採寸方法

現在も着物は、生地(反物)を選んで仕立てを行う、基本はフルオーダー商品です。
このため、細部にわたる寸法情報の確認が重要です。
また、着物の着姿や着心地の良しあしは、仕立ての寸法がとても大きく影響します。
仕立てには、着物(長着)の場合で、3週間~4週間程度の日数がかかりますので、
着用希望日がある場合は余裕をもって注文しましょう。
 
1.自身のボディサイズと裄と着丈

 身長、胸囲、腰回り(ヒップ)、裄、着丈の各サイズを、以下の図をご参考にヌード寸法で測ります。
 なお、裄、着丈はcmではなく鯨尺で○尺○寸○分と記載します。(鯨尺の1寸=約3.78cm)
 お手元に着物や浴衣などがあれば、それを羽織って各部寸法の差分を測り、必要寸法を求めるのが確実です。
 その場合、計測誤差が出ないよう、洋服を脱ぎ、できるだけ下着姿で羽織って採寸を行って下さい。

  ▼採寸箇所
 1. 身長(必須) 背筋を伸ばし、できるだけ正確に測定して下さい。
 2. 体重(任意) 体重は体形を推測するためで、採寸上は参考情報です。
 3. 胸囲(バスト)必須 乳首の位置で図って下さい。
 4. ウエスト(必須) おへそ回りを図ります。
 5. 腰回り(ヒップ) 必須 腰回りは腰骨の周囲で測って下さい。    
 6. 裄(必須) 裄(ゆき)は着物の袖の長さを決める寸法です。
    裄の計測は、図のように手を斜め45度下に伸ばした状態で、
    背中心から手首にあるグリグリ部分までの長さを測ります。
    洋服の袖丈とは異なりますので注意して下さい。
 7. 着丈(必須) 着丈は、着物に帯を締めた状態での裾丈の位置を決める寸法です。
    着丈は、図の長さを実測していただくか、以下の計算式で求めます。
    着丈=背中心の首の付け根から垂直に測った床までの長さ- 4cm*
    * -4cm:これは床から足首のくるぶしの下端までのおよその長さです。
    この4cmを引き算せず、足首のくるぶしが隠れる位置までの長さを測定してもOKです。
    この寸法が着物の裾丈の長さになります。長め、短めを好みで加減してください。
 
2.各部寸法詳細


 最低限、以下の細部寸法が和装品の仕立てには必要となります。
 ご自身の誂え寸法データを一度は整理、確認して保管しておきましょう。

 ▼必要な各部寸法
  注)計算式は体型からの割り出し方法ですが、誤差がありがちになります。

 着物(長着)
  着丈 = 背中心(衿巾の下端部分から足元の踝(くるぶし)まで ※実測必須
  身丈 = 着丈+3~5cm
  裄 (身長×0.4+3cm)
  袖丈(身長×0.3)
  身幅(前幅)
  身幅(後ろ幅)
  褄下(衿下)(身長×0.5±5cmまたは身丈の1/2)
  内揚げ(前)(身長×0.4)※帯を締めた時に隠れる位置にします。
  内揚げ(後ろ)内揚げ(前)+1寸(約3.8cm)※帯を締めた時に隠れる位置にします。
  衿幅     通常、1寸5分(約5.7cm)(標準で1尺3寸(約49cm))

 羽織 
  身丈(背中心から)長着の着丈- 1尺3寸(約49cm)(または、実測で膝上あたりまでの長さ)
  裄  長着の裄+2分(約8mm)
  袖丈長着の袖丈+2~3分(約8~12mm)
  身幅(前幅)  長着の寸法から割り出し可能
  身幅(後ろ幅) 長着の寸法から割り出し可能
  乳下がり(肩下)羽織紐の取り付け位置

 袴
  紐下(前) 実測必須 注)帯を締める位置や着方で変わります)
  紐下(後) 割り出し可能マチ下割り出し可能(標準寸法の場合)
  ※馬乗り袴のみ必要です。
  紐丈(前)割り出し可能
  紐丈(後)割り出し可能
  相引   割り出し可能
  前脇   幅割り出し可能
  後ろ幅  割り出し可能
  腰板(ヘラ付)腰板の有無を指定(標準は腰板有)

 長襦袢
  身丈(背中心から)長着の着丈- 5cm
  裄  長着の裄- 2cm
  袖丈 長着の寸法から割り出し可能
  身幅(前幅)長着の寸法から割り出し可能
  身幅(後ろ幅)長着の寸法から割り出し可能
  褄下(衿下)長着の寸法から割り出し可能