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 ■--浴衣と着物の違い
 >>>さとる  男  東京  -- 2005/06/22-15:04..No.[1312]
    はじめまして。
東京在住のさとるといいます。
浴衣と着物の違いってどこなんでしょう??
素朴な疑問ですいませんが教えていただけるとうれしいです。




>>> 優妃讃良  女  埼玉 [URL]  -- 2005/06/22-19:27..No.[1313]
 
    単純に言えば「下に襦袢を着ているか着ていないか」の違いです。
コーマ地のもの、特に藍に白抜きやその逆に白地に藍染めのものなどは「いかにも浴衣」と言えましょう。
綿絽、綿縮、麻縮、奥州木綿、綿紅梅、絹紅梅は浴衣に分類し、襦袢を着ないで着ると「浴衣」ですが、襦袢を着て、足袋を履くと「着物」になります。
 

>>> さとる  男  東京  -- 2005/06/23-07:29..No.[1316]
 
    ご返答ありがとうございました
参考になりました
 

>>> 千兵衛  男  神奈川  -- 2005/06/23-19:39..No.[1317]
 
    こんばんわ!千兵衛です。

優妃讃良様のおっしゃる通りですが、さとるさんへ、知らなくてもいいような話を、一応は知っておられた方がいいんじゃないの?という気持ちでお話しします。

本来、浴衣と呼ぶのは着物の種類の名称ではなく、「着方」の言い方です。
江戸時代以前は高貴な方々が湯帷子(ゆかたびら)と称して着装して湯浴みしていたものを、経済的に余裕ができた庶民が、湯上がり専用着として、まねをして区別したのが始まりのようですが、余裕のない庶民は単衣の着物を襦袢などを付けずに下帯の上に直接着て、夏の普段着ともしたようです。
(これらの着方を総称して浴衣と呼ぶようになったようです)

ですから、仕立て方などの違いはなく、その後の経過から、大柄な模様とか涼しげな織り等の生地が作られたことにより、いかにも「浴衣らしい」という着物が生まれたのです。
着方については以前にも述べましたので省略しますが、少なくとも私の体験した昭和時代には、夏の夕方以降に夕涼み用として着てました。

最近では、日中、浴衣を着て電車に乗って遠出をする若者が増えてきたと聞きます。
その若者の中からの疑問に「何処までの範囲なら良いのですか?」というのを、よく耳にします。
私は何処まででも、地球の果てでも良いと思います。(言い過ぎ!(^_^)v)
但し、着物風に着てならという条件付きです。(私が断言してしまってスミマセン)

「浴衣は着物と同じ」と言っておきながら、頭がこんがらがってくるかもしれませんが、要するに衿をつけたり足袋を履いたり、その他の小物も含めての事なんですけど、それなら良いと思うのですが、そこまでしない、ちぐはぐな着方。
「着物と浴衣の中間」みたいな着方って違和感があるんです。

なんだか自分の好みを言ってるようになったので(その通り!)もう、やめますが、さとるさん!なんとなく判ってもらえましたでしょうか?

 

>>> 早坂伊織  男  広島 [URL]  -- 2005/06/26-17:06..No.[1337]
 
    このコーナーを読み直していたら、ちょっと気になったので補足でコメントさせていただきます。

「浴衣と着物の違い」ですが、千兵衛さんのご説明、意味はよくわかるのですが、浴衣という名称が「着方」という表現はちょっと混乱を招くように思いました。多分着ていく場所や目的を称して「着方」とされたのかとは思うのですが、少なくとも、着用手法や着装手順という意味で浴衣という言葉は使わないですから。

広辞苑によると、
【浴衣】1.「ゆかたびら」の略。
    2.おもに白地に藍色で柄を染めた、浴後または夏季に着る木綿の単衣。

とあるように、ある種の着用目的を持って用いられる単の着物であり、これはやはり着物の種類、あるいは着物製品の一つというのが自然な解釈となります。
(現在では、この広辞苑の表現にある“おもに白地に藍色で柄を染めた”という表現に限定されるものではありませんのであまり厳密に考えないで下さい)

一方、着物というのは、現在では洋服に対する和服の意味で使われることの方が多く、個別の和装品をいう場合は、表着となる長着のことを言いますが、着物という言葉は、和装の中の種類を特定する言葉ではありません。
和装の定義はあまり厳密に考えると、誰にも説明できないことが他にも多々ありますが、用途や目的別に覚えると現実的なことが多いかと思います。

