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 ■--ついたけについて
 >>>しず  女  千葉  -- 2005/07/20-00:28..No.[1497]
    丈の短いきものはおはしょりをなくして、ついたけできてもよい、と本にあったのですが、先日ネット上で「ついたけは着くずれしやすい、衿がだらしなくなる、」と書いてありました。これはどういうことなのでしょうか?私は横幅が狭く、おはしょりが結構もたついてしまうので、対丈はすっきりしていていいなぁ、と思っていたのですが、どういう理由で気くずれしやすくなってしまうのでしょうか?よろしければおしえてください。




>>> 朝路真行  男  兵庫  -- 2005/07/20-01:51..No.[1500]
 
     どうも朝路でございます。

 このコーナーで、よく男性諸氏から『襟の崩れ』が質問されています。
男性はお端折りをしないので、しず さんがお書きのように襟も裾も着崩れ易くなっています。この場合、着崩れの最たる原因は裾にあります。足捌きや立ったり座ったりの動作で裾が乱れ、裾と直結している襟が崩れるということですね。
 お端折りを取っていますと、織り込んだ部分がワンクッションになって襟にまで影響しないということです。

 ですが物は考えようですね。着崩れしやすいと言うことは、着崩れも直し易いと言うことです。お端折りを取っていて、端折っている部分まで崩れてしまうと帯を解かない限り、元通りに修復するのは困難でしょうね。(無論、応急処置や着慣れていれば対処の仕様もありますが)

 他にも説明があると存じますが、私からはこのような説明を申し上げました。
 

>>> 優妃讃良  女  埼玉 [URL]  -- 2005/07/20-11:23..No.[1501]
 
    男性の場合は、帯を腰で結びます。
一方、女性の場合は、帯はウエストで結びます。
しかし、お端折りがある場合は、実際は腰にも紐が結ばれているのです。
この腰位置をしっかりキメないと、裾の崩れがひどくなります。
室町時代などは、女性はつい丈ですが、帯も腰位置なんですよ。

また、お端折りをとっていると、衿と裾は力関係では腰紐で分離するのですが、対丈は裾の乱れが、衿側に直結して衿まで崩してしまうというわけです。

家では、楽なので、つい丈の着物を着ていますが、外では着ません。
男性風に腰位置に角帯を締めています。

こんな実体験のお話でした。
 

>>> しず  女  千葉  -- 2005/07/20-19:31..No.[1505]
 
    ありがとうございます。なるほど・・・です。
私は着物初心者なので、おはしょりの時点でもう汗だくです。
「簡単着物」とかマジックテープで止められて、おはしょりも必要なく、1分で着る事ができる、というのを見ると、「おはしょりをなくすと着るのが楽になりそうだ」と思いましたが、おはしょりにはそういう意味合いがあったのですね。勉強になりました。ありがとうございました!

 

>>> しず  女  千葉  -- 2005/07/25-22:54..No.[1526]
 
    またふとおもったのですが、おはしょりがないと衿と裾が直結して衿が崩れやすくなる、ってことでしたが、長襦袢はどうなのでしょうか?
長じゅばんの衿が崩れやすくなれば、着物にも影響するのでしょうか?

 

>>> 朝路真行  男  兵庫  -- 2005/07/26-04:25..No.[1527]
 
     どうも朝路でございます。

 仰る通り、長襦袢が影響する場合も多分にあります。それを防ぐため襦袢の生地は、滑りのよい物を選ぶのです。また女性ものの場合は、襟の崩れを防止するために、襟芯を入れたり、襦袢の場合でも広襟に仕立てたりしますね。衣紋を抜いた状態にするために力布を付けたりもします。

 余談ですが、現在と昔では衣紋の抜き方、着付け方が大きく変わっています。どちらかというと現在の着付け方は、プロ仕様の方向になっていますね。プロ仕様というのは、芸妓や役者の着付け方という意味です。うちの祖母などは、襟芯も使わず、帯板も使わず、襟の打ち合わせは人形に着せるように詰めて着ていました。見た目は崩れたように見えましたが、ある意味着慣れている感じがしましたよ。
 現在の流行ですと、どうしてもモデルやプロの人のように着るのがいいと思われがちですが、そのままのスタイルを保つのは不可能ですね。 
 このコーナーの他の質問でも何方かが仰っておられましたが、着付け終わって、動いた後、すこし崩れたのが一番体に合っているということです。
そしてそれ以上着崩れないように配慮するのが本来の着方のような気がします。