甚平

夏の簡易服

甚平は「甚兵衛羽織」というのが起源の簡易服らしいのですが、「甚兵衛羽織」というのはよく知りません。谷崎潤一郎の「半袖ものがたり」によると、大阪では「半袖」と呼ばれ、庶民が夏に着ていたようです。

甚平は作務衣と並び、夏に着るホームウェアとしてメジャーな衣服です。これは、あくまでも家の中でくつろぐときに着用するものですが、盛夏には行楽地などで着ている人も見かけます。が、個人的には、せめて外出するときは、甚平よりも作務衣の方がマシかと思います。ごく近所の散歩くらいまでにとどめて着るのが無難かも。

これも構造的には作務衣とほぼ同じで、非常に活動的にできています。上衣は作務衣同様、帯を使わず左右を紐で止めるようになってます。江戸時代には夏専用のものではなかったようですが、今では盛夏にしか着ない衣服の代表といえるでしょう。

写真のダサイ色柄の甚平は、学生時代に着ていたもので、たまたま捨てずにとってあったのをこのページの説明のためにわざわざ着てみたものです。私としては、甚平は和服を着ているような気がしないので、作務衣以上に夏でも着ることのない衣服なのです。(^^;それはともかく、上衣だけみても、肌に密着しないのでTシャツなどよりはるかに涼しい着心地が味わえると思います。甚平を着る時は大き目のサイズのものをゆったりと着てみて下さい。甚平の機能的なよさを味わえたなら、ぜひとも和服を見直すきっかけとして欲しいものです。