第8話 超特大サイズの着物で国際結婚!(澤田 貢美さん 1998/06/07

事の始まりは、三月の終わり、現在米国に在住の女性の方から頂いた、一通のメールからでした。この夏、アメリカ人の男性と国際結婚されるという彼女の悩みは、ぜひ着物で結婚式をしたいというフィアンセの願いを叶えるべく、男性の紋付羽織袴を一式揃えることでしたが・・・。これが思いの他、実現するのが大変なことだったのです!先ずはその、最初のメールからご覧ください。

First Mail

前略

インターネットにて『男の着物』に関するホームページを拝見致しました。私自身、日本舞踊を少々嗜んだ経験もあり、女性の着物に関しては多少の知識は持ち合わせておりましたが、男性の着物についての知識は皆無に等しく、『男の着物』は大変参考になりました。今回は、男性の着物の仕立てについて少々お伺いできたらと思い、メールさせて頂きました。

実は、私は今年の8月に結婚を控えておりまして、夫の紋付き羽織袴を一式仕立てようと考えております。夫はアメリカ人ですが着物に非常に興味を持っており、私達の結婚式に是非着物を着たいと申しております。ただ問題なのは、夫のサイズは日本人男性の2倍あると思われ、とても既成の着物では適当なサイズがありません。そこで、この機会に礼装を一式仕立てたいのですが、生地代、仕立て代がいくらくらいの見積りになるのか見当がつきません。恐らく下着(肌じゅばんや足袋)も特注になると思われますが、手頃な価格の素材を使った準礼装一式の仕立て代はどれくらいを目安にしたらよろしいでしょうか。また、東京近郊で大型サイズの着物を扱う呉服店などご存じでしたら、是非情報を頂けると幸です。

お忙しいこととは存じますが、ご連絡頂けますようお願い致します。今後も御社のご発展をお祈り致します。

早々
澤田 貢美


と、言う訳で、この澤田 貢美さんの物語のはじまり、はじまり〜、です。・・・ところで、「男のきもの大全」は会社ではありませんのであしからず(^^;。個人が物好きで作成、運営しているホームページでして・・・。まあ、それはさておき、澤田さんとやり取りしたメールの続きを、以下にまとめて掲載しますので、どんな着物が出来上がるか、想像しながらお読み下さい。


Question again

早坂 様

先日は早速お返事をありがとうございました。ホームページ同様、懇切丁寧なご説明をいただきまして本当に感謝しております。さて、前回のメールに引き続き、更にお伺いしたいことがあります。もしお時間があれば再度アドバイスをいただけますと幸いです。

早坂>御主人様の具体的なサイズがわからないので推測ですが、本当に二人分の反物を
早坂>使って仕立てないといけないとなると、単純に考えても反物代だけで通常の2倍の金
早坂>額がかかることになります。

いや...、実際「2倍」というのは誇張ではありましたが、彼のサイズは、身長182cm、胸囲130cm、胴囲115cm、腕90cm(首のつけ根から手首まで)と、とても幅と厚みがあり、一見、標準サイズの男性の2倍あるように見えるもので...。生地代は相当かかりますよね?

早坂>ですから大雑把に考えても、羽二重の正絹生地で新調するとなると、小物類を入れて
早坂>ざっと100万は覚悟されたほうがよいかも知れません。(^^;

そう...ですかあ...。 (^^;生地は正絹でなくても、やはりお値段は相当張るのでしょうか。私自身は「京都きもの友禅・友の会」の会員になっておりまして、時々堀り出しものなどを見かけることがあるのですが(ほとんどは広告を眺めているだけなのですが)、男性ものの生地はあまりバーゲン価格などにはならないのでしょうか? 

早坂>足のサイズが28cmくらいなら8寸5分のものが履けますが、それ以上となると
早坂>この値段では買えないかも。

30cmの既成の足袋なんて売っていないですよね...。 (^^;

早坂>それから8月にご結婚ということで気になるのは素材です。夏物の紋付なんて一般に
早坂>は、ほとんどお召になる機会がないかと思うのですが、どうなんでしょう?。


早坂さんのおっしゃる通り、披露宴は冷房の効いたホテルで行います。ですので、普通の紋服を用意したいと考えております。が、値段を知って私どもも少々怖じ気づいているのですが、比較的カジュアルな場でも、礼装/準礼装としては羽織を着るのが常識なのでしょうか。実は8月の披露宴はアメリカで行う予定なのですが、披露宴といっても日本で行われるもののように改まっておらず、カジュアルなパーティー感覚の宴を考えております。夫自身、着物の準備代を別とした個人的な好みからしても、羽織なしの長着と袴の方が「カッコ良い」と気に入っているようで...。でも、折角紋服を新調するなら、いざという時のために一式揃えておいた方が良いのでしょうか?

