「衿汚れの防止策」


着物を毎日着ていると、どうしても襦袢や着物の襟汚れは避けることができないもの。逆にそうした汚ればかりを気にしていては、寛いだ着物生活はできません。日常着として和服を利用する以上、ある程度の汚れは覚悟しなければなりませんが、ちょっとした工夫で多少の汚れは防げるものです。

例えば、家庭で着物を着ているときには、写真のように、半襦袢や長襦袢の衿を着物の衿より1〜2cm程度引っ張り上げて着ます。こうしておくと、着物の衿汚れが多少でも防げます。襦袢の半襟がひどく汚れたら、取りかえるか洗濯しますが、こうした着方をしていれば、着物の衿汚れは比較的軽くて済みます。

なお、この方法はあくまでも家庭内での話であり、外出時にはきちんと衿を正して着るようにします。


襦袢の半襟は、家庭で日常着として着る分なら、安い化繊の半襟で十分です。最初から何枚か重ねて半襟を縫いつけておけば、しばらくは汚れた襟だけ取り外して着まわすという奥の手もありますが、これは和裁がある程度得意な人でないとかえって不恰好な襟元になってしまいます。

かつての「いじわる婆さん」のように、衿全体に手ぬぐいを掛けておくのが最も有効な汚れ防止策ではありますが、いかんせん、これはカッコ悪すぎますから、実用性再優先で勇気ある方はどうぞ(^^;。


ちなみに、本来着物には、汚れや傷み防止のための共衿という別パーツの衿がかかっており、衿の汚れや傷みがひどい時にはこの部分だけはずして洗うなり取り替えるなりの処置ができるようになっています。時代劇の町娘の衣装にみられる黒朱子の掛け衿も同様の目的のものです。しかしながら、現在では、そこまでするほど一枚の着物を着込む人はほとんどいないでしょうが、着物を仕立てた時の余り布を、この共衿用に残しておくことができるなら、さほど神経質に衿汚れを気にすることなく、長く着れる着物として付き合うことができるでしょう。



1999年4月18日 掲載

  

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