第10話 絹のふんどし 1998/09/01

株式会社一衣舎(いちえや) 一級和裁技能士 木村 幸夫さんが試作された、特製の絹の越中褌というのを試用する機会を得たのでご紹介したいと思います。

ずいぶん前に通信販売で求めた絹の越中を試したことはあるのですが、木村さんのはお世辞抜きで、素材・締め心地共に、それとは比べものにならないほど快適そのものでした。やはり素材の選び方の差は大きく、その用途に最適な素材選びは、実際に着る人でないと分からない好例と言えます。


まず、肌触りのよさはさすがに絹、サラッと感がいつまでも持続します。汗をかいてもべたつかず、まさにバイオ素材・絹の性能が体感できました。また、一目見て感動したのが左右の紐の長さをアンシンメトリー(非対称)になさっている部分。これなんですよね、越中の紐はこうでなくちゃいけません。さすがに着用する身のことをよくわかっておられると感心しました。これだと、結び目がちょうど脇にくるのでお腹の上でゴロゴロすることもなく、快適なんですよね。この点は越中褌の締め方のページでも指摘していますが、市販品はほとんど左右均等な紐がついており、ぜひとも見習って欲しい部分です。また、紐の部分に羽二重を使用なさっているのにも感心しました。適度な張りがあってとても締めやすかったです。太さもこれくらいあった方が締め良いと思います。

越中褌は馴れてくるとつけていること自体忘れてしまうほど、装着感も軽く、前垂れもこのくらいの長さなら洋装でも邪魔にならないと思いました。個人的には、和装の場合は前垂れがもう少し長い方が(あと5〜10cmくらい)好みです(緩んで来た時に引っ張りやすいので。あと、手拭きにも使えますし(^^;)。


私は普段和服の時は六尺褌を締めていて、越中は滅多に締めることはないのですが、この絹の肌触りには魅了されてしまいました。作務衣の下などには最適の肌着だと思います。ぜひこれで、六尺もあるといいなと思います(以前、胴裏地で試したことはありますが、生地が薄すぎて締め心地はイマイチでしたから)。


ところで、木村さんから頂いた資料によると、絹は綿に比べ、吸水性、吸湿性、放湿性、肌触りがよく快適衣服内気候を保つには最適な素材とのこと。「和服豆知識」のページでこの絹の性能についてを紹介していますので、合わせてご覧ください。

お問い合わせ先
株式会社 一 衣 舎(いちえや)
一級和裁技能士
 本 村 幸 夫
 
TEL03‐3557‐4553  FAXD・3994‐0717

なお、蛇足ですが、男のきもの大全HPで実施したアンケートの最終集計によると、和装を好む男性の63%もの方が褌を締めたことがあると答えています。褌の常用歴が10年以上の方も多く、中には30年以上の方も。そろそろ下着としてホンキで見直されてもよい頃ですね!




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