早坂>HPでも紹介しております、「銀座もとじ」さんでしたら、相撲部屋もお得意様で、紋付
早坂>羽織袴を収めておられるのできっと相談に乗ってくれると思います。問題は8月にす
早坂>べてが間に合うかどうかです。


紋服を一式仕立てていただくのに、普通どれくらいの時間をみておけばよろしいのでしょうか。「銀座もとじ」さんでは既成の着物を扱っていらっしゃるのですか?

早坂>丁度今度の土曜日にもとじさんに伺う予定がありますので、私からも相談しておきま
早坂>しょうか?


もしご迷惑でなければ、是非お願い致したいと思います。私は現在ニューヨークからメールさせて頂いているのですが、ゴールデンウイーク前に一時帰国する予定でおります。その際に直接お伺いして、ご相談させて頂けたらと思います。

早坂>お誂えになる御主人様の紋服一式は、結婚式当日以降利用される御予定がおあり
早坂>でしょうか?というのも、「黒紋付」である必要があるかどうかです。

ご指摘ありがとうございます。既にご察しかと思われますが、夫は何のこだわりも持っておりません。ですので、今後も着用できるようなものを仕立てたいと思います。

ちなみに、あまりのこだわりのなさを露呈するようでお恥ずかしいのですが、紋服の「古着屋さん」などは存在するのでしょうか。夫は自分に会うサイズがあれば、新調でも古着でも構わないらしいのです。そこで、夫の勝手な理論によれば、力士の方々は統計上長生きしないので、亡くなったお相撲さんの形見の着物一式が古着として売られていてもおかしくはない(?)...と。以前、彼と両国を散歩がてら力士サイズの古着呉服屋さんはないかと探してみたのですが、生憎見つかりませんでしたが...。

早坂>いろいろ大変かと存じますが、澤田さんにとって、最高の結婚式となりますよう、
早坂>心よりお祈り申し上げます。

どうもありがとうございます。また色々と助言を頂けますようお願い致します。

それでは、また。

澤田 貢美

つまり、澤田さんのフィアンセは、日本人でいうと、ゆうにお相撲さんクラスの体格というわけで、実際写真を見せていただいたのですが、肥後の海関あたりと同サイズのようでした。もとじさんで訪ねると、やはり正絹で仕立てるとなると、お相撲さんの場合、安くても一式60万円くらいはかかるとのことで、足袋や雪駄なんかを特注することを考えると100万くらいはかかるのでは?と考えた次第です。ところが、さすがに100万となると澤田さんもビックリされたご様子でした。そりゃあ、無理もありませんよね。(^^;ところが、もとじさんでは化繊の紋付きは扱っていないとのことで、ここはやはり、浅草のちどり屋さんを頼ることにしました・・・。


Thank you again!

早坂 様

こんにちは。
先週末から一週間ほど留守にしておりましたもので、お返事とお礼が遅くなってしまいまして申し訳ありません。実はノースカロライナの夫の実家へ行っておりまして、義父母と供にこの夏の披露宴の下準備に奔走して参りました。レセプションのジャパニーズ・ナイト(?)の輪郭も浮かんできて、夫もますます「キモノ」に熱いものを感じているようです。それはそうと、

早坂>先日銀座もとじさんで話を聞いてきました。
早坂>今度は浅草の「ちどり屋」さんに相談してきました。

わざわざ、本当にどうもありがとうございました。早坂さんにいただく情報でどんなに助かっていることか...。

早坂>・貸衣装流れの古着で、ご主人様くらいのサイズの袴が1着だけある。
早坂> 値段は2万円くらいだそうです。(仙台平タイプの銀鼠の縞のもの)
早坂>・化繊で仕立てれば新品を仕立てても袴がやはり2万円くらいで、
早坂> 着物と羽織りはそれぞれ2万から2.5万くらい、襦袢を入れても
早坂> 全部で10万はかからないでしょうとのこと。

