銀座もとじ 男のきもの

満を持して誕生。男のきものファン待望の店 

平成14年9月10日(火)、
待望の男のきもの専門店がOPENしました。

店主、泉二弘明氏にとっても長年の夢であったこのお店は、同時に我々きものファンが待ち望んでいた新しいジャンルの確立を、大きく予感させるものです。

泉二社長と私とは、数年前に出会い、その瞬間から意気投合し、以来、男のきものをいずれメジャーなものにしようと、お互いの夢を語り合ってきました。

そして今年(2002年)、私は初の書籍、「男、はじめて和服を着る」の出版という形で、泉二社長は、この「銀座もとじ 男のきもの」店の開店というかたちで、それぞれの夢をかたちにすることに成功しました。泉二社長にとっては、「本店」、「和織」に次ぐ銀座で3店舗目の快挙となります。しかしこれらは、いずれもほんの第一歩に過ぎません。本当の挑戦は、まさにこれから始まるのです。

何かと衰退の激しい呉服業界において、銀座の中核地に「男の着物」の専門店を開かれた、泉二氏の手腕には脱帽するばかりです。呉服業界は素直に、その成功のエッセンスを見習うべきかと思います。そして、第二、第三の「銀座もとじ」が全国各地で成功を収めることを切望しています。


OPEN当時の銀座もとじ「男のきもの」店の前で
(※現在の店舗は写真の場所と異なります)
念願の店舗開店までのサイドストーリー  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

呉服屋だからこそとの信念で、常に和服姿で社長業をこなす泉二氏ですが、呉服店を営んでいる彼自身ですら、何処を覗いても「男のきもの」の品揃えが少ない事は常に悩みの種だったそうです。
そして7~8年前より、来店する男性客から口々に次のような苦言が聞かれました。

 「何処へ行っても女性中心の呉服屋さんばかりで男性は本当に入りにくい。」
 「ゆっくり自分に合った着物を選びたいが、数が少なくて納得のいくものが選べない。」
 「折角作った着物が今一つ身体に合わない。」
 「帯を締めても内揚げが角帯に隠れない。本当にこれで粋に着られるのか?」等々

こうした声に、ひとつひとつ相談に乗りながら自らの店にも男の着物をより意識して置き、広幅の反物も揃え、近年では、本店の商品の半分が男の着物と言う所までに至ったのだそうです。
そこで今般、満を持して呉服業界で初めて「男のきもの」に専門店を作る事となったのです。

まさにこれは、ユーザニーズに真摯に応え続けて来られた成果です。そしてまた、消費者の多くが、このお店を高く評価していることが何よりの成功の証でもあるでしょう。個人的にも、泉二社長のお人柄もさることながら、その姿勢と対応、行動力などあらゆる点で心から応援したいお店です。

銀座もとじ 「男のきもの」店の店内で
 お店のカラーと位置づけ

このお店は大量に展示された商品の中から好みの品を選ぶタイプの店ではありません。店主自身が「欲しい」「いい」と思った品だけが並ぶ、いわば厳選品販売ショップです。そしてその厳選ぶりは目を見張るものがあり、有名な産地の織物であっても一味違う逸品を丹念に集めてあります。それだけに価格帯もやや高価で、惜しみなく着れる普段着を探すというような種類のお店でもありませんが、その分、コーディネート相談から仕立てのこだわり、小物の配慮など、サポート力は万全です。

呉服屋への苦言の一つに、商品価格の高さがよく挙げられますが、それは和装品の種類やショップのジャンルが、洋服の世界のように分科し確立していないだけのことなのです。「銀座もとじ」というお店は、今までのどの呉服屋でもない、独自のジャンルを目指しているように思えます。このお店の提案する男のきものの世界とご自分それとが一致するなら、これ以上満足度の高いお店はないことでしょう。一見高価に見える価格も、常に適正価格を意識されており、仕立て上がり(完成品)でのプライス表示は良心的でわかりやすく、買う側の安心感をもたらしてくれます。

時間の流れを忘れ、自分の感性と向き合い、「自分のための本物」に出会いたいと望むとき、外国人に負けない存在感で自分を演出したいと思うとき、それを着物に求めてみるのも悪くありません。 銀座もとじ「男のきもの」というお店は、そういう人をきっと暖かく迎え入れてくれることでしょう。

 店主に尋ねた 男のきもの専門店のポリシー 

  1.本当のオートクチュールを目指したい
    ・着心地を大きく左右する和服の仕立てに徹底してこだわる。
    ・採寸用の着物による木目細かい採寸の実現。
    ・『仮仕立』(洋服で言う仮縫い)を実施。

  2.コーディネイトに重点を置いた提案
    ・男の着物はとにかくカッコ良く着て頂きたい。
    ・袖無し羽織の着こなしコーディネイト
    ・角帯でのおしゃれ
    ・雨用コート、初春初冬の軽く羽織れるコートの提案
    ・羽織紐、半衿で遊ぶ
    ・足袋に凝る
    ・インバネスコート

   3.『男の着物』講座の定期開催
    ・ カッコ良く着るためのコツを学ぶ講座
    ・ 着物を着た時の生活の知恵講座
    ・ 手早く出来る半衿のつけ方講座
    ・ 簡単なお手入れ方法講座
    ・ 着物、袴のたたみ方、しまい方講座  等

  4.男の着物では、より素材、デザインにこだわって行きたい
    ・男の着物専門店の看板にふさわしい商品の品揃えを。



数々の驚異的な内装品で構成された店内


9坪余りの空間には羨望とロマンが漂う
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銀座もとじ 「男のきもの」 プロモーションカットの撮影に協力。実は私も出演しています。

銀座の街角で撮影。
(Photo:鈴木 徹さん)


着ているきもの

着物(縞の能登上布)
羽織(縞の米沢粋紗)
角帯(生成りの麻夏帯)
白長襦袢(小千谷平織)
絽半襟(パステルグリーン)

<着物と羽織のみ銀座もとじ>

※全て早坂伊織の自己所有品です。
(念のため(^^;)



泉二さんがついに
男のきもの専門店を
立ち上げるというので、
さっそく出かけてみました。


新店舗の内装に感心し、
店内撮影も見学していたら、
私自身も被写体に(^^;・・・。




きっと欲しくなる一枚が
あなたを待ったいる
ことでしょう。
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