1998年7月分

No.075行灯袴横田 充洋さんE-Mail = miskij@amy.hi-ho.ne.jp
URL = http://www.amy.hi-ho.ne.jp/miskij

めっきり夏らしくなってきて、浴衣一枚。とはいえ電車などに乗ると寒いのがシャク。こないだはそれで少し鼻の調子がわるくなってしもた(映画館の中も寒かったし)。仕方が無いので袖なしシャツを下に入れてます。

先月23日朝日新聞夕刊に「第1回全日本ユーモア写真コンテスト」の作品が掲載されており、銀賞に「ハプニング」があります。堺の方が撮影した、山車を奥において紋袴がずらっと両わきに並んだ中、世話役がすってんころりんで行灯袴の中身まで丸見え、という絶妙な瞬間というもの。(多分、岸和田のだんじり祭だとは思うけど)
よく丸見えの瞬間が撮れたなー、と同時に、行灯袴も祭事に使われるんだ、という一種の安心感(前に行灯袴を買ってたものの、TVなどでは滅多に見ないので少し不安になってたとこ)。

でもって1日は三宮へ出かけた帰り(アメリカにも持っていった扇子を置き忘れたらしいので、心当たりのあるところへ行っていた:結局見つからず)、阪神で梅田に着いたついでに作品展も覗いてみまして。着物姿を撮影したものも数点。「一時預かり」で、正月の白袴あんちゃんが両腕に女の羽毛マフラーをさげたまま待たされ、当惑顔っていうもの。着流しのおっちゃんが眼鏡を額に上げて膝をついて望遠鏡を覗いで「よく見える」。足袋が緑色:) 足許には巾着袋と、着物姿が体についた感じ。秋の祭事で紋袴の年輩者3人が座っている所、祭り格好のおっさんが左端のとなりに座ってたら疲れて頭をあずけたまま寝てしまう様子。起こそうにも悪いので起こせず耐えるサマ。日経01誌だったか、「下着にも興味がある人が多い」って私もその一人?先のハプニングの行灯袴の中はトランクスのようでした。きっと後でなんやかんや言われたんかいなあ。

不思議なのは「ぱっち」:半ズボン状の股引:の下は何も付けないのが基本なのか、越中褌を入れるのか疑問。今はトランクスを入れる人が多いみたい。まあ、昔の祭事は男女に間違いを起こさせるってのが目的とも言われてたけども*^_^*

その足で日本橋に寄り道。うまい具合に黒麻の夏袴(5800円)と黒絹絽の夏羽織(1000円)を入手できました^O^袴は、結構柔らかくて化繊のような感じもします。白物だとてきめんに透けて見える^O^;ので、長着の裾を端折るときは注意しとこ。羽織の方は紋を5個所染め抜きしていて、褐色に変色しているのが1000円になった理由らしいです。染め直しができる、って「悉皆屋康吉」のあとがきにあったような気がするけど、紋を黒く染めつぶして刺繍してしまえば立派に再生できるという意味では、安すぎる気がする。ちなみに裄(背中心から袖口まで)優先で探してもらったせいか、丈がめっちゃ長くなってしまい、膝下まできてしまった^O^浴衣の上から袴と長羽織を付けてみると、なんか応援団みたいな感じ。これで「人垣がささーっと割れる」んかいな:-) でも、絽羽織の黄ばんだ紋の処置で少し考えあぐねてるのも事実。近所の着物なんでも屋さんも、けいはんなプラザに出店に来てた京都シルクさんも同様に黒くするのは無理(布地が弱っている|汚くなる)、だって。こうなったら個人で染め&織物をしてるYさんのつて頼みか。黒布で紋を隠し熱転写プリンタでアイロンプリントを行って白キュプラに転写すればいいけど、そのためにプリンタまで買うかどうか^_^;# 就職活動を考えれば、プリンタは必要になりそうだけど。さすがに武道具屋さん経由でも安くするのは無理みたい(なぜか近所に2軒もある)。剣道の胴にプリントするものは安くできる(300円)けど。