それはお手ごろな価格で、これなら夫も何も質屋に出すことなく(?)一式新調できます。(ホッ)
ところで、上記の古着の袴を購入してその他の一式を化繊で仕立てた場合、素材が違っていたりするとちぐはぐに見えるものなのでしょうか。あまり時間もないことですし、袴は古着のものを購入しようかと思っているのですが...。

早坂>なお、寸法あわせに付いては、
早坂>ご本人をお連れになるのがベストかもしれません。

できれば夫も日本に行ければ良いのですが、恐らく次回の帰国は私のみとなりそうです。
そこで、できる限り詳しい夫の寸法を測ってから帰国しようと思うのですが、具体的にはどの部分の寸法が着物の採寸には必要なのでしょうか。後でちどり屋さんに直に問い合わせてみようとは思っていますが。

早坂>本当は帰国される折りにご一緒にちどりやさんに行ければいいのですが、
早坂>都合よく東京に出張があるかどうか・・・^^;

私の帰国は4/18辺りからGWの終わりまでの予定です。もし早坂さんに一緒に行っていただけたらとても心強いですが、色々とお忙しいことでしょうし...。今までメールで情報を下さっているだけで本当に感謝しております。

そういえば、『男のきもの大全』で早坂さんの新曲(?)を聴きました。作曲までされるなんて、本当に多芸でいらっしゃいますね。詞を読みながら日本の春が恋しくなりました。関東地方は今桜が満開だそうですが、そちらはもう新緑の頃でしょうか。

それでは、お体に気をつけて。また。

澤田貢美

さて、このあと、体の寸法の測り方など、いろいろメールで説明し、出来るだけ写真も撮ってもらうようお願いしました。そして何日か過ぎたある日、メールソフトの受信トレイに次のようなメールが・・・。


Bad News

早坂 様

こんにちは。
いきなりで申し訳ありませんが、悪いニュースです。先程ちどり屋さんにお電話して仕立てのご相談をしたところ(というか、しようとしたところ)、断わられてしまいました。理由は、夫本人がちどり屋さんへ伺えないので正確な寸法が測れず、更に外国人の体型は見当が付かないからとのこと。ご主人も職人気質のご様子で、いい加減なものは作れない、と。納得と言えば納得ですが、夫も時間的、経済的にも着物の栽寸のために日本へ行く余裕はなく、結婚式での夫の袴姿が幻と消えるかと思うと残念で仕方がありません。という訳で、

早坂>結婚式やレセプションの様子もできたらお写真をHPでご紹介したいな、
早坂>と思うのですが、いかがでしょうか?

誠に残念です。是非早坂さんのHPに載りたかった!のですが...。

早坂さんにはさんざんお世話になりながら自己紹介をし損ねておりましたが、私はインドネシアのガジャマダ大学(日本人の友人はぷっと吹きだす名前ですが)という大学で文化人類学の修士課程に入っております学生です。現在は論文調査を兼ね、夫のいるNYのコーネル大学を訪れております。夫もコーネルで歴史を専攻している大学院生で、二人揃って文系なため、高度なコンピューター技能も器材も所有していないのですが、私達の和服レセプションが実現した暁には、是非シンプルな「写真」だけでもお送りさせて頂こうと思っていたのですが... : (
実物がいなくても羽織袴を仕立てて下さる呉服屋さんをご存じでしょうか?それとも、しぶとくちどり屋さんにお願いしたら引き受けて下さるでしょうか?色々お騒がせして本当に申し訳ありませんが、再び(三度、四度?)アドバイスを頂けると幸いです。

