■--ポリエステルと絹の交織生地で羽織を >>>やよいの 男 東京 -- 2006/02/12-20:47..No.[2221] |
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紫紺に板目の地模様のとてもよい洋服生地を手に入れました。用尺が足り、風合いも良いので男物の羽織を作ろうと仕立て屋に相談したところ、「出来るけれども交織生地なんかだと正絹の着物の上には着れないからつまらない」と言うんです。とても気に入った生地ですが、絹素材の紬やお召の上に羽織ったらおかしいものでしょうか? もしダメだとして、交織生地の羽織の場合、どういう材質の着物の上に着たらよいのでしょうか?ご存じの方お教え願います。 |
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>>> KWAN 男 千葉 -- 2006/02/13-19:28..No.[2222] | |||
なんだか不思議に思えてなりません。 洋服地で羽織を作るということは、その時点である意味「破格」なわけですよね。つまりおかしいことをやろうとしているわけですよ。それなのにおかしいでしょうか? とお聞きになるのはそれこそおかしいことではありませんか? お作りになった羽織を予定していた着物に合わせてみて、自分で良くないと判断されたら、別のものに合わせてみるとかタンスにしまいこんでしまうとか、判断されたらよいのではないかと思いますが。 | |||
>>> やよいの 男 東京 -- 2006/02/13-22:01..No.[2224] | |||
然様でございますか。ご丁寧なご忠告、誠に有難う存じました。 | |||
>>> 老婆着付け教師より! 女 東京 -- 2006/02/13-23:08..No.[2225] | |||
昨今の方はお分かりにならないでしょうが、昭和30年代中頃までは、絹の反物が少ない上に入手が容易ではなかったので、大概の人が洋服生地でせっせと着物を仕立てて着たものでした。それを推奨した第一人者が清水とき先生で、上野の松坂屋とタイアップしてエレガントなものから普段ものまで幅広いコーディネイトを発表し、皇族の方々のご高覧を戴くまでの盛況でした。 ですから、洋服生地で羽織をお作りになっても何らおかしいことはありません。それを「変わり事」と決め付けるのは、それこそこのような時代に「和服などを着るのは変わり者でおかしい」といっているのと同じことではないかと私は思います。 口さがない仕立て屋さんや、知ったかぶりの方の意見などを求めずに、お気に召されたその服地で羽織をお仕立てになり、紬なりお召なりの上に正々堂々とお召しになることをお勧めいたしますよ。 | |||
>>> KWAN 男 千葉 -- 2006/02/14-20:49..No.[2226] | |||
こんにちは お二人には私が「洋服地で羽織を作ること」に否定的であるという印象を持たれたようですが、私としてはそのつもりはありません。「おかしいこと」と書いたのでそう受け取られるのも無理からぬことかも知れませんが。ただ私は「着付け教師」様と違って、洋服地で羽織を作ることをごく普通のこととは思いませんので、そう書きました。 やよいの様に申し上げたかったのは、そういう羽織を作りたいと心を決められたのなら、それをどういう着物に合わせればよいかということまでご自分で決められた方がよいのではないでしょうか?ということなのです。 ちなみにすでにご承知かも知れませんが、同じ服地で一人が洋服を一人が和服をつくってふたりで歩き回ったという話がこのサイトのフリートークのページに出ています。 | |||
>>> けんちゃん 男 神奈川 -- 2006/02/15-10:23..No.[2231] | |||
まあ、「洋服地」というだけではわかりませんが。 わたしは、イマドキ一般の呉服屋サンなど、 結構●●(二字伏字)にしていまして、 例えば、イマドキ一般の呉服屋さんのおっしゃる 「単の季節は・・」など、その他もろもろ、 内心セセラ笑いながら拝聴していますが。 話がずれました。 その洋服地の羽織、下手な和服地より、 よほどカッコいいものになるのではと、 勝手に空想してウラヤマシがっています(笑) | |||