近所の着物なんでも屋さんですが、主人さんは60過ぎで、いつも着物姿でいらっしゃるようです。冷房のせいか、紬+長襦袢+ウールの袖なしシャツ(懐から覗けちゃう^^)でしたけどね。1000円の絽羽織についてもわかりやすく説明してくれたし、(今ではフォーマルな)五三桐紋の羽織を安くお譲りしてもいいですよ、と言ってくれた。あふ。

京都シルクさんとこでは男物の裏物もいくつか扱っているけど、長襦袢は例によって青絹の山水画。・・・アルプスの昇華型プリンタで好みの絵柄をアイロンプリントしたろか^O^洗える長襦袢が1900円だけど、女物だそうな。男でも、別に腋が見えるわけでもないのだから使ってもいいような気がする。ついでの駄賃で絹の胴裏を 858円で買ってきましたが、定価5000円、卸値3500円。裏襟付きのせいか、8mしかなかったけど。

今度の17日は私案のDTMFリーダの打ち合わせで新大阪の会社へお出かけ。正装というにはちょっと足りないけど小千谷+麻袴でしゃれこんでみますかね。なにかとハイテクに走り過ぎる情報通信機器へのアンチテーゼもありますが。

ps. けいはんなプラザ内の本屋さんで「2050年は江戸時代」という過激なシミュレーション小説の文庫本が出てました。立読みしかしてませんですが、興味があればどうぞ。

久々に横田さんのお便りです。あいかわらず頑張って自由な和服生活されてますね。この調子で違和感のない和服生活を日本に広めましょう。(^^) ちなみに、最後にあるお仕事での着物姿、特に何の違和感もなく無事お話も進展したとのご報告を受けています。サラリーマンも背広一辺倒ではなく、きもの姿もOKよ!って世の中にならないかなあ?

No.076男が浴衣着て悪いか!(笑)影山栄志さん

私は19歳の専門学生です。このホームページは、某雑誌で知りました。高校の頃から浴衣が着たくなり、去年安売り(3点セットで9800円)の浴衣を買いました。 このページは、男の着物の情報が充実していてありがたいです。ところで、浴衣を持っていることは、家族にはこの存在を公表していません。理由は、怒られそうなことと、単に恥ずかしいためです。今後は、アルバイトなどをしてお金を貯めて、何かしらの着物を買いたいと思います。まとまりのない文章ですいませんがこれからよろしくお願いします。

---(以下、返信後のお便り)---

お忙しい中、お返事ありがとうございます。あなたの言う通りだと思います。こんごは、夏祭りや花火大会以外でも、活用したいと思います。私は、現在就職活動中です。無事、就職できたときには、浴衣以外の着物を買いたいと思います。良いホームページをありがとうございます。まとまりのない文章ですが、今後ともよろしくお願いします。

男性が浴衣着たってぜんぜん悪かないですよ!ってこのHP読者ならみんなそう思っていることでしょうが、そういう人ばかりでないことも残念ですが現実には大勢いるようで。このページでも、「買えない」「着れない」「着る機会がない」という、着物が着れない3大要素というのを紹介していますが、「周囲の理解が得られない」というのも要素に加える必要がありそうですね。でも、そんなことにはメゲないで楽しいきものライフを築いて行きましょう!

No.077質問です、あと感想など。都築 史夫さんE-Mail = fumiot@dokidoki.ne.jp

今日は、今回一寸質問があってメールを送らせてもらいました。まず今年から浴衣を着て花火にでも行こうかなと思ってるのですが、浴衣を着る時って何か下に着るのでしょうか?前に一度着たときに汗がシミのように見えて不細工だったので、これは何か下に着るべきなのだろうかと悩みました。着物を着たいなと思うことは多いのですが、まわりに質問できる人も居ないので謎ばかりです。良かったら教えて下さい。

 ところでこのホームページは3月末から見させていただいているのですが、意外に着物好きの人が多いことを知り喜んでおります。中でも6月のお便りコーナーに学生さんからのお便りもあり、若い人でも着物好きの人がいるのが解り嬉しく思いました。今後もっと着物好きの人がふれあえるページを期待しております。

