六尺褌の締め方(長尺編)

締め方のバリエーション

六尺褌にする布の長さを体型や好みに合わせて調節することで、前垂れ型の締め方だけでも以下のバリエーションが考えられます。季節や用途、好みに応じて締め分けて見て下さい。
前垂れが単で、横廻しが一重のもの(短尺の六尺)・・・・・・・約六尺(227cm)必要です。
前垂れが二重で、横廻しが一重のもの(中尺の六尺)・・・・・・約七尺(265cm)必要です。
前垂れが単で、横廻しが二重のもの(やや長尺の六尺)・・・・・約八尺(302cm)必要です。
前垂れが二重で、横廻しが二重のもの(長尺の六尺)・・・・・・約十尺(378cm)必要です。
前垂れが単か二重かは、最初に布を前でおさえるとき、布を二重にするかどうかだけですので、ここでは最も長い長尺六尺の締め方を説明します。あとは布の長さを変えて応用するだけで締められると思います。

締め方

こんな風にして布の端を折り返し
て揃えておくと、前垂れ部分だけ
を二重にすることが出来ます。折
り返した布は必ず内側(肌につく
側)にして布を押さえます。
二枚重ねにするときの長さは、へ
そよりも少し下くらいにします。
ちょうどオチンチンの付根くらい
がちょうどいいでしょう。股にか
かるほど長く折り返すと、褌を締
めた時後ろの立廻しの横から布が
はみ出てしまいます。
あとは短尺のときと基本的には同
じように締めていきます。

長尺のときは、横廻しを二回胴に
巻き付けるのが特徴です。胴に巻
く時は握っている布を少し広げて
幅を持たせ、食い込んでも痛くな
いように加減して下さい。
横廻しを二回胴に巻き終わったら
立廻しになる布の下をくぐらせ、
緩まないようにしっかりと持ちま
す。
そのまま上に引き上げ、短尺六尺
の締め方で説明したようにして、
好みのきつさに締め上げます。
上に引いた布を左下から二本の横
廻しの下をくぐらせて上に引き上
げ、しっかりと締め上げます。

写真はわかりやすいように少し緩
めていますが、実際には緩まない
ようにみつの部分を押さえながら
手早く絡げて締め上げて下さい。
上に出た余った布は、横廻しの右
下に引き降ろし、右の横廻しの内
側を下から上にくぐらせて締め上
げます。
更に横廻しの左下に引き降ろし、
同様に左の横廻しの内側を下から
上にくぐらせて締め上げます。
8余った布先を横廻しに巻き込むよ
うに絡げて締め上がりです(余っ
た布の始末方法は各自工夫してみ
て下さい)。
9締め上がりを前から見たところ。
前垂れ部分が二重になっているの
でしっかりしており、上から和服
などを着ても皺になりにくい。ま
た、冬期は前垂れがあるだけで暖
かく、肌に触れる感触も心地よい
ものです。冬場は少し厚手の毛斯
などで締めるとより効果的です。

前垂れが邪魔になるときの始末方法

その1.前垂れが邪魔になるときの始末方法

前垂れの中央あたりを水平に両側
からつかんで持ち上げます。

持ち上げた前垂れの両端を横廻し
に挟み込んで出来上がり。

こんな風に前垂れを短くすること
が出来ます。長さは好みで自由に
調節して下さい。なお、最初から
このくらい短い前垂れにしたい場
合は、布地の長さを短めにし、短
めに前で押さえて締めはじめれば
同じように出来ます。

その2.「小粋な三角形」の作り方

前垂れの一方の先をつまんで斜め
に持ち上げ、三角形を作ります。

反対の端も同様にして持ち上げ、
端を横廻しに挟み込んで留め、さ
かさまの二等辺三角形をつくりま
す。

これだと、ちょっと見にはふんど
しには見えないですし、ちょいと
小粋な江戸っ子風です。
また、ジーンズなど、洋服の下に
締める時もこうしておけばトイレ
の時も邪魔になることはありませ
ん。