それでは、もうしばらく続く桜の季節をお楽しみ下さい。

澤田貢美

おやおや、これは困りました。予想外の展開です。あとで聞くと、最初に電話に出られたのはちどり屋さんのお父様のほうで、なるほど、プロとしては不十分な情報で仕立てをし、あとで苦情を言われるのも困りものだし、なにしろ未経験のことをそう安々とお受けする訳にもいかないとのお話でした。同業者であればみなさん同感だと思いますが、やはり普通こんなリスキーなことしませんものね・・・。しかし、これで諦めてもらったのでは、せっかく着物での結婚式をと望んでいらっしゃるこの国際カップルに、あとあと悔いが残るのは目に見えていますし、何とか望みを叶えてあげたい気持ちでいっぱいになりました。そこで、無理を承知で、私からちどり屋さんに電話をして、事の子細を改めて説明し、万一不十分な出来上がりとなった場合でも、決してご迷惑はおかけしないとの約束をして、なんとか説得し、仕立てを引き受けていただくことになった次第です。

「ちどり屋」さんに感謝!ブラボー越野親子&夫婦!!(^^;って気持ちです! そして・・・。


How wonderful!

早坂 様

嬉しいお知らせをどうもありがとうございました。レセプションでの夫の袴姿を想像すると、胸が踊ります。朗報に夫も大変喜んでおります。早坂さんには本当に何とお礼を申したらよろしいことか。ご出張先のお仕事でお忙しいところを、感謝、感謝です。

早坂> 必要な限りの寸法などの情報をもらった上で仕立ててみて、
早坂> 万一どうしても体型に合わないなどということになっても、
早坂> 返品やクレームなどのトラブルなしにお願いします。

勿論、実物大もなく仕立てをするのは呉服屋さんのポリシーに反することと承知の上でご無理をお願いするのですから、トラブルは決して起こしません。

早坂> 今度帰国される時までに、以下のデータと可能な限りのご主人の写真を
早坂> 持って、ちどりやさんを訪れて下さい。(単位はcmでOKです)

実はちょうど今朝、夫の身体中の寸法を測っていたのですが、より詳しい情報を頂けて幸いです。ただ、きものの仕立て寸法に関して無知なもので、更にお伺いしたいのですが、
*裄と袖丈はどう違うのでしょうか(どこを測れば良ろしいのですか)?
*袖巾は腕の付け根の周囲で良いのですか?
*後身巾と前身巾は脇と脇の間の巾ですか?
*乳下がりとはどこのことでしょう。アンダーバストですか?
*羽織丈、じゅばん丈、袴丈とは具体的にどこのことでしょうか?
申し訳ありませんが、ご講義いただけると幸いです。

早坂>最悪の最悪の場合でも、私の持っている紋付羽織袴一式をお貸しするという
早坂>手が残っていますし(もちろんこの場合は無料で結構です)。

ホントに、ご好意に涙が出そうです。もしタキシードが必要の際は是非夫のものをご利用下さい、と言えたらよいのですが、夫はタキシードは好みではないらしく所持しておらず、インドネシアのとある民族の正装を一着新調しておりますので、もしご興味がおありでしたら、是非どうぞ...(役立たずですみません)。

早坂>帰国スケジュールが分かり次第、上記データとともに(写真はあとで大丈夫)
早坂>メールで早めにご連絡下さい。
早坂>4月中にもう一度東京出張がありそうなので、なんとか都合を合わせて
早坂>いっしょにちどりやさんに行けるよう検討します。(^^)

きゃーっ、本当ですかあ?一緒に行って頂けたら本当に心強いです。でも、ご無理はなさらないで下さいね。私の帰国は4/17(16日にこちらを発ちます)で、5/5までの滞在です。4/22以外は予定はありませんので、私はいつでもちどり屋さんにお伺いできます(GW中はお休みですよねえ?)。実家に帰ったら早坂さんの方にご連絡させて頂きます。

それでは、また。
本当に色々お力添え下さいましてありがとうございます。
近々お会いできることを楽しみにしております。

澤田 貢美

この時はまだ、彼の写真を見ていなかったので、最悪自分の持っている紋付袴を・・・なあんて元気付けるつもりで書いてしまいましたが、あとで写真を見たところ、とてもサイズが合いそうにありませんでした。(^^;袴の紐ももしかしたら普通には届かないかも知れないくらい。ちなみに、仕立てに必要なボディサイズの採寸にあたっては、人気者?仕立て屋金次郎さんのHPを紹介し、そこの説明を参照してもらいました。やっぱり餅は餅屋ですね〜。私は仕立てのことまでは詳細にわからないので助かりました。金次郎さんにも感謝!


