男のきもの あめんぼう



普段着派必見!浴衣の次を実現できるWebShop

「あめんぼう」は、平成14年8月よりテスト公開、9月1日より正式公開のインターネット上の男のきもの専門店です。

実店舗を持たず、インターネット上のWebShopという形態を選択してOPENしたこのお店は、家庭で洗えて惜しみなく着れる木綿の着物を専門に取り扱うという、普段着として着物を着たい人にとってまさに画期的なお店です。

オーナーの高橋利次さんは、男のきもの担当として大手きものメーカーでご活躍になり、退社後、高級呉服一辺倒の業界事情に疑問を持たれ、一人でも多くの方にきものに袖を通してもらいたいと、このお店の開業を決心されたとのことです。

何よりも嬉しいのはその安価な提供価格です。実店舗を持つ、一般の小売店では到底不可能な価格を実現し、本当の意味での普段着として、浴衣の次に着る着物を探している人にぴったりの魅力ある商品を提案されています。

さらに、品質も十分満足のゆくもので、丁寧な仕立ての仕上がりにも好感が持てます。ネットショップの安売りにありがちな、産地の職人さんが知ったら落胆しそうなほどの価格破壊による販売ではなく、全ての商品が長年の取引による信頼に基づく、織り元と直接タイアップしての提供形態を取ったものなので、ビジネス的にも健全な納得価格なのです。

さっそく私も注文して、その着心地を確かめてみることにしました。とりあえずと思って選んだのは、木綿着物の定番品の一つ、片貝木綿の長着です(写真)。結論から言って、想像以上の完成度で、この品質、この価格で果たして本当に採算が取れるのかと心配してしまうほどでした。


早速入手した片貝木綿の着物を着て外出
(袖なし羽織、帯は手持ちのもの)
※広島平和記念公園にて(奥の建物は原爆資料館)

手頃な価格で実用になる木綿の着物を、ぜひ体験してみて下さい。このページを読み終えたら、「あめんぼう」ホームページにアクセスしてみましょう。きっと、あきらめていた憧れのきものライフをその手にできるはず。

片貝木綿生地のアップ画像
(他の画像も含め色合いが違いますが、全て同じ着物です)

  着る人のニーズにきめ細かく対応したサービスと対応が最大の魅力   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

■リーズナブルな価格もっとも安価なのは「阿波しじら」という比較的柔らかな風合いの木綿生地で、仕立て上がりの既製品なら13,000円から。私の着ている片貝木綿も、寸法指定の仕立て代込みで26,800円からという安さです。反物はもちろん機械織りによる量産品ですが、普段着として利用するなら必要十分なもの。もちろん、ちょっとした外出着としても活用できます。また、反物のみでも購入可能で、阿波しじらなら、7,500円ほど。仕立て不要な人にも嬉しい配慮ですね。

■オリジナル商品(幅広、長尺)同じ種類の反物でも、一般に流通しているものより幅の広いオリジナル商品を開発。これなら、身長180cm以上の人でも余裕で対応できます。広幅の反物は、全国の機屋さんとのタイアップを図って実現させたものだとか。

■ファブリック・メール・サービスWebショップの弱点である画像表現の限界を補うため、生地見本を無料で郵送してくれるサービスを実施されています。それが、ファブリック・メール・サービスなのだとか。商品の色、柄、質感など、Web上の画像だけでは正確に判断できませんが、これなら実際に手で確かめてから注文できます。たとえ小さな生地見本でも確かめられるは嬉しいものです。こうしたきめ細かな配慮にも店主の姿勢が伺えます。

なお、このサービスはWeb上のフォームから依頼できるようになっています。また、指定できるは5柄まで。



 店主が吟味したこだわりの天然素材を
 ぜひその手で確かめてみてください。 

実際のファブリック・メール・サービス(見本)■詳細な採寸情報多くの小売店では、身長などから仕立てに必要な寸法を早見表で割り出し、仕立てを行うケースが多いものですが、ここでは、初めての人でもわかり易いように「きもの採寸図面」を提示し、個人の詳細な寸法入力を行えるようになっています。全くの初心者にはわかりにくい採寸部分もありますが、問い合わせれば親切丁寧に教えてもらえますから、納得のゆく寸法でベストな一枚を注文しましょう。

また、木綿の着物は種類によっても差がありますが、洗濯すると結構縮んで短くなる場合が多いので、実測した身丈よりも1~1.5寸程度長めに仕立ててもらうとよいでしょう。ただし、その場合、新調した直後の状態ですぐに着ると、当然裾が長すぎるので着付けるときに少し持ち上げるなどの工夫が必要です。

実はこのショップでは、取り扱っている全種類の生地で、着物だけでなく作務衣も仕立てることが可能です。その場合の採寸情報も、詳細なものが指定できるようになっていますから、作務衣ファンにも嬉しいサービスです。他では手に入らないオリジナルな作務衣を注文してみましょう。

■丈夫な仕立て
私は手縫い仕立てを依頼したのですが、非常に丁寧で、しかも要所要所にきちんと力布などで補強してあるのには感心しました。その技術力の高さは特筆できるほどで、国内の熟練した職人の手によるものと比較しても、よほど目の利く人でないと違いはわからないと思います。このお店を自信を持ってお勧めできる理由はここにもあるのです。




袖の付け根を閂止めで補強

脇部分裏側の始末



居敷当ての始末も丁寧なもの
このほか、肩当も標準装備。
(これらの大きさは余り布の面積次第です)
襟先と裾部分の始末
仕立てはミシンと手縫いの両方から選択可能なシステムを採用。用途や好み、予算に応じて指定できるのはうれしい配慮です。縫製は主として中国の工場に発注するため、この値段が実現できるのだとか。

   お店のカラーと位置づけ  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

このお店は、ご紹介したとおり、ただ安いだけでなく、着る人の身になったサービスと徹底した細部のこだわりが嬉しい、実に真面目なお店です。インターネット上の店舗のみというのが残念なほどですが、普段着レベルの和服購入に不便を感じる地方の人にも福音をもたらしてくれることでしょう。

実用本位で庶民派のこうしたお店の登場は、きものジャンルの様々な楽しみ方を改めて提案するものでもあると思います。こだわりの一張羅やファッションとしてのジャンルもあれば、普段の生活で着る家庭着や実用着もまた一つのジャンルです。今まで和服といえば高価で手が出せなかった人にもその真価を十分わかってもらえるのではないかと思います。

なお、いつも感じるのは、いくら安い方がいいとは言え、天然素材でフルオーダーメイドの着物に、この「あめんぼう」以上の安さを求めることは、商品の適正な価格の維持を崩壊させ、何よりも生産者の人たちを落胆させることになってしまうという危惧です。着物に限らず、物品販売される商品にはそれぞれ原価に見合った適正な販売価格というものが存在するものですから、それを無視し、製品そのものを誰も作る人がいなくなるような状況にしてはならないと思うのです。もっとも、そんな話は取り越し苦労であるよう心から願っていますが。

ちなみに、「あめんぼう」とは、「我、綿を望む」という意味で、最初「我綿望」と書いていたそうですが、意図がわかりずらいのでひらかなにしたそうです。「綿’z」はもちろん「Men’s」のこと。なかなか面白いネーミングですね。ぜひとも力強く頑張っていただきたいです。全国に「あめんぼう」ファンが溢れることを祈っております。