>>> 優妃讃良 女 埼玉 -- 2006/02/15-11:57..No.[2232] | |||
洋服地の交織りの風合いや色柄がわかりませんので、「こうだ」とは申し上げられませんが、お羽織だけで、お対でない場合は、そもそも、略儀になります。 紬やお召しに重ねて、となると、「ショッピング」「観劇」とか「旅行」といった目的に向いています。 「冠婚葬祭」でなく「普段にちょっとオシャレして着物で行く」というのに、最適なお羽織になるかと存じます。 ご参考に。 | |||
>>> KWAN 男 千葉 -- 2006/02/15-20:34..No.[2235] | |||
付け加えます。着付け教師様は「紬なりお召なりの上に正々堂々と」とおしゃっておられますが、抽象的な紬一般、お召し一般というものはないわけで、あくまでやよいの様の持っておられる、あのお召し、あの紬に合うかどうかを判断する必要があるのだと思います。 また、「合う」ということについてですが、早い話が自分が満足できるかどうかということなのだと思いますよ。一見ひどい取り合わせに思えても何となく納得してしまうようなものもあると思います。ミスマッチのマッチングということもあるでしょうね。 要は着ている人の姿勢・ふるまい・生き方のようなものでどうにもなるのではないでしょうか? | |||
>>> 朝路真行 男 兵庫 -- 2006/02/16-15:38..No.[2239] | |||
初めまして。朝路と申します。 やよいのさんの投稿を拝察して、普段着や洒落着として用いられるときに、何と合わせればよいか?という御質問内容と存じます。まさかに正装に用いられるような方ではないと存じますから、質問されたのでしょう。 優妃讃良さんがお書きのように、やよいのさんのお手持ちの物が、どのような風合いの物か判りませんので、確実なことを申し上げられませんが、絹交織で板目ということから、タフタのような光沢のあるものと推察してよろしいでしょうか? そうなると、羽二重とか紬といった生地の種類ではなく、着物の色艶とのバランスになると存じます。 よく一般に、「紬と仙台平は合わせない」など、この生地とこの生地の取り合わせは可笑しいと言いますが、それは正装=着付け内容が指定された物に準じた服装にのみ適用されることで、それ以外には見た目のバランスを考慮されれば、気にされることはないと存じます。 このコーナーの他の質問に、袴との取り合わせについても御質問がありましたね。その内容と同じなのですが、茶道や伝統芸能の各流派で、ある程度の決まりがあれば、それに従わなければなりません。もし、やよいのさんが普段の生活でも「武士道生活を送るのだ!」などと言うような、ポリシーがおありなら、それはちょっと変わった着方に感じるかもしれませんが、そうでなければ、御自身のセンスで取り合わせられて結構かと存じます。 昔は、決まりのある紋付の正装などでは、袴下の帯に金襴など用いませんでしたが、この頃は衣装屋でも平気に使いますしね。いつの時点、時代のタブーを元にするかでも違ってきます。ですから、時代考証を元に、再現して着物を着たいという人もいれば、今の生活に合わせて着物の取り合わせを選ぶ人もいていいかと存じます。 念のため、繰り返しますが、決まりのある正装は別ですよ。 洋服地の転用は可笑しいことではありません。戦前戦中戦後だけでなく、もっと昔から洋服地は着物に転用されてきました。いまの呉服屋などが嫌がるのは、反物が売れなくなるのと、腕の無い和裁師が多いからではないでしょうか。 私も洋服地を着物に多く転用していますよ。簡単なものなら浴衣から、インドのサリーの生地を使って、パーティー用の袴も作りました。 やよいのさんのお手持ちの着物と合うような羽織に仕上がればよろしいですね。 | |||
>>> やよいの 男 東京 -- 2006/02/16-18:29..No.[2242] | |||
