■--時代劇で見るあれは・・・ >>>猫丸 男 北海道 -- 2004/12/16-00:47..No.[573] |
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猫丸でございます。よろしくお見知りおきを。 皆様、時代劇をごらんになりますでしょう? 着こなしや帯の決め方など大変参考になりますよね。 私などストーリーより、着物の柄や帯の締め方、袴の長さ、衿元のなんときれいに極まっていることか・・・などばかり見てますが。 よく刀を差している若侍などが袴の上に白の晒しの紐というか細帯のようなものを締めていますが、あれ、正式にはなんという名称なんでしょう? 実践していらっしゃる方おられますか? あと作り方などもご存じの方、いらっしゃいます? よろしくご教示の程お願いいたします。 |
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>>> 優妃 讃良 女 埼玉 [URL] -- 2004/12/17-12:22..No.[577] | |||
お写真を拝見していないので、同じものを指しているのか判りませんが、想像の範囲で。 「袴の生地を違う白い生地が腰に巻かれている」と捉えました。 これは、袴の腰紐が白生地で作られているものです。 白生地は通常白羽二重を使います。 昨夜(12/16)の「大奥」の最終回で、将軍が春日局の臨終の場に来ていたときに着装していた袴の腰がこの白羽二重の腰でした。 | |||
>>> 京屋 男 東京 [URL] -- 2004/12/17-21:20..No.[580] | |||
余計な話ですが今の時代劇は着つけも役者の着こなしもあまりにひどすぎて参考にはならないと思っています。(すべてとは言いませんが)歌舞伎や新派などきちんと修行した役者の出演する演劇か昔の映画のほうがいいと自分は思います。 | |||
>>> 猫丸 男 北海道 -- 2004/12/18-01:54..No.[583] | |||
優妃 讃良 様 早速のご教示有り難うございます。 羽二重の紐のついた袴だったのですか。なるほど。 ああいう袴、今着るとおかしいですか? 結構かっこいいので・・ 身分が高くないとダメだったのですかね。 「庶民の着るものではない」なんて怒られませんよね? 京屋 様 今の時代劇については、詳しい方が見ると噴飯物であるという話はよく聞きます。所作などめちゃくちゃだとか、着付けなど見ると、いつの時代だ?というような物があるようですね。 ただし、小生にはそもそもそれほどの着物の知識が無いもので(;。;) だから勉強になるのですが・・。 これはおすすめという映画やドラマがあればまたお教え下さい。 「剣客商売」はまあまあでは? 原作者が厳しい人なのでかなり 映像化には気を遣ったようですが・・・ あと、「たそがれ清兵衛」はちょいと汚すぎるような気がしました。 失礼しました。 | |||
>>> 優妃 讃良 女 埼玉 [URL] -- 2004/12/18-18:47..No.[588] | |||
袴の腰を白羽二重にするのは、直垂の袴の場合です。 こちらが直垂。 こちら 袴だけ着装するのは、恐らく正式ではないときでしょう。 直垂の下は、裃の下にも一般的に着られる胴部分のみ別織になっている着物を着ていました。ですから、直垂の上を脱いだ着方もあったのかと。普段着的、室内着的な感覚で。 当時としては、直垂は着る階級が決められていました。 今はそのような身分制度はありませんので、そちらの問題はありませんが。 今このようなタイプの袴を穿くとなると、かなり目立つと思います。 | |||
>>> 京屋 男 東京 [URL] -- 2004/12/18-22:32..No.[589] | |||
先日「大奥」の女優のひどさが頭にあったものでついコメントしましたが、それに比べると男優はまともですね。裾を引いたりしないのでアラが出にくいのでしょうか。「剣客商売」や「鬼平犯科帳」吉右衛門などはさすがです。映画では市川雷蔵の着物を着ての身のこなしはとてもきれいだと思います。 また質問の白い紐ですが旅姿の武士がよく袴のところにしているのを見ます。それは晒のような気がします。名称などはあいにく知らないのですが、抱え帯とかしごきのようなものでしょうか。 | |||
