ホームに戻る   記事一覧画面に戻る


 ■--着物のときの歩き方は?
 >>>たろう  男  東京  -- 2005/06/20-12:58..No.[1292]
    初めまして。初めて書き込ませていただきます。
先日初めて浴衣を買ったので、嬉しくて同時に買い求めた雪駄と下駄で近所をウロウロとしてまいりました。
歩くにつれ、浴衣はよれよれ、帯も上がってきたのですが、それよりも着物の時の歩きづらさにびっくり仰天しました。よたつきながらしばらくウロウロする間に、左手で帯より少し下のあたりの裾をちょっと持って左足の動くときにちょいちょいと動かすと多少歩きやすい……ことを『発見』しましたが、これはやって良いのでしょうか? 重心を後めにして、前足の踵から足をつけていき、ゆっくりとそちらに重心を移してゆく……と少しは安定したのですが、それはそれはスピードが出ず、ご隠居がのんびり散歩しているような、とってものんびりペースでしか歩けませんでした。
 洋服の時は、一つの直線上(15p幅くらいの)をまっすぐ、外股にならないように気を付けて、両手を振って身体を捻るようにしてスィスィと歩くと格好が良い……ように私は思うのですが、着物では全くこのように歩けませんでした。
 果たして着物の時はまっすぐ歩きなのか、外股歩きなのか、腕は振るのか振らないのか、全くもって分かりません。みなさんどのようにして歩かれていますか? 着物の時の格好の良い歩き方とは、どんな歩き方なのでしょう?




>>> かもめのたまこのダンナ  男  神奈川 [URL]  -- 2005/06/20-21:12..No.[1293]
 
    たろうさん、初めまして。

そうですねぇ、初めて着物を着て歩いた時は大変でしたね。たろうさんが仰ることはよくわかります。着崩れに関しては、あれこれ言ったところで防ぐことは難しいので「着崩れたら直す」しかありません。まず着慣れることが第一かと思います。どんなに慣れたところで着崩れは避けられません。私の場合は特に階段の登りで着崩れが激しくなりますから、階段に差し掛かると右手で衿先を押えます。まぁそれでも着崩れますけど、被害が小さい(爆)。

ところで「股割り」を着付けた段階でされていますか?股割をすると裾さばきが格段に良くなります。
こちら
上記は小生のHPですが、ご参考にしていただければ幸です。

初めての着物を着られて驚きも多かろうと存じますが、下駄や雪駄も品物にもよりますが歩き辛かろうと思います。まずサンダルの感覚で歩くと、滑る事は避けられないです。そこで踵に滑り止めをする方もいらっしゃいますし、最近の若い人向けにプロデュースされた和風履物は構造そのものが違う気がします。
私は雪駄・下駄を履く時は足裏全体で接地するように歩きます。感覚的には爪先立ちで歩く感じですかね、これも慣れると走ることも可能になります。がんばって下さい。実は密かに「なんば歩き」に挑戦中なんですけど、着崩れも軽減されるそうで・・・これがなかなか・・・

長々と失礼いたしました。





 

>>>  男  東京  -- 2005/06/20-23:52..No.[1299]
 
    いつもロム専で、着物そのものに、そう詳しいわけではないですが良く着ます。
歩き方ですが、いわゆるナンバ歩きは着物を着て走り回るくらい良く動いてると身についたように思います。

たろうさんの洋服での綺麗な歩き方は良いと思いますが、着物は洋服と歩き方は逆と頭に入れておくと楽です。
かもめのたまごのダンナさんの仰るとおり股割りは必要と思いますが後はなるたけ体を捻らないで下さい。
昔の時代劇などで、手を腿の上部に添えて足を出すほうの側の肩を同じように軽く前に出すと楽に小走りが出来ます。その感覚がわかると、歩いてても小気味良く歩けます。私はがに股にならないですっと前にけりだして歩いてます。
よくわからない説明で上手く説明できなくてすいません。