 何時か普段着に着物を着れるようになることを夢見るナンバー16の21歳の社会人より。ちなみに今は金銭面などで着物が買えないのが辛いです、今度お金を貯めて着物を買いたい。そのときはよろしく。

浴衣は普通素肌(下半身の下着のみ着用)に着るものとされていますが、これはもともと、浴衣は肌着に近いものだったことからの風習でもあります。最近は、堂々とした外出着としても利用されますから、家庭内での着用ならともかく、外出時にはやはり肌着をつけることをお薦めします。私の場合、下着は褌ですが、浴衣で外出する時は肌襦袢を下に着ます。なければ普通の肌着のシャツやTシャツを代用してもかまいません。白絣の浴衣のように薄く透けるものの場合は、ステテコや裾よけを合わせるといいと思います。浴衣は本来、素肌で木綿の肌触りを楽しむのも醍醐味ですが、汗が気になる場合などは、状況に応じて肌着もおおいに利用しましょう。早く普段着のきものGETできるといいですね。またいつでもご遠慮なく、お便り下さい。

No.078結婚式の礼服って?草野やよいさんE-Mail = kusano@hyp-cont.co.jp

はじめまして。「男のきもの大全」を拝見して、情報の多さにびっくりしています。やっぱり日本人は着物が一番似合いますよね。

ところで、質問なのですが、新郎の着物って袴をはかなくてもいいものなのでしょうか。11月に式を控えていますが、彼が「袴は武士の着るものだから、(町民)の私は着ない」などと言っています。確かにあまり堅苦しくない式にはしたいと思っていますが、そこまで略式にしてしまっていいものでしょうか。堅苦しくないとはいっても、いわゆる何でもありのガーデンウエディングやただの宴会ではなく、それなりの会場で100人近く招く式なのです。彼のおばあさんが和裁の先生で、孫のために紋付き羽織をつくってくれているのに、せっかくの晴れ着も浮いてしまうような気がしてなりません。私としては今まで和装結婚式で、袴をはかない長着と羽織りだけの新郎はみたことがないので、普通どおりはいて欲しいと思っているのですが、彼があまりかたくななので説得のしようがありません。なんとかアドバイスお願いできないでしょうか。

このお便りはぜひご掲載をお願いしたいと思います。できれば他の男性のご意見も伺いたい。
よろしくお願いいたします。

まずはご結婚おめでとうございます。(^^)

ご質問の件ですが、珍しいご苦労をなさっておいでのようで、大変そうですね。結論から言いますと、彼のおばあさんの意志を汲んであげたい気持ちも含め、彼氏にはぜひ袴を穿いた一揃えで式に臨んで欲しいと思います。彼氏がどこでそうした話を聞かれたのかは解りませんが、町民や農民も袴は着用していました。もんぺ類や山袴のような袴は日常でも利用しましたし、紋付袴もおおよそ江戸時代の天保以降くらいから一般庶民も結婚式やお祭りなどでは着用する習慣となったようです。さて、私が袴をお薦めする理由は、武士だの町人だのシキタリだのという堅苦しい理由から等ではなく、袴をつけたそのシルエットのカッコよさ、実際につけた時の気分の良さを体験していただきたいという気持ちからです。確かに現代の結婚式での羽織袴は、形式的な衣装としての側面しか意識されないものとなってしまい、デザイン面もカッコよくないと言われれば、センスの相違の問題ですから無理強いはできませんが、袴を着けた時の体感的な気持ちよさと、実際の気分の良さは、一度味わってみるだけの価値があると思うのです。本来、袴の効用は腰を締め固めることにあり、背骨をしっかり支えることで、上 半身の動きを軽快にすることができるものです。実際袴の腰板が背筋にぴったりと添うことの感触は、えもいわれぬ清々しさがあり、自然と背筋も伸びて姿勢がよくなります。なお、貸衣装では行灯袴が多いようですが、断然馬乗り袴をお薦めします。足さばきが楽なこと、シルエットの良さ等は馬乗り袴の方が勝っています。もっとも、着付けの善し悪しでここに述べた印象は大きく左右されてしまうのも否めませんから、しっかりした着付け(式場の着付け担当は、写真写りの良さなどだけを優先しての着付けが多く、本人の気心地の良さは無視されがちなので注意が必要です)のできる方にお願いできればベストでしょう。彼氏を説得するアドバイスには足りないかと思いますが、日常和服で生活している者の意見としてうまくお伝え頂ければ幸いです。ご健闘をお祈りしています(^^)。