>>> 朝路真行 男 兵庫 -- 2004/12/19-01:24..No.[591] | |||
初めまして。朝路と申します。 ご質問の件ですが、優妃 讃良さん同様、実際の物を見ておりませんので、推測のままお話しようと存じます。 考えられる物として、優妃 讃良さんがお話になっている袴の紐そのものが白い場合は、腰板の無い袴であると存じます。現在見られるような腰板付きの袴が完成したのは江戸中頃以降であったと記憶しているのですが、確実なことを申し上げられず申し訳ありません。ただ、腰板の無い袴の方が長い間使用されてきたのは間違いないことで、優妃 讃良さん御紹介の直垂を始め、奴袴(さしぬき)表袴(うえのはかま)など装束といわれる物には腰板がありません。それら装束は、袴と共布で作るのがほとんどですが、直垂など日常服から出た物は別布を用いることが多いようです。腰板付きとそうでない物、どちらが正式か?ということですが、実際には区別はありません。ただ裃に用いられたのが腰板付き(これも元禄以降)であったので、腰板付きが正式であると認識されてしまっているようです。現に神主さんなど神職関係の方が召される物には、装束の名残で腰板付きではありません。時代考証的には、腰板があるのと無いので、江戸以前と元禄以降を区別しているようです。また生地の色は白とは限っておりませんので、袴地に合わせた色を用います。画面などで見かけるのに白が多いのは、無難なのと目立つということではないでしょうか? 次に考えられるのは、上締(うわじめ)というものです。これは質問の内容に『よく刀を差している若侍などが・・・』とあることから推測することですが、用法としては、着付けた袴の上から、大方は白の木綿地を折りたたんで締めるものです。これは刀の落下などを防ぐ目的があり、本来は鎧の上から腰刀を固定させる物でした。時代が下がって太刀から打刀になり、袴の上から締めるものとなりました。時代劇で見かけるのは、仇討ちなどのシーンや押っ取り刀で出かける時など、緊急とか非常時の出で立ちに多く使われると思います。現在でも剣舞などで見かけますね。ですので日常で、こういう着付けをすることは皆無でしょう。 次に考えられるのは、腰帯という物です。これは能狂言からでた物で、通常は肩衣姿(裃と違い上下のもの)で用います。これは肩衣の裾を袴に入れ込まず、上から羽織るように着るので、それを固定するためのベルトのような物だとお考えください。一種の装飾で、腰にあたる部分と両端を染め布や織物で作り、他の部分は白の絹で作り場合が多いです。 最後に考えられるのは、しごきかと存じます。着物の裾を上げたり、袴をたくし上げたりする場合に用います。男性の場合は白が多いでしょうか。女性は緋や朱鷺、ウコンなど色々あります。現在では歌舞伎で見かけることが多いですね。舞踊では絹地、芝居では木綿地を用いることが通常です。 どれに当てはまるかは、猫丸さんがご判断ください。 さて、京屋さんが仰っているように、御参考になさるのでしたら歌舞伎、新派などがよろしいかと存じます。現代にも通用するような物となれば、新派なら『婦系図』や『日本橋』などが庶民から上流階級まで登場しますのでいいサンプルに出会えるかと存じます。雷蔵の『ぼんち』などは違った意味で着物が楽しめるものですね。 毎々長文御容赦のほど。 | |||
>>> 猫丸 男 北海道 -- 2004/12/19-20:30..No.[592] | |||
朝路真行 様 誠に博学、恐れ入りました。懇切な内容で大変勉強になりました。 また、優妃 讃良 様 京屋 様 重ねてのご教示感謝します。 結局、小生の浅学では判断が付きませぬ。 ただまことにもって奥が深い、と思いました。 着物との生活はこれからも長く続くと思いますので、いずれ理解できる日も来ると期待して、いろいろ見てゆくつもりです。 市川雷蔵!! この名がでるとは少々驚きです。シブいですねぇ。 皆様 ありがとうございました。 | |||