さてさて、かくしてゴールデンウィーク前のある日、私はうまいこと出張の合間を縫って、有楽町のマリオンの時計の下で澤田さんと待ち合わせ、BIG-KIMONO調達に向かったのでした!現れた澤田さんは私よりズーッと年下で(そりゃ学生だからね)、とっても美人のカノジョでした。さっそく取りあえずお茶でも・・・ということでテキトーなお店に。いいのかなあ・・・結婚前の人妻と銀座でデートなんかしちゃって・・・(^^;。いいのいいの、役得ってことで納得。それにしても、羨ましいよ、こんな美人と結婚する特大サイズのアメリカ人の彼氏!そう言えば、彼氏のお名前、最後まで聞かなかったなあ。澤田さん、今度メールで教えてね。

道草はこのくらいにして、まずは「銀座もとじ」さんへ。せめて30cmの足袋だけでも置いてないかなあってことで伺ってみました(力士の方用の既製品があると聞いたので)。しかしあいにく品切れで、お店にはない様子。雪駄のこともついでに、お知り合いの履物屋さんに問い合わせてもらったところ、両国に行けば既製品で安く置いてある店があるとのこと。で、両国は別の日に澤田さんが行ってみるとのことで、お礼を言って、もとじさんを後にし、期待の浅草に向かいました。

浅草は小雨もようで、いまいち気分もすっきりしない天気でしたが、気を取り直してまずは仲見世へ。ダメもとで何気なく覗いたお祭り用品の「中屋」さんで、なんとも巨大な雪駄を発見!サイズを見ると「超特大」の表示が。お店の人に尋ねると30cmだとのこと。ビニール雪駄なので値段も安く、確か¥2,500だったような。この値段なら惜しくないし、後でビーチサンダル代わりにもなるよねっ!ってことで、白鼻緒の雪駄を澤田さんGET!彼女曰く、「これで十分彼も喜びます。」ここですかさず、私が「あの〜、30cmの既製の足袋って置いてないですよねえ?」とこれまたダメモトで訪ねると、「ありますよ〜。えーっと、30cmの白足袋でいいんですかあ?」ってお返事。店のおばさんが、足袋の棚から既製の30cmの白足袋を出してくれました。というわけで、白足袋もあっけなくGET。これも¥2,200くらいでとにかく異常に安い。見ると、32、34cmくらいの足袋までストックがある模様。おばさん曰く、「最近の人は大きいから、足袋も大きいのおいてるんですよ。」だって。大きいたって、いく らなんでも30cmの足袋や雪駄なんてそんなに需要はないだろーに。なんて思わず考えてしまいました。それにしても、両国に行くまでもなく、あっけなく足袋と雪駄は浅草仲見世で調達完了。しかも激安で。いやあ、参りましたよ浅草には。全くもって、恐るべし浅草ぁっっ!ですよ。このあと、白扇も何軒か隣の店でGETし、いよいよ問題のちどり屋さんへ。

事前によくよくお願いをしておいたので、澤田さんの持ってきた彼氏のボディサイズとさまざまな角度からの写真を頼りに、ちどり屋さんのご夫婦とご主人のお父様とで今までに受けた注文の中で最も大きかったお客さんの寸法をもとに、あーでもない、こーでもないと生地と鯨尺をとっかえひっかえして、仕立て可能な最大サイズを算出。その結果、なんと身幅は前後四枚とも1尺1分、袵(おくみ)でさえ5分以上で仕立てることに。これでも実際着てみてもらわないと合うかどうか・・・。袴にしても物理的に一枚分では生地が足りないので二枚分使うことに。更に角帯も通常の約4mでは短いと思われるので、結び方に拘らず自由に結んでもらうことに。この他、化繊で出来た格安の羽織紐を合わせたり、紋を張り紋にしたり、襦袢はやめて長着を比翼仕立てにして白襟を重ね、普通の下着とTシャツなどで済ませることにしたりと、あの手この手で格安の道を選び、仕立て代込みでなんと10万円以内という信じられないお値段で、念願の紋付羽織袴一式をめでたくGETされたのでした。それにしても、着物も袴もいくら化繊とはいえ、安す ぎはしませんかあ?