この度は私の愚問に対しまして、皆様よりかくも多汎にわたるご意見を頂戴いたしまして誠にありがとうございました。 確かに洋服生地でキモノを作るなどとは思いもよらぬ事だと、ついぞ近々まで私も思っておりました。しかし今回は、和装が好きで子供のころよりのキモノ暦は30年くらい、ここ十数年は洒落着として紬類のお対、大島、結城、塩沢と作っては着て、それに飽きると鬼しぼや三越しなどの縮緬や牛首の白生地などの染に凝りまして、矢代仁でお召を織注文したり、伝統工芸の上布だの薩摩木綿だのと散々呉服三昧の果てのことなんです。 今回のものは、フランスより取り寄せました紫紺色のドレス用生地で、ちょうど緯総絣の大島のような艶で、緞子のような風合いのものです。初めは羽織で行けると確信したのですが、数十枚あるどんな袷のキモノにもってきてもこの洋服生地が勝ってしまうので、思いあぐねての質問でした。洋服生地という特質性か、生地の性によるものかはわかりませんが、以前に薄手の平塩瀬の反物を染めて羽織を作った時以上に自信がもてなくなったものですから。 でも最終的には自分の判断で、と言うことは最初から承知のうえでしたし、羽織にしたところでおしゃれ着以上の何物でもないということはよく存じておりました。でも皆様のおかげにより、今回皆様からお寄せいただきました数々のご教示を糧にして、羽織に仕立てて着る決心がつきました。そして思考錯誤をくり返しながらあまり奇異にならぬよう、この羽織に於いての自分スタイルを見い出して参る所存です。 重ねて御礼申し上げます。 | |||
>>> 優妃讃良 女 埼玉 -- 2006/02/17-17:43..No.[2243] | |||
>初めは羽織で行けると確信したのですが、数十枚あるどんな袷のキモノにもってきてもこの洋服生地が勝ってしまうので、思いあぐねての質問でした。 これは、着物と羽織の色柄の取り合わせの問題ですね。 着物の反物同士であっても、「気に入っているけど、手持ちの何にも合わない」というものは存在します。 あと、洋服地の場合は、「色系」も大きく関係してきます。 もし、お持ちの着物が、お召しや塩沢といった昔ながらの色柄であるならば、「いかにも洋服地」な色の生地は似合わないです。 着物でも「モダン系」などと呼ぶ、若い人向けの振袖や街着、はたまたイブニングドレスのように夜のパーティ会場に映える色柄の着物にこの色系のものが使われることがあり、これらは古来からの着物の色柄とは合いません。 こういった色柄のものは、それ同士だけでまとめてコーディネートするのがよろしいと思います。 「洋服用の生地ならモダン系」ということはありませんが、お話からするに、モダン系のお色目と想像いたします。 もし、お生地が十分にございましたら、長着に仕立て、西陣などが得意としてきている黒地に虹色ラメの金襴の袋帯などをもってきますと、さぞかし映えるのではないかと思いました。 はたまた、今回の生地は羽織に仕立て、薄色(薄紫、薄紅、薄萌黄などで)のモダン系の色系の色無地を仕立てて合せても、似合いましょう。 | |||
>>> やよいの 男 東京 -- 2006/02/19-18:00..No.[2245] | |||
さすが優妃讃良様、当を得たご教示ありがとうございます。そうなんですね。色目なんです。フランスの伝統色、日本の伝統色なんて本で読んだことがありましたが、それらの色は違った文化圏のもとで培われたものですので、ムリにあわせたところで双方相容れない色目も多々ありましょう。当の生地も「紫紺色」と申しましたが、日本の藍色やナス紺、紫とは根本的に違った系統のような色に思えます。華やかな紫紺というか、西洋的な気品と荘厳さに満ち溢れている色であることに改めて気がついたのです。 深い黒緑無地の絹シャンタン生地が手元にあります。南欧の品物なんですが、あわせてみたらピタリと相性が一致しました。思いもよらぬものの適合で自分でも驚いています。ちょうど用尺もありますのでこれを長着のあわせに仕立てて楽しみたいと思います。 誠にありがとうございました。 | |||