■--(男物)黒紋付の羽織 >>>須々木 男 東京 -- 2004/02/02-21:15..No.[89] |
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こんばんは。初めて質問します(きものくらぶさんにも同様の投稿を した者です)。 黒羽二重の五ツ紋付袷羽織を持っています。いわゆる黒紋付羽織+ 黒着物+縞袴として着たことがあります。が、普段このスタイルする こと少ないですよね。第4回大全会で早坂さんは黒紋付の羽織に、 ベージュの色無地+無地?袴を着ておられますが、 @黒紋付羽織+他の色の着物+縞袴、とか、 A黒紋付羽織+他の色の着物+無地袴、とか、 B黒紋付羽織+他の色の着物(袴無し)って 着こなし的にどういう格になるのでしょうか(披露宴の客として着ら れるとか、一般パーティー程度とか)。 和装本にもあまり書いてないので、どなたか教えてください。 |
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>>> 朝路真行 男 兵庫 -- 2004/03/16-02:12..No.[115] | |||
はじめまして。朝路と申します。他の質問にも同様の内容で投稿していますので重複するかもしれませんがお許しください。 まず着物の格ということですが、貸衣装屋さんまたは教本などでよく言われているのは黒紋付を1位として、色紋付はその次とし、紋の数でまた格付けをしています。その事は須々木さんもご存知かと思います。 以下に申し上げる事は、私が元華族であったという古老から教えられた基準ですから、一般的とは申せませんので、御参考程度にお聞きください。 まず和服の成立から考えれば、現在の着物は小袖と言う下着類から発展した物ですから、着流しのままでは、室内着の扱いになります。ですから上着(現在では主に羽織)と袴をつけないと正装とは言えません。 次に袴の件ですが、縞柄と無地には差はありません。早坂さんの著書にもありますが、西欧のモーニングなどに似せたか、あるいは仙台平などの高級布地を利用したためかと思われます。(徳川将軍の袴の料として使われていた物だったからという説もあります) 次に紋付は黒でなければならないのかと言うことですが、色も本来は関係ありません。江戸時代に、幕府が下級官吏に制服として支給していた羽織に黒が多かった事と、これも西欧のブラックスーツに倣って明治期に黒紋付を正服と定めてからの習慣だと思われます。現在、宮内庁の定める宮中内での和服の規定にも、「男性は紋付袴、女性は白襟付き紋付」とあるだけで、色目までの指定はありません。 次に紋の数ですが、数も本来は関係ありません。紋は、個人、家系、所属の団体を示すものですから、認識できればいくつでもいいからです。 最後に着付け(着物の構成)ですが、正装(礼装)としての着付けは、下着(襦袢など)、中着(長着)、袴、上着が一通りとなります。ですから、この構成を崩せば、略した分だけ平服になると言うことです。 以上の事から判断しますと、@とAは同格、Bはそれ以下の扱いといえるでしょう。 そして着ていく場所としては、儀式性の強いものは、やはり一通りの着付け(@かA)、私的なパーティーではBであっても差し支えないと言えるでしょう。 長文御免ください | |||
>>> 須々木 男 東京 -- 2004/03/20-05:43..No.[122] | |||
朝路様、懇切な説明、ありがとうございました。せっかく持っている黒紋付の羽織、ご説明を参考に活用できればと思っております。今後ともどうぞよろしく。 | |||
>>> 鶴亀 男 神奈川 -- 2004/04/21-22:56..No.[134] | |||
朝路真行さんのお説、明快ですね。私もそのように理解しています。ついでに半襟の色、昭和に入り、特に戦後は、白が正しいように言われるようになりましたが、グレーか水色が、儀式用には使われていたようです。しかし、能楽の宝生九郎師は、白は高貴な人の用いるもので、常に黒を用いていたとか。ちなみに、私らの先達金剛右京師も黒を用いていたことが、後人の聞き書きの中にありました。そんなわけで、私も舞台に上がるときは、黒、又は紺にしています。 何でも黒と白、というのは、西洋の礼装に合わせたもので、本来の日本の伝統とはあまり関係はないもののようです。むしろ紋の入ったものを用いることが大事なので、朝路真行さんのお説、もっともです。 私は芸事をしていますが、第一礼装は和装としています。 | |||