雨天の履物

雨の日の履物には、「雨草履」とよばれるものと、「足駄」と呼ばれる高下駄や「日和下駄」などがあります。泥濘の少ない現在では歯の低い下駄が主流で、総じて「雨下駄」とも呼ばれます。雨草履は、爪先部分に最初からビニールカバーのついたもので「しぐれ履き」とも呼ばれ、寺院用のものと形状は同じです。
日和下駄は足駄より歯の薄い(低い)下駄で、もとはぬかるみを歩く晴天用の下駄でした。関西で「利休下駄」と呼ばれる下駄も日和下駄の一種で、茶人がよく好んで履きます。日和も利休も、江戸時代末期頃からありました。また、足駄のような高下駄は「朴歯下駄」とも呼ばれます。
雨天時は、これらの下駄に「爪皮」と呼ばれるカバーを取り付けて履くのが一般的です。爪皮はもともと革で作った爪先のカバーなのでこう呼ばれますが、今はビニール製が中心で、単品でも購入できます。
なお、下駄などに固定したものを「爪皮」と呼び、脱着式のものを「爪掛」と呼び分ける場合もあります。
雪の日には「雪下駄」や「防寒草履」という爪皮部分のフードを大きくし、毛皮などで包んだ種類の履物もありますが、やはり下駄の方が高さがある分安心感はあります。
ただし、豪雪地帯では、二枚歯の下駄は鼻緒の紐が濡れて耐久性が保てないことなどから、「箱下駄」と呼ばれる特殊な下駄も使われましたが、現在ではほとんど姿が見られません。箱下駄は台の部分を箱状にして中に鼻緒をすげた紐を収め、雪で濡れないようにしたもので、雪が喰い込まないよう前歯なしか、底を平らとし、圧雪しながら歩ける形状とした下駄です。

畳表の雪駄は厳禁

雨の日は、何を履いたらいいかという質問も多いです。すでに履物のページでも紹介しているように、基本的にはやはり足駄(あしだ)などと呼ばれる高下駄でしょうね。爪先部分にカバーのついた雪駄類(普通これはビニール素材の表)もありますが、やはり下駄の方が高さがあるぶん安心できますし、濡れても平気です。これらの画像は、男性用和装履物のいろいろのページで確認して下さい。

ただし、どしゃ降りの雨となると、洋装でもそうですが、何を履こうがどうにもなりません。私もつい先日、急な大雨で新しい雪駄を台無しにしてしまいました。足袋が濡れるのを気にするどころか、じゃぶじゃぶと洪水の横断歩道を渡る羽目に。こうなった時はもう、雪駄を脱いで足袋裸足になった方がマシです。さもないと、畳表の雪駄など、下の写真のようにふやけて一発でだめになってしまいます。外出目的によっては、下駄を履けない場合もあるでしょうが、荷物になっても別に持参するのがよいと思います。間違っても大雨の日は畳表の雪駄を履くのはやめましょう。

踵の部分がふやけてボロボロに。
こうなるともはや修復不可能!?

雨の日はきものの汚れにも気を遣わざるをえませんが、雨ゴートを着たにしても、完全に雨や汚れを防げるわけではありません。問題ないなら、こんな時こそポリエステルなど化繊の着物や袴でお出かけするのがよいでしょう。あるいは季節にもよりますが、雨除け用に薄いポリの単のきものを雨ゴートと重ねて着るという手もあります。

やはり雨の日の外出は、和服好きの最大の悩みかも知れませんね。

雨天用の履物

雨の日は、写真上段の足駄(あしだ)のような、歯の少し高い下駄を履くのが一般的なようです。これにオプションで、写真のような爪皮(つまかわ)を引っ掛ければある程度汚れが防げます。爪皮はもともと革で作った爪先のカバーなのでこう呼ばれますが、今はビニール製などもあり、単品で買えます。ちなみに、この足駄のような高下駄のことを「朴歯下駄(ほうばげた)」と呼ぶこともあります。

一番下の写真はお寺さんなどが愛用されているような雨の日用の草履で、「しぐれ履き」と商品の箱にはあるそうです。写真の他にも、雨の日に履く下駄には「日和(ひより)下駄」と呼ばれるものがありますが、今紳士物は見かけないそうです。日和下駄は足駄より歯の薄い(低い)下駄で、もとはぬかるみを歩く晴天用の下駄でした。関西で「利休下駄」と呼ばれる下駄も日和下駄の一種で、茶人がよく好んで履きます。日和も利休も、江戸時代末期頃からありました。

雨の日は、写真上段の足駄(あしだ)のような、歯の少し高い下駄を履くのが一般的なようです。これにオプションで、写真のような爪皮(つまかわ)を引っ掛ければある程度汚れが防げます。爪皮はもともと革で作った爪先のカバーなのでこう呼ばれますが、今はビニール製などもあり、単品で買えます。ちなみに、この足駄のような高下駄のことを「朴歯下駄(ほうばげた)」と呼ぶこともあります。

一番下の写真はお寺さんなどが愛用されているような雨の日用の草履で、「しぐれ履き」と商品の箱にはあるそうです。写真の他にも、雨の日に履く下駄には「日和(ひより)下駄」と呼ばれるものがありますが、今紳士物は見かけないそうです。日和下駄は足駄より歯の薄い(低い)下駄で、もとはぬかるみを歩く晴天用の下駄でした。関西で「利休下駄」と呼ばれる下駄も日和下駄の一種で、茶人がよく好んで履きます。日和も利休も、江戸時代末期頃からありました。

足駄(豪傑) 足駄(南州)
爪皮(つまかわ)
「爪掛け(つまかけ)」
ともいう)」
画像提供:、和装履物専門店現代屋の高野様(北海道札幌市)。

特に爪掛けのゴムを下駄の歯にかけるタイプを爪掛(日和や時雨履き)、 下駄の前・横を釘で打ち付けるタイプを爪皮というように、 現代屋さんでは呼んでいるそうです。

上の足駄に爪皮をかけたところ
しぐれ履き
画像提供:、和装履物専門店現代屋の高野様(北海道札幌市)。

正式には「透明爪掛け付きビニールゴザ表コルク芯草履(写真左)」、 「透明爪掛け付きビニールゴザ表ウレタン芯草履(写真右)」、というそうです。 これを「しぐれ履き」とはナイスなネーミングですね!

足袋カバー

靴と違って足元は足袋一枚ですから、雨の日はどうしても汚れます。外出するなら替え足袋持参は必須と言えます。また、好みもありますが、足袋カバーを活用するのも手です。ただしこの場合も替えの足袋は持っておきましょう。

紳士用の足袋カバーコハゼで止めるタイプ
が一般的。足首にゴム
入りのソックス型もある