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 ■--着物と袴のとりあわせ
 >>>ゆうだい  男  京都  -- 2006/01/23-02:36..No.[2173]
    既に出ている話でしたらごめんなさい。現在、紬のアンサンブルと仙台平の袴を持っているのですが、これをあわせるのはおかしいのでしょうか?呉服屋さんに、仙台平の袴はお召しの着物に着用するものであって、着物が紬の場合は袴は無地の紬が良いといわれました。また、前にお茶会で紬の着物に紋を抜いている人を見ました。とても数寄者っぽくてまねしたいと思うのですが、この場合は袴はなににしたらよいのでしょう?




>>> 優妃讃良  女  埼玉  -- 2006/01/23-12:04..No.[2176]
 
    仙台平は、現在では、礼装用で、お召しとか、黒羽二重など格の高い着物に合せるのが相応しいものです、
紬はもっとカジュアル感覚ですから、袴もカジュアル感覚な無地紬がよろしいと思います。

紬に一つ紋ですが、通常紬は先染めなので、紋が入りません。
但し、白糸で織って、後染めする紬もあります。牛首紬などはそれです。
この場合は、染める時に注文しておくと、染め抜きの紋が入ります。
お茶の席では、染めの牛首紬でしたら、無地紬の袴がよろしいと思います。

無地紬の袴は、お召しにも、ウールにも使える比較的適用範囲の広い袴です。お一つお持ちになっておられると便利に使えると思います、
 

>>> ゆうだい  男  京都  -- 2006/01/24-00:02..No.[2179]
 
    さっそくの回答ありがとうございます。紬の袴の購入を検討してみます。ただ、お茶席に行くと、紬の着物に仙台平の袴を着けている人が結構いると思うのですが、あれは本来的にいえばおかしいということになるのでしょうか?

それと、お召しの羽織と着物を作りたいと思っていて、紋を入れたいのですが、先染めのお召しでは縫い紋しかできないのでしょうか?できれば抜き紋を入れたいと思っているのですが、やはり白生地を染めてもらう方法になるのでしょうか?

いろいろ質問してすみません。

 

>>> 優妃讃良  女  埼玉  -- 2006/01/24-11:12..No.[2181]
 
    お茶席には、お茶席の決め事がございますので、一般的に道行く格好のソレとは異なることもございます。
また、流派やお教室によって、異なることもございます。
お茶席でのお召し物は社中の先輩や先生にお伺いになるのがよろしいと思います。

着物の習慣は、一つではなく、いくつも存在します。ある状況下では良いコーディネートが、別の状況下では適切ではないこともあり得ます。

個人的には、お茶席のお召し物は、冠婚葬祭や一般的に道行く格好とは、若干異なる部分を持っていると感じております。
茶道の主張によるもの、一般的には廃れた習慣が残っているコーディネート、今ならではの数寄者的オシャレなどなど。
女性の場合は、お茶席向きには、上オクミを広めに取り、座った際にオクミ裏の八掛けが多く見えるようにして、そこに更に刺繍や染め絵を描くといった仕立てのサイズからこだわった着物まであります。

「抜き紋」は「白生地を染める際に白く抜き残しておいて、紋を画く」手法です。
ですから、先染めの糸で織るお召しや紬の類には染め抜き紋は一般的にはあり得ないわけです。
ですから、「紬地で抜き紋」をお召しの方がいたら、それはとても数寄者でございましょう。後染めにしてもこだわって指示して誂えて初めて実現しえるお着物ですから。

以前、このスレッドで、「織物で染め抜き紋を実現」された話が載っていたと思います。下の方を検索してみて下さい。
どこででもできる技法ではないようです。

ご参考に。
 

>>> ゆうだい  男  京都  -- 2006/01/24-20:22..No.[2182]
 
    いろいろご指導ありがとうございます。茶席の着物については、先輩などに伺ってみます。

それと、またまた質問ですが、自分が持っている袴は正絹のこげ茶の縦縞でいただいた物なのですが、ずっと仙台平だと思っていました。でも、一般的な仙台平(結婚式で使われるような灰色系のもの)とは違うように思います。もしかしたら仙台平とは違う物なのかも知れないのですが、やはり仙台平と同様に使用すべきものなのでしょうか?自分的には、縦縞のものは全て一緒かなと思っていたのですが・・・
 

>>> 草屋  男  大阪  -- 2006/01/25-12:16..No.[2183]
 
    仙台平というのは正確には織り方かと思います。
仙台産の平織の略かと。
過去2度ほどですが、色無地の精好仙台平(甲田氏のもの)を見かけたこともあります。
米沢で織られたものがほとんどかと思いますので、一般に出回っているものは仙台平というよりは米沢平というのが正しい気もします。
ただ、袴地の代名詞として仙台平風の袴も「仙台平の袴」として普通に使われてるように思います。

それと色の件なのですが、もうすぐ70歳になる行きつけの店の方の話では、若いころは礼装用袴はこげ茶の縦縞の方が普通だったそうです。流行とかもあるのでしょうか。

以上記憶便りであやふやな点もあるかと思いますので、どなたか常連の方の添削でも入れていただきましたら。
 

>>> ゆうだい  男  京都  -- 2006/01/26-23:36..No.[2189]
 
    返答ありがとうございます。わからないことばかりなので、とても勉強になります。

そこでまたまた質問なのですが、袴には裏地のついているものといないものがあるのでしょうか?もしあるなら、それは織り方によって異なるのでしょうか?それとも、季節によるのでしょうか?

