半纏
半纏について
半纏もれっきとした和服の一種で、長着の上などに防寒のため、あるいは職業をあらわすために着るアイテムです。袖の形は用途によって様々ですが、通常の羽織と違い、サイドに「まち」がないため、窮屈羽織などとも呼ばれました。もともと庶民の略服であり、多くは室内で利用するものです。
綿入れ半纏
半纏には沢山の種類がありますが、やはり庶民が家庭着として利用するのはこの「綿入ればんてん」でしょう。着物を着たことがないと言い張る人でも、これを冬場に利用したことがない人は少ないのでは?本来は部屋着用の和服ですが、冬の夜、コンビニで買い物する若者が、定番アイテムのように利用しているのをよく見かけます。
写真のものもそうですが、「久留米ばんてん」というのが比較的有名で、各地のスーパーや呉服店の店先にはシーズンになると大抵売られています。子供用には、毎年キャラクター柄のものが出回りますね。
この半纏はすでに10年以上も愛用していますが、傷みもなく黄八丈風の表地がお気に入り。裏地はナイロンなどの化繊より木綿製のものの方がほっこりと暖かくてよいものです。左右にある大きなポケットも重宝しています。
私はナイトウェアを、真冬でも浴衣一枚で通していますが、風呂上がりの浴衣の上からこんな風に綿入れ半纏を羽織れば、湯冷めすることもなく快適に過ごせます。茶羽織では少し肌寒い時にこの半纏の出番となる訳です。袖が捩り袖(舟底のようになっている)なので、着易く動きやすいのも特徴です。
後ろ姿。たっぷりと腰まで包んでくれるので、とても暖かいのです。
装束などとしての半纏
ちなみに、半纏にはこの他に、大工や植木職人などの使う印半纏や、火消しが用いた刺し子の長半纏、子守り用のねんねこ半纏、袖のない亀の子半纏などの種類が知られています。ちなみに、亀の子半纏をもとに、後にママコートが考案されたそうですが、これを知っている人は、今や少ないかも?