角帯

いろいろな角帯

男性が和服を着る際、ことに角帯の締め心地というのは、実に気持ちの良いもので、私の場合、この感触を得たいがために和服を着ると言っても過言ではないほどです。下腹にギュット締めた帯がしっかりと落ち着いて決まった時、何とも言えず身が引き締まる思いがするものです。また、下腹に適度な圧力を加え、内臓を上に持ち上げるようにすることは、医学的にも健康上良いことなのだそうです。以下に私の持っている角帯を一部紹介します。


上にあるグレーの帯はからむし織の夏帯


手前斜めの黒い帯は大島紬で仕立てた角帯 


幅や長さが異なる正絹帯三本


普段使いに締めやすい木綿角帯


献上柄と呼ばれる定番模様の博多帯


織りや柄の違う3種類の正絹角帯

房のある角帯

角帯の中でも房付きのものは、高価なものでもカジュアルな装い向きとなりますので、フォーマルな場でこれを用いる場合には、房を内側に折り込んで使いますが、房の部分をハサミで切り落として始末してもOKです(帯布の端は内側に折り返し、場合によってはきちんと縫い合わせて始末します)。房自体が付属する意味は特になく、恐らく商品的に房のある帯の方が、高級感があると考えられたからではないかと思われます(実際に使用するとこの房が殊のほか邪魔になるのですけれども・・・)。

男性の場合は、女性と比べるといたって着付けも簡単で、本当に帯一本で着付け完了!というもの魅力です。実際、慣れてくると腰紐がなくても大丈夫なもので、私は普段着の時は一本も腰紐は使いません。これだと角帯を解くだけで着ているものが全て一度で脱げますから、横着ものの私にはこれ以上の衣類はないです (ただし補正が必要な方はちょっと手間が増えますけど)。

帯の素材について

男性が和服を着る際、ことに角帯の締め心地というのは、実に気持ちの良いもので、私の場合、この感触を得たいがために和服を着ると言っても過言ではないほどです。下腹にギュット締めた帯がしっかりと落ち着いて決まった時、何とも言えず身が引き締まる思いがするものです。また、下腹に適度な圧力を加え、内臓を上に持ち上げるようにすることは、医学的にも健康上良いことなのだそうです。以下に私の持っている角帯を一部紹介します。

角帯の素材は大きく分けて木綿、絹、化繊とがあり、他に麻やウール、和紙で織られたものなどもあります。値段は木綿のもので3千円前後から、正絹のものは1万円くらいからあります。角帯の幅はおよそ10cm前後、長さは4m前後が平均的ですが、厳密な規格はないようで製品によってバラツキがあるようです。ポリエステルなどの化学繊維混紡もしくは化繊100%の帯は、安くてデザインが良くても避けたほうが無難です。化繊の帯が全て締めにくいわけではありませんが、男帯の場合、女帯以上にすべりやすく、着崩れの原因の一つにもなりかねません。 買うときは色柄だけで選ばず、必ず実際に手で触ってみて質感や布地の厚さなどを確かめることも重要です。

角帯は品物によって帯の幅や全長もまちまちですから、自分に合ったものを一度知っておくといいでしょう。大柄な体型の人は幅広の帯を選ぶと締めた姿に安定感が得られます。逆に身長が低くて小柄な方は、幅が細めの角帯を締めるとバランス良く見えると思います。また、ウエストの太い人は長目の帯を選びましょう。正絹の帯が軽くて締めやすいのですが、普段使いには綿角帯が向いています。そのほか、帯の固さも締め心地を左右します。帯地が薄すぎて皺が寄りすぎるのもおかしいし、固くてぶ厚いと締めにくいものです。帯の厚さについても、自分の好みにあったものを選ぶべきでしょう。

ちなみに着物の帯はクリーニングに出すことも可能ですが、汚れてしまっても通常は洗濯しません。これは形が崩れたり縮んだりするだけでなく帯の持つ風合いが変化し、何より締めにくくなってしまうことが多いからです。どうしてもというときは、部分的な汚れ落としを行うだけにしておきましょう。

締め心地は締め方次第

男性が和服を着る際、ことに角帯の締め心地というのは、実に気持ちの良いもので、私の場合、この感触を得たいがために和服を着ると言っても過言ではないほどです。下腹にギュット締めた帯がしっかりと落ち着いて決まった時、何とも言えず身が引き締まる思いがするものです。また、下腹に適度な圧力を加え、内臓を上に持ち上げるようにすることは、医学的にも健康上良いことなのだそうです。以下に私の持っている角帯を一部紹介します。

着物を着ると帯がきつくて苦しいと言う方が多い様ですが、自分の身体に合った正しい締め方をしていれば、全くそんなことはありません。むしろ、先ほどお話したようにとても気持ちよいものです。原因の多くは、おへそ(胃)の真上あたりに締めてたり、不自然な補正をしていたりといった、苦しくなって当たり前の締め方にあります。原因はまだあります。男帯の場合は、結び方を覚えて必ず自分自身で帯を結ばないと思うようにはなりません。女性が着付けて下さる場合、どうしても感覚的に高い位置に締めがちだからです。私も結婚式の時には係りの方に紋付袴を着付けてもらいましたが、どうにも勝手が違ったのを覚えています。生まれて初めての着物経験で辛い思いをした男性の多くが、この結婚式の衣装ではないだろうかと疑いたくなるくらいです。

さてさて、そんな男物の帯ですが、果たしてみなさんはどんな帯を、どんな風に締めておられるのでしょうか?締め心地はいかがでしょうか?まず、男物の帯の種類は、大別すると角帯と兵児帯とがありますが、この他にも角兵児帯という折衷タイプのや、相撲取りがよく使う巨大な伊達巻きみたいなもの、はじめから貝の口が結んであってマジックテープで止めるだけ、なんて角帯もあったりします。ケガをして手が不自由な時などは一本あると便利かもしれません。

ちょいと小粋な小さめな貝の口

角帯の柄の向き

角帯の柄や向きには上下があるということ、みなさんご存知でしょうか?よく尋ねられるのですが、意外と知られていないようです。例えば、最もポピュラーな献上柄と呼ばれるものがありますよね。実はあれにもちゃんと柄の上下はあるのですよ。作家の池波正太郎なんか、「男の作法」というエッセイ集の中で、この上下を間違うと教養を疑われるとまで言っておられますが、噺家や舞台の役者など、プロとおぼしき方の中にも「逆」の方はよくお見受けします。(^^; こうした現象の背景には、和服を衣装として着る芸能人の多くが、スタイリストの台頭で全て人任せにしているせいかも知れません。で、それらを参考にすると1/2の確率で間違う羽目になるわけです。(^^; そういうわけで、帯の締め方をTVの時代劇などでチェックしようと思っておられる方も要注意です。TVだと、その池波正太郎の作品だけあってか「鬼平犯科帳」シリーズは脇役に至るまで、まず間違いないようです。この献上柄の向きは間違えないようにしたいものですが、あえて好みで上下を逆にしたいなら、それもアリだと思います。いずれにせよ、今では知らなくて恥ずかしい思いをすることはないでしょうから、最終的には他の和装品と同じく、個人のセンスの問題と言えるでしょう。