ご指導、よろしくお願いします。
 

>>> 優妃讃良  女  埼玉  -- 2006/01/27-14:37..No.[2191]
 
    袴には、裏付きのものと裏なしのものがあります。
また裏も、裏地用のものを使う場合と「引き返し」と言って、共布をそのまま裏へ折り返して使う場合とあります。引き返しは、裾に縫い代がないので、スッキリして見えます。

元々は、寒い極寒期には裏付きを、その前後は裏無し、更に夏生地の引き返しや紗裏、夏生地の単と移っていくものでした。

が、江戸時代のある時期の倹約令で「袴は単仕立てのこと」というのが出たので、当時の武家は単仕立ての袴を使ったようです。

仙台平は、単仕立てにする生地だと、何かの文献にありました、
しかも、その文献によると仙台平は、今でいう合いの時期から初夏にかけての着用生地とのこと。
今仙台平は、単仕立てなのか、裏付きなのか知らないのですが。

大伯父の袴は無地紬のも行灯袴の単仕立てでした。

神職さんの袴は、ウールの平織りは単仕立て、正絹冬物は袷仕立て。合い時期のは冬物の単仕立て。正絹夏物は引き返しか単仕立て。麻(麻混も)は単仕立てか引き返しです。
 

>>> 京都のT子  女  京都 [URL]  -- 2006/01/27-23:26..No.[2194]
 
    先染め紬での抜き紋の件ですが、当方でも地色によっては可能です、黒とか特に濃い地色では無理かと、なお仙台平の袴の事ですが、西陣で織られている袴もそう称します、かなりな数を生産しており、仙台で織られているから仙台平というのは、定かでは?また調べておきます。
なお、仙台平袴は無撚りの(まったく撚りのしない)糸にて織られて(経てもヌキも)います、それ故すごく織りづらく、織り上がりはパンパンの状態です、それをあのようなムチットした風合いに仕上げていきます。
なお、今仙台平袴は当方では全て単仕立てです。

 

>>> 京都のT子  女  京都 [URL]  -- 2006/01/27-23:34..No.[2195]
 
    いい忘れましたが、男物のお召しの白生地は通常、常に織っている織やはほとんどありません「別誂え」では織っておりました、なお少し紬がかった上代お召しなら、あります故、それでヌキ紋になさってはいかがと。
 

>>> ゆうだい  男  京都  -- 2006/01/28-21:19..No.[2200]
 
    いろいろとお教えいただきありがとうございます。袴の裏地については、いつの時季も単仕立で問題はないといったところでしょうか。紬の抜き紋の着物については、いろいろな人に尋ねたところ、もっと基本的なものからそろえた方がよいと言われましたので、そのようにしようと思います。

それと、お召しの抜き紋についてなのですが、とある人に尋ねたところ、先染めのお召しを薬品か何かで色を抜く方法もあると聞きました。女性の着物の抜き紋は、そのようにしているとのこと。男性のお召しなどもできるのでしょうか?
また、私はお召しで抜き紋にしたものが一般に言う色紋付だと思っていたのですが、両者は違うものですか?生地などが違うのでしょうか?
 

>>> 優妃讃良  女  埼玉  -- 2006/02/02-11:44..No.[2209]
 
    抜き紋の色紋付は、白生地を染める際に紋の部分を抜いて染めるものを指します。ですから、お召しや紬といった先染めの「織物」ではなく、羽二重や縮緬、綸子など「染物」の生地のものを指します。
女性の着物でも同じで、一般的に「色紋付」と言えば、「染物」を指します。お召しや紬を想像することはありません。「お召しに紋をつけて」と言えば、縫い紋を想像します。

紬やお召しには、縫い紋が一般的です。「薬品で白抜きして描き紋する」「紬生地を染める際に抜き紋する」というのは、珍しい稀な手法です。
ですから、「粋な着物」に映るわけですが。
お知り合いの方が助言されているように「これ一枚しかない」という着物としては、余り適切ではなく、何枚目かの着物として揃える方が良いものと言えましょう。

お茶道をされていますと、「色紋付」「袴」といったものの着用機会が巡ってきます。こだわりが進めば「季節に合せた色柄の取り合わせにする、裏地に凝る」など、着物への投資は尽きません。逆に着る機会がある故に、甲斐のある投資でもありますが。
急に何枚ものお誂えをするものでもありませんから、最初は着回しの利く色、生地のものを選び、枚数を重ねるうちに、季節限定のもの、趣味の強いものを追加していかれるとよろしいと思います。

女性ならば、お茶席用に誂える一枚目は、紋意匠縮緬の色無地に一つ紋染め抜きが多いようです。