No.079アドバイスありがとうございます草野やよいさんE-Mail = kusano@hyp-cont.co.jp

早坂さん、お返事ありがとうございます。心のこもったアドバイスで大変感動しております。

おはずかしい相談で申し訳ありませんでした。前々から個性的な彼だとは知っていたのですが、ここまで変なやつだと、しなくてもいい苦労をさせられて、笑うに笑えません。ただ、早坂さんのようなちゃんとした研究をしているわけではないにせよ、和服に対する愛着は人一倍持っていて、自分なりの執着はあるみたいなので、一方的なことも言えません。ですが、アドバイスはありがたく受け止め、折をみて説得してみようと思います。

それにしても、早坂さんのホームページは内容豊富で大好きです。男性の読者が多いとは思いますが、私も定期的に訪れてみたいです。日本男児の和服姿なんてかっこいいじゃないですか!私もつねづね和服を着る機会をもっと多くしたいと思っておりましたので、早坂さんの趣旨には大賛成です。女性の和服も「高値の花」ですが、身近なところから始めてみたいものです。

どうもありがとうございました。

こちらこそ。(^^) うまく説得できるといいのですが。頑張って下さいね。

ところで、和服は高価なものというイメージ(現実でもありますが)が障害となり、せっかく興味や憧れを抱いているのに諦めてしまう人が少なくありません。品質や銘柄も重要でしょうが、「とにかく手にできるきもの」をもっと市場に出して欲しいものです。

No.08020日の更新拝見しました。松園さん

早坂伊織様
今晩は、20日のHPの更新拝見しました。その中で普段着の和服に付いて書かれていましたが、自分も呉服屋に行って思う事は同じです。とにかく現在、男女問わず和服の生地は絹が常識、一度ある呉服店で普段着にウ-ル物を見に行った所、内は高級店です安物(綿製品)は置いてませんと言わんばかりな態度の接客態度、自分も堪忍できず一騒動有りました。多くの呉服屋さんがこの様なとは思いませんが、和服を初めて着ようと思う時、こんな目に会うと思いも半減します。昔は町人も武士も普段着は綿だったはず、呉服店も和服を普及させようとPRしていますが、反面こんな事や手が出ない値段、店員の勉強不足(和服の着こなし等)など多くの問題が有ります売る側も、買う側もこの偉大な日本文化を失いたくありませんね、せめて自分達だけでも後世に良い形で残したいです。それと、太秦の件尋ねた所早坂さんの身長だと着流しだとサイズが合わず自分が変身した殿様等長着と袴の組み合わせだと調節可能の事、足袋は27cmまでは用意してあるとの事ですが、持参したほうが無難かもしれません、一度二人で江戸の町を歩きたいですね。

こういう経験は誰もお持ちではないでしょうか?お気持ちよくわかります。実際は吸湿性や放湿性などの性能面は木綿よりも絹の方が上なのですが、日記のページでも書いたように、普段着としてはなかなか利用できないのが現実です。こうした意見を分かってくれない呉服屋さんの中には、普段着にきものを着るという想定自体がないことが多く、これでは話が噛み合うはずがありません。なんとかお互い歩み寄る努力もしたいものです。

ところで、太秦の件とは、映画村で変身体験をなさったそうで、これはアルバムコーナーでご紹介しています。ぜひご覧ください。それと、わざわざ大きなサイズを訪ねて頂いて恐縮です。機会があれば一度は体験してみたいです。(^^)