この後は、4月の日記でご紹介したように、ちどり屋さん夫婦と4人で串焼き屋さんで、さらに楽しくおしゃべりは続くのでした。それにしても、ほんとによかったですね!今回ばかりは、私もおせっかいのやきがい?がありました。(^^; さあ、あとは無事仕立て上がるのを待つばかりです。それにしても、澤田さんの写真を撮り損ねたのは不覚でした。ぜひ今度写真送って下さいね。


・・・さて、それから約一ヶ月後、澤田さんから再びメールが届きました。彼女は今、「イサカ」というニューヨークから車で約5時間くらい離れた町にお住まいとのこと。それにしてもわずか1ヶ月足らずであの特大紋付袴が出来上がるとは。


先日はどうも・・・

早坂さん

再びイサカに戻って参りました。日本に滞在しているうちにこちらはすっかり初夏となってしまい、町の公園など、至るところでBBQを楽しむ人々の姿を見かけます。東京もここのところ暑い日が続いているようで、とっくに夏模様ではないかと思われますが、お元気でお過ごしでしょうか。

先日、浅草では本当に、本当ーーーにお世話になりましてどうもありがとうございました。あの、超特大の足袋も「雪駄ラバー」も夫の足にピッタリで、彼も大変喜んでおります(何と言っても、お値段がお手頃だったし)。:)羽織袴一式も素敵なものをつくっていただけそうで、それもこれも早坂さんのお陰で、感謝、感謝でいっぱいです。でき上がった着物を見るのがとっても楽しみです。夫もくれぐれも早坂さんによろしくどーぞ、と申しております。あとは一足先に持って来た帯を夫のお腹に巻つけて、まずは結び方の練習をしておこうと思っています。早坂さんのHPを参考にさせていただきつつまた色々お伺いしたいこともあると思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。

それでは、どうぞお身体に気をつけて。まずはお礼とご挨拶までにて。

澤田 貢美



早坂さん

こんにちは。昨日、実家の母から電話がありまして、「羽織袴が仕上がった」とちどり屋さんからお知らせいただいたとのことでした。来週母がちどり屋さんにお伺いする予定ですが、私も一刻も早く夫の着物が見たくてウズウズしています。どんなかんじでしょう...?

ところで、きっと、早坂さんに色々アドバイスをいただく前の私のように、私の夫のような超特大サイズのきものを作りたいと思いつつどうしたら良いか途方に暮れている人も多いのではないか(そう多くはないかも知れませんが)と思います。そんな方々と早坂さんのHPを通して是非情報を分かち合えたら良いなと思います。結婚パーティー当日の写真も是非お送りしますね。

それでは、また。HPの更新を毎回楽しみにしております。

澤田貢美

こんなかんじですよー。(^^;どうです?でっかいでしょ?
実は先日ちどり屋さんに立ち寄って、仕立て上がった特大紋付袴を勝手に見せてもらっちゃいました(澤田さん、ごめんなさいね)。とっても立派な出来栄えで、これならイメージ通りの結婚式となることと思いますよ。一見しただけでは、化繊には見えないし、張り紋だって言われなきゃわからないほど。袴の写真でその大きさがわかると思いますが、お店のご主人も身長180cmあるのにこのとおりです。比較用にわざわざ並べて持ってもらった小さい方の袴は、身長165cmくらいの普通の体型の人のもの。腰板の大きさからしてBigですよねえ。


「ちどり屋」の越野さん親子です。閉店間際に訪れ勝手なお願いをしたにも関わらず、快く写真を撮らせて下さり、ほんとうにありがとうございました。残念ながら息子さんの方の奥様は一足先にお帰りでした。越野さん、例のおでんのおいしいお店、今度連れてって下さいね〜(^^;。


というわけで、アメリカはニューヨークから届いた一通のメールによってもたらされた澤田 貢美さんの物語は 、東京浅草でひとまず幕を閉じ、あとは8月に予定されているという挙式を待つばかりとなりました。それにしても、着物好きな国際結婚カップルの素敵な願いが、なんとか叶って私も一安心です。あとは、うまく着付けができるかな?ってあたり、まだ心配ではありますが、まだまだ時間はありますので、頑張って練習して素晴らしい結婚式をあげてくださいね。

澤田さん、どうぞお幸せに!





Copyright Iori Hayasaka 1998. All Rights Reserved.