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 ■--とんびと二重回し
 >>>KWAN  男  千葉  -- 2005/12/14-19:26..No.[2075]
     とんびと二重回しは同じものですか?別々のものを指す言葉として区別して使用されることはありますか?
 このHPの「和装コート」の欄には同じものとして扱われていますが、ケープの付き方に違いのあるものがあるようなので、それを区別して呼ぶということなのでしょうか?そのような気がしています。
 そして「インバネス」というのはそのどちらを指すものなのでしょうか?両方をひっくるめてでしょうか?ひっくるめてのような気がしています。




>>> 中村屋ダン之助  男  神奈川 [URL]  -- 2005/12/15-10:01..No.[2078]
 
    KWANさん、こんにちは。

まず「インパネスコート」と「とんび」は基本的には同じものです。なお二重回しについては知りませんので、ごめんなさい。
インパネスコートはイギリスのインパネス地方で作られたコートで、シャーロック・ホームズが着ているコートですね。袖なしのコートとケープがセットになったもので、明治期に日本に入ってきました。セパレート型であるため着物の外套にするのに都合がよく、昭和中期頃まで愛用されていたようです。ケープの形状から「とんび」という日本独特の呼び名が付きました。

ご参考になれば幸いです。


 

>>> KWAN  男  千葉  -- 2005/12/15-17:42..No.[2084]
 
    中村屋ダン之助様 ありがとうございます。
 私も今まで同じものと思っていたのですが、違うかもと思い始めたものですから。
 「袖なしのコートとケープがセットになったもので」ということですが前から見たのでは同じでも後ろから見るとケープの付き方が違うものがあるようなのです。「ケープの形状から「とんび」という日本独特の呼び名」とおっしゃっているところからも、私が現在所有しているものがとんびであることはわかります。それを「二重回し」といってもいいのかということなんですが。
 

>>> 中村屋ダン之助  男  神奈川 [URL]  -- 2005/12/15-22:47..No.[2088]
 
    KWANさん、こんばんは。
質問から少々ズレたお答えをして申し訳ありません。とんびについて知人に伺ったところ、「二重回しとんび」というものがあることがわかりました。
通常の「とんび」はケープが前半分で、後から見ると普通のコートに見えるそうです。「二重回しとんび」はケープが後まであるタイプだそうです。

この件は、私も勉強になりました。加筆訂正させていただきます。
 

>>> KWAN  男  千葉  -- 2005/12/16-09:03..No.[2089]
 
    中村屋ダン之助様 重ねてありがとうございます。
 二重回しとんびという言葉は初めて聞きますが、そういうことではないかと最近になって思うようになってきたのです。そうしますと異論が出てくれば別ですが、このHPの早坂様始め多くの皆さんに認識を改めていただく必要がありそうですね。
 それから残っている問題は「それでは本来のインバネスはとんびを指すのか二重回しとんびを指すものなのか?それとも両方なのか?」ということになりますね。 
 

>>> 草屋  男  大阪  -- 2005/12/16-23:23..No.[2094]
 
    私は、インバネスコートというのは、取り外しのできるケープの付いた、袖ありのコートであり、日本で改良された、とんびや二重回しとは別物だと認識しておるのですが、違うのでしょうか?
フリートークの方に画像貼り付けさせていただいております。
二重回しと、とんびとのとちがいは、中村屋ダン之助様のNo2088の書き込みのように認識しております(両タイプ販売されてるHPがありそちらで知りました)。
 

>>> 早坂伊織  男  広島 [URL]  -- 2005/12/17-00:25..No.[2096]
 
    KWANさん、中村屋ダン之助さん、草屋さん、いつも書き込みありがとうございます。
確かにこのHPの「和装コート」のページでは、簡単な紹介しか記載しておりませんでしたので、今回話題になっている舶来外套の件について、私からも補足説明させていただきたいと思います。

まず、防寒用コートに複数の名称が存在することと、何がどれを指すのかという関係についてですが、「インバネス[inverness]」というヨーロッパ製の外套がまず存在し、それが日本に入ってからの呼び名が「とんび」もしくは「二重回し」ということになります。確かにケープの構造など仕立て方に若干の違いがあるなど、全てが比較できる現在の視点から見ると、これらはそれぞれ別物として呼び分けてもよいわけですが、日本の名称はいずれもその形状から名づけられたもので、厳密には以下に説明するような経緯ののち現在に至っていますが、一般的にはインバネスが原型であるということを踏まえ上で、和装用コートとして理解する場合には、どれも同じ類のものとして理解してよいと思います。

インバネスが最初に日本にもたらされたのは幕末頃とされていますが、当時は正確には「鳶合羽」と呼ばれており、一般に「インバネス」と「とんび」を同じものと認識するようになったのはそのためかと思われます。
「二重回し」の方は「二重マント」という呼び名もあり、インバネスが和風に改良されたものとして、明治20年代頃に登場しています。これらの経緯から、どちらかというと二重回しの方が和服用としてアレンジされたものと考えられます。ちなみ鳶合羽の形態は、日本の蓑とほぼ同じなのだそうです。

和装品の名称は、同じものを様々な名称で呼ばれることも多く、厳密に区別して呼び分けるという考えが行き届いていない種類のものも多々あります。これらをどう捉えるかは様々かとは思いますが、
標準的な見解としてひとつひとつきちんと整えて行けば、多くの人の安心が生まれるような気がします。
 

>>> 草屋  男  大阪  -- 2005/12/17-00:37..No.[2097]
 
    失礼いたしました。少々調べてみましたら、インバネスコート袖なしタイプもあるようですね。色々なタイプがあるようですが、共通しているのはいわゆる二重回しタイプのみでとんびタイプは見つけることが出来ませんでした(もう少し探してみます)。
インバネスケープというのが、本場スコットランドや欧米では通称のようです(ほとんどスコットランドのサイトでしたが)。

バグパイプの奏者には雨コートとして必需品で、今でも人気のようで、ビニール製のインパネスのレインコートが多数のサイトの通販で売られてました(インバネス、バグパイプの聖地の一つだそうで、例のスカートはいてインバネス羽織っている写真も結構..)。
面白そうなのでインバネスレインケープ(ビニール製の二重回し)、一つお取り寄せしてみましたが、はたしてどのようなものが届くか楽しみです。
 

>>> KWAN  男  千葉  -- 2005/12/17-18:35..No.[2103]
 
     草屋様、早坂伊織様 ありがとうございました。お二人のお答えで勉強になりました。特にこのサイトの管理者のお出ましをいただいたこと、得したような気がしています。 
 今あるのがとんび型なのでこんどは二重回し型が欲しいなあなどとおもっています。