No.081絽の着物を買ったのですが・・・伊達信夫さん

先日の足袋の件、貴重なアドバイスをいただき、まことにありがとうございました。何軒か呉服店並びにデパートを当たってみたのですが、やはり色足袋は置いてませんでした。これが着物をめぐる現実なのですね。少し(かなり)寂しくなってしまいました。でも、通販を教えていただきましたので、そちらを利用しようかと思います。

さて、実は先日、絽の着物を買いました。絽といっても化繊の安物です。(ポリ100%)生地代4,800円、仕立て代6,000円、計10,800円也!絽の長襦袢(これもポリ100%)も全く同じ値段です。お店はチェーン店のさが美。仕立て代が安いのは、25周年記念価格だとか。(通常は13,000円だそうです。ちなみに浴衣の仕立て代は 通常6,000円のところ3,000円でした)生地見本を見ての注文でしたが、色はずいぶんそろっているようです。私はオーソドックスな紺にしました。仕立て上がって早速着てみたのですが、とても涼しげで気に入ってしまいました。

しかし、少し問題が!というのは、かなり透けるのです。上半身は肌襦袢を着けているので問題ないのですが、下半身は、後ろから見ると脚がきれいに見えてしまいます。もちろん越中のラインも。そこで、義母にあまり布で居敷当てを付けてもらいました。これでさほど目立たなくなりほっとしたのですが、あぐらをかくと、前が一重になってしまうので、明るいところではやはり脚がくっきり見えてしまい、越中の前垂れもはっきりわかります。

対策として考えられるのは、
1 ステテコを着用する
2 裾除けを着用する
3 あまり気にせず、堂々と外出し、あぐらはあまりかかない
の三つです。

裾除けを愛用する早坂さんとしては、当然2を選ばれると思いますが、私はステテコや裾除けはあまり気乗りがしないのです。で、結局は3にするか…と、少し迷っている状態です。何かいいアイディアはありませんか?(質問というより、何か愚痴みたいになってしまいました)

追伸

先日お便りした小千谷縮みの着物、仕立て上がってきました。これも早速着てみたのですが、麻の感じがとても涼しいですね。柄もとても気に入っています。(薄い浅黄色に濃紺の細い棒縞です)ちなみに、これはそんなに透けないので、悩む必要はないようです。でも、楽しみにしていた北陸旅行は、事情があり中止になってしまいました。旅行のレポートを送ると約束していたのですが、残念ながら、できません。その代わりと言ってはなんですが、この小千谷縮みで明日街に出る予定ですので、その模様をレポートさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。

透ける夏物きものの対策についてですが、この他で思い付くのは、「夏袴をつける」というのは選択肢に入りませんか?それは別ってことですと、6月のお便りコーナーで、僧侶の府越さんという方がご紹介下さっている、「ロング半襦袢」というのを試してはどうでしょう?おっしゃる通り、私なら裾除けを利用します。イメージ的な面で気乗りがしないだけでしたら、ぜひ一度試してみませんか?人に言わなけりゃ腰巻きだなんてわかりませんし、実際付け心地もなかなかです。このHPで男物の裾除けを知り、ファンになった方も大勢いますし。(^^) あと、個人的には、ふんどしの前垂れがちらりと見えるのって、とってもセクシーだと思うんですが、時代劇の中ならともかく、現代ではそうはいきませんよねえ。(^^;


No.082ご無沙汰していました。岡野 太一さん

学校のテストなどで何かと忙しく、「男のきもの大全」ホームページを見る暇もあまりなかったものですから、まさか自分のものが載っていようとは思いもしませんでした。こんな事なら、もうちょっとましなことを書いておけば良かったと赤面しております。見てみると皆さんはもっと気楽にメールを書いていらっしゃるようですが、私はどうも書く事となると堅苦しい文面になってしまいがちでして、やたらと格式張った人間に見られてしまうのですが、本人は大変にいいかげんな男です。
そんなどうでもいい事はさて置き、私が着たい着物の着方を少しお話してみようかと思います。

