えるでしょう。結城に限らず、嗜好や目的に応じて、様々な種類の着物を選んで着こなせるようになりたいもの。そうしたことが、和装の楽しみのひとつでもありますよね。




1999年4月11日 掲載

  

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