着崩れは、普段から歩いてても、衿を豆に寄せなおしたり、帯がずり上がらないように下に押し下げるように直したり、上前の裾が落ちるまえに引き上げたり、下の裾は袖から手を入れて軽く引き上げたりをちょこちょことするのがクセになってるので大きく着乱れたりはしません。
襟元は時代劇や歌舞伎の脇役の役者さんとか良く舞台上で衿いじったりする感じです。


 

>>> 忠吉  男  東京  -- 2005/06/21-10:34..No.[1306]
 
    たろう様

はじめまして、忠吉と申します。
かもめのたまこのダンナ様、k様が既に詳しくご教示なさっておいで
ですので、私なぞが出る幕では御座いませんが、蛇足一言申し上げます。
私は、まだまだ素人の域を出ませんが、武術を学んでおります。
その学んだ事から申し上げますと、膝から歩くと言う事でしょうか。
私は、着流しより袴をはく事の方が多ございますが、膝から歩を進
める感覚でおります。また、かもめのたまこのダンナ様が仰っておいでの歩行は、すでに一種のナンバであると思います。
私なりの言い方にさせて頂けば、足は平で下ろし体重を足の親指の付根骨と踵骨の二点及びその肉周りで支えます。歩みとしては、現代では普通の足先で大またに歩くのではなく、腹と膝が身体を先導して進む感じ歩幅は上記と比べると狭目です。
こうすると、膝がやや曲がった状態で膝より先に脛や足首が出辛いので
足首で裾をバサバサさせず歩けるのではないかと思います。

武術では、やや丹田を落としそれを進行方向へ押し出すようにすると歩みになります。
別に、日常街中を腰を大いに落として歩けと言う事ではなく、ややスッと腰を落としているだけであれば、傍目には変には見えません。
腰で歩く体感には、k様の仰る「足を出すほうの側の肩を同じように軽く前に出す」も一つの手かと存じます。

掻い摘んで申し上げました為、乱文になってしまい申し訳御座いません。稚拙では御座いますが、何かの足しになれば幸いで御座います。






 

>>> かもめのたまこのダンナ  男  神奈川 [URL]  -- 2005/06/22-20:24..No.[1314]
 
    忠吉様

さすが武人ですね!歩き方の解説、参考になりました。
私がよく伺う日本橋浜町の手拭屋さんの若い衆は、完璧な爪先立ちです。ついでに親方も爪先立ちで”後傾”歩きをされています。「辛くないですか?(野暮な質問をしてしまいましたが・・)」と訊ねたところ「やせ我慢は江戸っ子の粋」との答えが返ってきました。
ついでながら、そこの若い衆は一年中褌一枚に唐桟織の木綿着物一枚です。彼ら曰く「削ぎの美学」だそうです。

ん〜江戸の粋は奥が深いです。
 

>>> たろう  男  東京  -- 2005/07/10-20:30..No.[1436]
 
    なんとこんなにレスを付けて頂けているとは……
お返事がとんでもなく遅れて大変申し訳ありません。
かもめ様、K様、忠吉様、大変具体的な説明ありがとうございました。
両手を膝にそえるような感じで、脚を先行させるように歩くとは
説明を読んだ時は頭の中に?が飛び回ったのですが、
実際外で試してみると合点しました。
そう言えば、昔の時代劇や歌舞伎など、こんな歩き方をしていたような気がします。
股割りもやると、なるほどだいぶ歩きやすくなりました。
歩き方などはもう身体に染みついてしまっているので、きれいな歩き方が出来るのは
いつになるのか分かりませんが、頑張って『修行』してみようと思います。

あと、着崩れの直し方も私には新鮮な驚きでした。
和服とは着崩れる、という前提のもとにそれを少しずつ直していくものなのですね。
その為、私を含めての初心者がぴっちり着物を着ているとなんだかお人形のような感じで
パッとしないのに対して、歌舞伎役者などが少し乱れた様子でいるのがあんなに色気が漂うのですね。
(それだけが原因ではないでしょうが……)

私のような超初心者の質問に対して親切に答えていただきありがとうございました。
みなさんのご教授に感謝します。