寝間着

和製ナイトウェア

私は年中褌一つに浴衣一枚で寝ていますが、寒い時期は下に肌襦袢だけつけています。なお、芯から冷え込む寒中にだけ、丹前を一つ前にして重ね着します。たまに風邪も引きますが、薄着で寝る癖をつける方が健康にもよいようです。厚着をして寝ると汗をかきやすいので結局冷えて風邪を引きます。どうしても寒い時は毛布を一枚多くするなど布団で調節するのがいいでしょう。

余談ですが、風邪をひくのは寒いからではなく、たまたまウィルスに感染するからなのです。たとえば、褌ひとつで真冬の滝に打たれて修行する修験者などが、風邪をほとんどひかないのも、精神パワーによるだけでなく、そうした山奥の修行場などには、風邪のウィルスなどいないからだと思います。

筒袖の寝間着

和装の寝間着=浴衣というイメージですが、夏祭に着ていく浴衣と違って袖は筒袖になっているものがほとんどです。左の写真のものは、やや厚手の木綿でできている筒袖の寝間着です。旅館やホテルに泊まった時用意してあるものと同じ業務用のものです。手に入れにくいと思いますが、非常に丈夫で肌ざわりもよく、寝間着としては実用的です。

寝間着はほとんどすべて木綿製ですが、布地の厚さはさまざまです。夏場は薄手の木綿地の寝間着やガーゼの裏がついたものの方がいいでしょう。ちなみに、業務用と一般用の違いですが、業務用では耐久性を持たせるため袖の付根などにあて布を縫い付けるなど、破れやすい個所をいろいろ補強してあります。私のように毎日着るものにはありがたい仕様です。

腰紐は脇前で結ぶ

寝間着を着るときの帯は、普通写真のように帯の両端が柔らかい男締などを使います。結び方は長襦袢などの時とは違い、身体の左右どちらかの前脇で、蝶結びなど普通に結びます。

古い浴衣を寝間着に

夏の普段着として活用することの多い浴衣も、古くなってくたびれてきたら寝間着にします。木綿は洗い込むほど肌になじみ着心地がよくなるので、こうした古い浴衣は寝間着としてもってこいです。最初からこうした浴衣を寝間着にするのは贅沢ですが、ミシン縫いの安い仕立て上がりの浴衣なら、バーゲンや問屋街などで探せば3000円程度で手に入ることもあります。私はそうした浴衣を見つけてはストックしておきます。

着古した浴衣の寝間着

ところで、浴衣だけでなく、古くなった長襦袢も寝間着にすることができます。正絹のものは簡単に洗濯できませんが、寝心地はシルクのパジャマよりも断然上だと思います。古着などを見つけて活用してもいいでしょう。

寝巻きの洗濯

寝間着を洗濯するときは、きちんと畳んで洗濯ネットに入れれば洗濯機で丸洗いできます。糊は好みで加減してつけるといいでしょう。

干すときは必ず裏返しにしてから干すようにします。真夏の炎天下では、できれば日陰に干しておいた方がいいでしょう。さもなければ、写真左端のように完全に色が褪せてしまいます。また、布が傷んで肌触りも悪くなりますから気をつけましょう。

下の写真はすべて筒袖の寝間着で、色褪せているものはガーゼの寝間着です。他の2枚はいずれも業務用で、問屋街などに行けば1500円前後で手に入ります。

色褪せのようす