■--浴衣と単の着物の違いは? >>>寛 男 東京 -- 2004/06/03-02:37..No.[176] |
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はじめまして。 夏になると部屋着として甚平、部屋着やちょっとした散歩用として 浴衣や作務衣を愛用してきました。 ちょっと出かける時にも浴衣を着て出かける事が多かったのですが、 最近になって浴衣は結構場所を選ぶという事を知り、色々と勉強している最中です。 浴衣を着る時も肌襦袢を着る事もなく、下着が透けない様にステテコだけ穿いて着ていました。 これからは襦袢・足袋も着用して出かける様にしようと思っています。 今年の夏用に新しく浴衣を購入しようと思っていたのですが、 襦袢・足袋も着用するのであれば夏用の単の着物の方が良いかな、と思っています。 が、浴衣と単の着物の違いが判りません。 どの様な違いがあるのでしょうか?仕立ても違うものなのでしょうか? また、判る人が見れば一目で違いが判るものなのでしょうか? |
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>>> 朝路真行 男 兵庫 -- 2004/06/09-00:44..No.[181] | |||
初めまして。朝路と申します。 単衣の着物とは裏がついていないもののことを言います。浴衣は単衣の一種で木綿製のもののことを言います。仕立てには単衣も浴衣も違いはありません。 古代は、現在のサウナのようなものに入り、温泉で掛け湯をするというのが入浴法でした。そのため、直接湯気などが肌に触れないように麻の単衣『帷子』(かたびら)を着て入浴していました。帷子とは麻製の単衣もののことを言い、入浴用の物は『湯帷子』(ゆかたびら)と呼んで区別していました。時代が下がり木綿が普及するようになって麻から木綿製の単衣が作られるようになりました。『浴衣』といって『浴』の字を当てるのはそのためで、「ゆかたびら」というのが訛って『浴衣=ゆかた』と呼ぶようになったとされています。 江戸時代の入浴法は現在とほぼ変わりなく湯船につかるものですが、男性は入浴用の褌をつけ、女性も入浴用の腰巻をつけて入っていました。場合によっては袖無しの甚平のようなものもつけていました。この頃には浴衣は入浴に使うものではなく、木綿の吸湿性を利用して、汗取りとして使われるようになります。浴衣に藍染めが多いのは、藍の防虫、冷却効果を利用するためです。ですから本来は素肌に着て、帯も締めないのが浴衣の着付け方です。 これまでが浴衣の成り立ちです。さて、一昔前と違い現在の浴衣は、藍染め1色ではなく、生地も麻混のものもあれば、化繊が入ったものもあり、柄も染めも豊富です。見た目には浴衣と一目にわかりにくいものもあります。なのでまず充分に物を選ばれることですね。ことに最近出回っている安価の浴衣の中には、ミシン縫製で縫目が表に出ているものもあります。単衣の良し悪しは、裏の始末にあるともいえますから、その点も注意されればいいでしょう。 ただ、木綿は吸湿にはすぐれていますが、麻に比べれば決して涼しいものではありません。肌襦袢程度でも重ねるのは暑いものかと思われます。浴衣が人前に出るのにはばかれるのは、元が入浴着ということもありますが、寛さんが仰るように、下着や肌が露出しやすいということが最大の理由です。 女性の場合、浴衣に足袋や襦袢をつけることがありますが、例えばそれは阿波踊りの女性の装束のように、特別な場合が多いと言えますね。男性の場合も同様かと思います。 余談ついでに申し上げますと、単衣は5月から盛夏になるまで(盛夏とは主に7月8月)と、暑さが峠を超えた頃から9月末までに着るものとされています。盛夏の料としては、麻、紗や絽を用います。これらは単衣と言わず『薄物』(うすもの)と言います。 硬い考え方ですが、浴衣は部屋着、夜の物と言うことをとりあえず基本にされることをおすすめします。そして色々試されてみた後に、ご自分流にアレンジされてみてはいかがでしょうか? 和服に限らず洋服でもそうですが、ビクビクもので着ていては自分でも楽しくありませんし、他人にも「アレ?」と言う印象を与えてしまうものです。 散文になりましたが、お役に立ちますでしょうか? | |||
>>> 寛 男 東京 -- 2004/06/09-16:24..No.[188] | |||
>朝路様 レスありがとうございます。 浴衣と浴衣ではない単衣の着物の見分け方は『素材』という事ですね。 木綿・麻混・化繊混以外の素材の浴衣は無いのでしょうか? (湯上がりに着れば全て浴衣になるのでしょうが。) 逆に、木綿・麻混・化繊混の生地で仕立ててある単衣は全て浴衣になってしまう、 という事でよろしいのでしょうか? それ以外の生地だと値段が高くて、普段着・街着にするのは、私には無理そうです。 街で着物を楽しむのは、やはり生活に余裕がある方でないと無理そうですね。 結局今年も麻混で仕立て上がり2万程度の浴衣を購入しました。 しばらくはこの程度の物を夜こっそり着て楽しもうと思います。 大変良い勉強になりました。ありがとうございました。 | |||
>>> 田舎もんのトトロ 男 栃木 -- 2004/06/09-20:27..No.[189] | |||
お晩です。 うーん、まずは、朝路真行さんのおっしゃるとおりなのですが。 結局のところ、「汗取り」ですので、麻混や化繊混でも、 主体となります。 まぁ、小千谷縮(麻)を浴衣として着る方もいらっしゃいますが、 長襦袢や半襦袢(うそつき)を着れば、薄物としても着られます。 ですから、浴衣とは、木綿が主体の、そして、柄が比較的派手な 大柄のものと捉えたらいかがでしょうか。 最近は、木綿であっても、日常着にもなるようにと、紺や灰色の 細かい縞のものも売られています。 そちらでしたら、日常着とされても問題ないです。 朝路真行さんのおっしゃってますが、単でも、パッと見て、 仕立てが良くないとわかるようでは問題ですが、それなりの 仕立てがしてあれば、パッと見ただけではわからないと思います。 裏を見ると、仕立ての丁寧さがわかりますが、着ているところを パッと見ただけでは、よほどのプロでもないとわからないと思います。 浴衣にもあり、そして、正絹にもある柄としては、白絣がありますが、 着物を着たときに、ラインの出方が異なりますので、違うと感じる でしょう。ただ、昨今のように、形が着物なら同じと思う方々も いらっしゃいますから、着てゆく場所でしょうねぇ。 予算二万円とのことですが、それだけあれば、薄物にも挑戦できます。 こちらのリンク集にも提携サイトとして載ってます こちら をご覧下さい。近江縮に挑戦できます。(^_^) もう少し、奮発しますと、小千谷縮も買えます。 他にも、綿の着物が載ってますが、こちらでしたら、日常着として、 着られますよ。半襦袢もありますし。 では、ごめんなさい。 | |||
>>> 寛 男 東京 -- 2004/06/09-22:21..No.[192] | |||
>田舎もんのトトロ様 レスありがとうございます。 なるほど、やはりぱっと見た目には見分けがつけにくいんですね。 (大きな柄な物や、いかにも浴衣という地の物は別として) ただ、ぱっと見それと判りにくい物でも、着て歩いている姿を見て みっともないと思われる方もいらっしゃる様なので、 やはり外出は遠慮しようと思います。 薄着の仕立ての件ですが、私の着物の仕立てには二反かかるらしく、 低予算での仕立てというのは、かなり厳しいのが現状です。 来年は浴衣を購入せずに薄着の仕立てに挑戦してみようかとも思っています。 情報ありがとうございました。 | |||