余談ですが、たとえば洋服の「ゴルフウェア」は、実際にゴルフプレーをするとき以外にも当たり前に着ていますよね。デザインによっては「ポロシャツ」と呼ぶ場合もあるでしょう。あるいは単に「シャツ」の一種という呼ぶ人もあるかも知れません。浴衣と着物も同じようなものだと思うのです。そのアイテムの発祥起源が名称になったものという意味では同類の話ですが、和装の場合はまだまだわかりにくいことが多いですよね。少しづつでも、楽しみながら覚えていきましょう。
 

>>> 千兵衛  男  神奈川 [URL]  -- 2005/06/27-00:15..No.[1341]
 
    こんばんわ!千兵衛です。

いやあ、早坂伊織さんから直接コメントをいただくとは思ってもみなかっただけに、感動と共に光栄の至りであります。m(_ _)m
このたびは、百万回カウント到達やホームページの爽やかな改装と、吉事が重なりまして、誠におめでとうございます。
ちょうど、祝辞のメールをお送りしようかどうしようかと迷い、逡巡してましたので、ちゃっかり、この場を借りまして、お祝い申し上げます。また私のことも、以後、お見知りおきくださりましたなら幸であります。

さて、コメントされた件ですが、まったく、その通りであります。
どうしても、長文となるのを避ける気持ちが先立ちまして、つい話を端折ってしまい、誤解を招く文章となってしまったようですが、「着方」及び「着物」の言葉につきましては、共に早坂さんのおっしゃられる通りであります。

洋装も和装も長い歴史の中で絶えず変化し続けております。
一昔前の私の浴衣の装着目的は、現代ではその幅を広げて夏物単衣長着と混交し始めているのです。
ですから、当初は着用目的を持った種類の長着の一種ではあったのですが、現代では、いわゆる昔風の浴衣柄の物以外では、単衣長着と区別がつかないものが多くあります。

現代の若者は和服が着たいのに基本的な事がよく判らず、このコーナーにおいても同じ質問がよく出てきており、迷いの層の厚みを感じます。彼らの親が和服を着てないので、息子に教えられないのです。
それでも「着てみたい!」という気持ちがあるのなら、私は笑われてもいいから「おじさんが若い時には、浴衣と単衣の着物はこんな風に、着る目的が違ってたんだよ。」と話してあげようと思うのです。その上で彼らがどうアレンジして着ようと止めることはできないので、23日に書いたように、(「着物風に」と書きましたが)「遠出をするなら長着として着た方がいいよ!」と、なったのです。

私の世代の多くの人達みたいに、例え親の形見の和服を所有していても、タンスの肥やしにしているよりは、よほどましだと思うからです。
和服。特に「男きもの」は、博物館行きを目指してるかのようです。
理由のひとつには、やはり高価だという事があります。
私は個人的には結城紬が好きですが、若者には高すぎて買えません。偉そうなことを言ってる私だって、持っている物は結城紬系の系物ばかりで「本場」も「総本家」の文字もありませんが、あの感触や体に馴染む着心地が好きで、あの感触であれば良いのです。
取り留めのない話が長くなってしまい申し訳ありませんが、最後にもう一言、事実を添えて終わりにしたいと思います。

私は再度着物に興味を持ち始め、長年のブランクを経てから休みの折りには着るようになった者ですが、しかし、それも家の中だけでです。
着始めた頃、妻から「みっともないから外出しないで!変人と思われるからやめて!」と言われたからです。
私も「日本人が日本の民族衣装を着て何が悪いんだ!」と言い返したものの、彼女の言葉にも現状の日本社会では一利あるなとも思い直し、百歩譲って、和服装着外出禁止令下の身であります。

ですから街角で「男きもの」を見つけると、羨望とその勇気に思わず微笑んでしまい、心の中で「がんばって!」と言ってしまうのです。

 

>>> 早坂伊織  男  広島 [URL]  -- 2005/06/27-22:06..No.[1348]
 
    千兵衛さん、いつもコメントありがとうございます。
お祝いのお言葉まで頂戴しこちらこそ恐縮です。
お話にある通り、和服を着るということ自体に、
まだまだ「肩身の狭さ」が感じられるのは事実ですね。
早くこれを完全に払拭できる世の中にしたいものです。
これからも、どうぞよろしくお願い致します。