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 ■--精好仙台平、甲田栄祐氏(?)の袴が手に入ったのですが知識がなく価値がわかりません。
 >>>フミエ  女  長野  -- 2005/03/28-13:48..No.[1009]
    初めての書き込みになります。
不慣れですがどうぞよろしくお願いいたします。
実はは先日お知り合いの方から着物を数点をお譲りいただくことが出来ました。
どれも男物の着物ですばらしい品ばかりです。
そのときは着物の素材価値としてお譲りいただいたのです、後になってその中にあった鶯色をした仙台平の裏側に名前が入っていることに気づきました。
おそらく「光悦 重要無形文化財 甲田栄祐作」と書かれています。
印が押された後はありますが、随分着込んだようで、クリーニング等でどんな印かほとんどわかりません。
どれほどの金額のものなのか、色々なHPを拝見させていただいてもはっきりと分かるものではありません。
どれほど貴重なものなのかはよく分かるだけに、私では情けなくもあまりの知識不足でその価値や重要性が重荷になっています。
他の品を見る限り、大島紬や石摺の紬などとてもすばらしい品ばかりでそれから考えるに甲田氏のものであることは間違いないのでは?思っています。もしどのくらい価値のあるものなのか分かればもう一度お譲りくださった方と相談させていただき、色々な意味で考え直したいと思っています。
どなたかお分かりになる方がいらっしゃればこちらの場所をお借りしてお答えをいただくか、メールを頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
長々と申し訳ありませんでした。




>>> たかむら  男  京都  -- 2005/03/31-22:23..No.[1014]
 
    こんばんは、たかむらと申します。いつも質問する側ばかりなので今回、回答する側になり、いささか緊張しております。
さてさて、非常に難しい問題ですね・・・。着物の値段は在って無きが如しといわれますが、作家物となれば尚更の様な気もいたします。
確か、甲田栄祐氏(重要文化財「精好仙台平」保持者)といえば甲田綏郎氏のお父様だったと記憶しています。
要は今の精好仙台平の継承者の方の先代です。
その方のお品に関しては分からないのですが、当代の甲田綏郎氏の仙台平なら、京都の老舗呉服店で、反物一反100万前後で見せられたような気がいたします。
大体そのくらいと考えればよろしいのではないかと思います。
ただし、今回のご質問に関しては、いくつか問題点がございます。
先ず一つ目ですが、あくまで、「先代の物」ということです。
値崩れするということは考えられませんが、逆にもう市場に出回らないという観点からプレミアがつくということが考えられます。(私個人的には、今も脈々と伝統的な形で残されている技法なのでプレミアがついたとしてもそれほどでは無いと思いますが・・・)
次に二つ目ですが、仕立て済みであるという点でございます。袴では、仕立て直し、寸直しをするということは長着ほど一般的では在りません。となると真のオーダーメイドということです。
確かに、元の所有者の方からすれば、これほどすばらしいことはありませんが、市場から見た価値というのは・・・・あんまりということにはなると思います。(着物に紋を入れるのと同様の感覚に捉えていただければ分かりやすいかと思います)
三つ目ですが、現在の着物状況の中でどれだけの方が精好仙台平を買い求めるのかという需要の問題があります。仙台平しかも精好となれば最高も最高のお品です。しかし、最高であるがゆえにお求めになる方が多くはないということです。個人的には、いつでもどこへでも仙台平というのは仰々しいですし、アンバランスに感じてしまいます(語弊を恐れずに言えば会社にタキシードのような感覚)。仙台平を使うTPOというのは普通に生活をしていては、そう無いのではないでしょうか?。また、仙台平でなくては・・・とこだわるような方(ex,玄人の方など)は逆に新品をお買い求めになる場合が少なくないかと思います。

「オープン・ザ・プライス・・・」というわけには参りませんが、
以上のような観点からお考えいただければと思いますが、なにぶん素人の浅知恵でございますから、本当は聞き流していただけるのが幸いでございます。
それでは長々と失礼いたしました。
 

>>> たかむら  男  京都  -- 2005/04/01-00:34..No.[1016]
 
    というようなことをえらそうに述べさせていただきました。
諸先輩方、訂正・お叱りなどよろしくお願いいたします。
 

>>> フミエ  女  長野  -- 2005/04/01-19:52..No.[1018]
 
    たかむらさま、丁寧なお答え本当にありがとうございます。
芸術的に希少価値の高いものだということが改めて分かりました。
金額的にもとてもすばらしい品であることがはっきりしただけでも大変うれしく思います。
それから、おっしゃるように着用することを考えれば難しいものですし、芸術的な価値を考えれば考えるほど、安易に扱ってはいけないもののような気もいたします。
もう少し相手の方と相談してみたいと思います。
考え方のひとつに私のような素人が手にするより、美術館などに寄贈することなどお薦めするのもいいかもしれませんね?
もしまた新しい情報やご意見などございましたらこちらの場をお借りして書き込みをいただけないでしょうか?
ぜひ参考にさせていただきます。
ありがあとうございました。
 

>>> 田舎もんのトトロ  男  栃木  -- 2005/04/01-20:21..No.[1019]
 
    お晩です。

私も詳しくはありません。

まず、古着の観点から申しますと、「鋏が入ってしまったものは、元の金額の二、三割程度しかない。」と聞いています。
未着用、新品同様であっても、そうなってしまうのだそうです。

続いて、甲田綏郎さんの精好仙台平ですが、おそらく、たかむらさまがご覧になられたものは手織りのものでしょう。量産品は、50〜60万円程度だったと記憶しています。以前、仙台の呉服屋さんに聞いたところでは、「昔は、あんなに高くなかった。」と。

さて、問題は、甲田栄祐さんですね。検索いたしますと、1970年にお亡くなりになってます。ですので、少なくとも、今から、40年位前のものでしょう。たぶん、手織りではないかと思われます。これも、先の呉服屋さんの話ですが、先代の栄祐さんは評価が高いとのこと。と申しますのも、男の着物離れが進んだ時期、そして、太平洋戦争があり、ほとんど、仙台平が無くなりかけていたとき、復活、復元させた功績により、重要無形文化財に指定されたからです(と聞いています、沖縄の首里織や芭蕉布のよう)。

とはいえ、やはり、古着ですので、どうなのでしょう?と言ったところです。

一つ、気になるページが見つかりましたので、ご参照ください。

こちら

一番下、2月25日付けの日記です。
織に興味のある方には、興味深いものと思います。

では、ごめんなさい。
 

>>> フミエ  女  長野  -- 2005/04/02-17:54..No.[1021]
 
    田舎もんのトトロさま、お答えありがとうございます。
情報・ご意見とても参考になります。
おかげさまで、購入させていただく適正価格が分かってきたようにおもいます。
教えていただいたサイト様も参考になりました。
自分なりに答えが出そうです。
ありがとうございました。