ホームに戻る   記事一覧画面に戻る


 ■--渋扇のニオイ・・・
 >>>雄太郎  男  千葉  -- 2005/09/17-10:35..No.[1763]
    機会に恵まれて渋扇を手に入れたのですが、柿の渋のニオイが取れる気配がありません。お店の人は「何回か使えばすぐ取れますよ」って言ってましたが、初めてのことなのでその「何回」が気になるのです。お願いします。




>>> 朝路真行  男  兵庫  -- 2005/09/18-05:52..No.[1769]
 
     初めまして、朝路と申します。

 臭覚は個人によって差がありますから、どの程度臭うのか文字だけでは判りませんが、扇いだ程度で臭いますか?それとも地紙に鼻をつけて臭う程度ですか?
 渋の効能がある限りは、ある程度臭いがします。私の手元にも10数年前の渋扇がありますが、鼻をつけますとまだ臭いがします。
 どうしても気になるようでしたら、少々のお茶の葉を鍋で乾煎りしてほうじ茶を作り、一緒に入れておかれたらどうでしょうか?
 おそらく雄太郎さんがお求めになったものは、仕立ててから間がなく、新しすぎるのだと存じます。
 新しすぎる扇は、風を送りますと糊が剥がれててしまうかもしれませんので、躾(紙製の輪)を付けて暗所で保管なされるのがよろしいかと存じます。

 扇子は新しすぎますと糊が剥がれたり、紙の癖が取れてしまい閉じても先が開くようになってしまいます。また長く置きすぎて乾燥が進みますと、紙がもろくなってしまいます。しかしこの長い期間といいますのは何十年という単位ですから通常には支障ありません。ですが乾燥のし過ぎ、多湿は禁物です。
 着物と同じように、箪笥などに躾をつけて保管されるのがよろしいですね。

 この時期、百貨店などですと、そろそろ店頭から扇が姿を消しますね。場合によっては安売りになっている場合もあります。こんな時は無駄なようでも来年用の扇を求めておかれたほうがよろしいですよ。
 扇は仕立ててから、しばらくは寝かせておいたほうが紙の癖もつき、糊も安定します。躾の輪を無くされていれば、代わりに紐などで輪を作ってはめておかれればよろしいでしょう。

 無駄なようでも2.3本の扇を使い回すようにされれば、地紙が目立つほど汚れたり、やれたりしない限り、よく使っても5〜10年は悠に使えます。毎年買い足していくのも楽しみの一つですね。

 扇子屋が言った『何回か…云々』の件に関しては、回数ではなく期間とお考えになったほうがよろしいでしょう。毎日何十時間も扇いだからと言って、すぐに臭いが消えるものではありません。

 余談が過ぎました。御容赦ください。御参考になるでしょうか?
 

>>> 雄太郎  男  千葉  -- 2005/09/18-22:02..No.[1771]
 
    そうでしたか!買った渋扇はできたて(?)らしく、あおがなくても手に取るだけで臭います。扇子屋さんで値段は3000円弱でしたが、都心のデパートだと4000以上するとか・・・。しかも買ったとき躾は付いていませんでした。仕方ないので、たこ紐かなんかで代用しようと思います。あと要が金属ではなく、樹脂っぽいのが気になりますが・・・。教えて頂きありがとうございました。一年寝かせていい扇子にしようと思います。
 

>>> 朝路真行  男  兵庫  -- 2005/09/19-02:51..No.[1773]
 
     どうも朝路でございます。

 そうですか、手に持たれるだけで臭いますか。お手持ちの渋扇は、渋そのままの色の茶褐色ですか?それとも黒に近い濃紺とか緑とかでしょうか?最近は色入りの物もありますので、場合によっては渋だけの臭いではなく、顔料や糊の臭いがする場合があります。また染竹の塗料の臭いという場合もありますね。カビ臭でなければ、やはり新しすぎるのかと存じます。
 そうなると時間を置くしかないですね。

 躾はたこ糸でもよろしいでしょう。私は婦人の髪を束ねたりするゴム輪やパンツ用のゴムを使っています。普通のゴムバンドですと、ゴムが溶けたり紙に引っ付いたりしますので長期の保存にはお奨めできませんが、この手のゴムにはカバーがついていますから心配がありません。舞扇など親骨より紙がはみ出している扇(うぐいす骨)には、この方法で躾をしますと、地紙が傷んでしまいますので他の手を使いますが、通常の夏扇やバチ骨の扇子にはこれで十分です。
 躾をする位置は、扇の先から1〜2センチの所にします。決して扇の中心の位置にはしないように。せっかく内側に曲げてある親骨が矯正されて真っ直ぐなってしまいますからね。先だけがきっちりと閉じるようにしておけば、強くする必要はありません。

 あと要の件ですが、舞扇や軍扇、鉄扇や白檀扇などでなければ、特注しない限り金属の要を用いません。扇子屋によっては、通常の扇子(夏扇やバチ骨の扇子、飾り扇の類)にも用いることがありますが、殆どはプラスティックやセルロイド等の樹脂を用います。仕舞の扇などですと、耐久性のあるカーボネイトを用いることもあります。
 よく扇を持つと、バッと振ってひろげる方がありますが、あのような所作は扇には厳禁ですね。親骨に負担がかかりますから、骨が折れたり曲がったり、要の先も吹っ飛ぶ恐れがあります。あのようにひろげたいとお思いでしたら、舞扇か紙の弾力が衰えてきた物でされることです。
 扇はひろげようとしますと、開く最初の一間目(扇子では骨と骨の間を一間と言います)の紙が親骨を外に押し開き、壊れる寸前で次の一間が開きかけるので、親骨が元の位置に戻って壊れないのです。閉じるときはこの逆で、一間の紙に親骨の力が掛り、また骨が外に押し広げられます。開くときも閉じるときも、パチッと音がするのはこのためです。開きやすくなったけど、閉じるときに骨が引っかかるようになった・・・こういう場合は地紙が傷んでいる証拠です。例え新品でも、荒く扱いますとこのような状態にすぐなってしまいます。こうなると元のようにパチッとは戻りません。

 扇子を長持ちさせようとしますと、開いたり閉じたりする時は丁寧に扱い、地紙をむやみに手で触らないようにします。

 もし要が壊れてしまい、要以外はまたまだ使用できる場合は、補修する手もあります。また機会があれば申しましょう。

 またもや長々と余談が過ぎました。御容赦のほどを。
 

>>> 雄太郎  男  千葉  -- 2005/09/19-09:54..No.[1774]
 
    そうですか。家にある七福神の絵柄の扇(たぶん飾り扇だと思いますが・・・)の要が金属でためしにあおぐと骨の部分がよくしなり、十数年たっていますが、いまだ健在で金属の要が丈夫なのかなぁ・・・何て思ってた次第です。色はお店で茶、抹茶、黒とありましたが、時代劇「鬼平犯科帳」で長谷川平蔵が使用していた茶色にしました。色々教えて頂きありがとうございました。
 

>>>  男  北海道  -- 2006/02/24-11:32..No.[2253]
 
    sfdgh