私は、早坂さんと同じで、普段着として和服を着たい人間です。どうもあの「帯1本で締めている不安定さ」と言うような感じがとても好きなのです。また、着物を着ている時に、着崩れなどしないように動こうとすると、自然と日本の作法の動きを取るようになるところも大変気に入っています。 そんな事から、私は出来るだけ着物でいたい人間です。だから、私が手本にしたいのは、江戸時代の庶民の暮らしでした。江戸時代、日本人のほとんどは着物しか着ないで一生を終えていたのですから、彼らが良い手本となるのではないか。また、庶民ならば、私自身も庶民ですから、彼らといくらか共通のところがある、と考えたからです。 しかし、我々の住む現代日本は洋服社会です。(残念ながら。)私は、一日として洋服を着ない日はありません。(いまのところ。)そう考えて、じゃあ、明治時代などはどのようにすごしていたかと言うと、これがごく自然に和服と洋服を両方とも着ているのです。明治の名士達の写真などを見ると、着物も洋服も実に良く似合っています。もちろん、全体的にはやはり日本人には和服があっていると(個人的には)思うのですが、写真で和洋折衷の格好などを見ると、これが実にきまっている。こういう写真などを見て私は、一つの結論に達しました。すなわち、「自然が一番!」江戸時代の町人の様子を描いた絵などを見ると、彼らはごく自然に着物を着ています。(あたりまえですが。)私は、そういうふうに、着物を着たい、と思うのです。

たとえば、浴衣について言うと、あれは町中で着るもんじゃない、と言われますが、それは確かにそうなのでしょう。お年寄りが我々大学生などのようにTシャツを着ないのと同じです。Tシャツだって、もとはといえば下着だったのですし、やはり今の浴衣のような状態に合った時代もあったのです。(服飾史を良く知らないので推測ですが。)今の浴衣は、ちょうどそんな時期なのではないでしょうか。
それに、江戸時代の着物はかなり自由であったという話も聞きます。有名な「かまわぬ」や「よきこときく」だって、あれほど自由な発想の柄は現代でもそうそうないのではないでしょうか。 羽二重、お召、紬、ウールなどの「格」については別に私はあってもかまわないと思います。それは、タキシード、背広、普段着、というような洋服の世界にもあるものです。しかし、私達はそれほど気にする事なく洋服を着ています。そんな感覚で着物を着たい、というのが、私ののぞみです。
さて、実際の私はというと・・・相変わらずウールと浴衣のみでございます。(1つずつ。)お金がやはりあまりありませんで、着物を買えないのです。まあ、のんびり構えて、(構えてしまうと既に普段着じゃありませんよね)余裕が出来たらどぜう鍋を食べるついでに浅草などへ繰り出そうと思っています。 ちょっとなにやらいろいろと書きましたが、今回はこのへんで。

きものに対する熱心なお気持ちが伝わってきて嬉しいです。このHPを開設したのも、きものだって洋服と同じように普段にも気軽に着たっていいじゃない?という気持ちが根底にあったからこそなのです。世間では現代のきものについて相変わらず難しいことを言いますが、私は「着たい」という気持ちさえあれば十分だと思います。着こなしはファッションセンスと馴れの問題ではないでしょうか?自分なりの、自由なきものをみんなで楽しみましょう。(^^)

No.083greetings増井久志さん

早坂伊織様

はじめまして。増井と申します。「男のきもの大全」のh/pを興味深く拝見しました。私も時々は手持ちの和服を着るのですが、それでも残念ながら知識は十分ではなく、少し勉強しておきたいと思っていたところです。

そこでお伺いしたいのですが、このような内容についての書籍や出版物があるかどうかご存知ないでしょうか。もし何かしら出版されているものがありましたらぜひ紹介していただきたいと思っております。

よろしくお願いいたします。

最近、この手の出版物の有無の問い合わせが多いです。しかし、残念ながら男のきものに関しての詳細な内容を記した書籍は入手できないのが現状です(増井さんからは、このあと「本を書いたらどうですか?」なんてご意見も頂きました(^^;)。男物に関してはこのHPでもかなりのことを解説しているつもりですが、お知りになりたい情報がこのページにない場合は、ぜひ具体的に教えて下さい。なお、このHPでも和服関連書籍をご紹介していますから参考にしてみて下さい。

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