六尺褌の締め方(短尺編)
ここに紹介するのは、六尺褌としては最も短い長さの短尺布を用いた基本的な締め方です。いわゆるその名の通り、六尺(約227cm)前後の長さの布だとこの締め方になります。日常用は普通、越中褌のように前垂れのある締め方にします。これだと股の部分が単ですから、トイレの時いちいち褌を解かなくても用が足せますし、前垂れ部分は手拭きにもなります。また、締めたり解いたりも非常に簡単です。
短尺布を用いて締めると背中の結び目もコンパクトに収まり、横廻しも一重なので比較的軽い装着感となります。私はこの短尺六尺を主に寝る時の下着として用いるほか、夏場の暑い時に利用します。汗をかく夏場は、前垂れが単の方が涼しいし、横廻しもあまり分厚くならない方がやはり適しています。
1 | まず、前垂れとなる部分を胸のあ たりに当て、片手で押さえます。 布の端をあごではさめるくらいの 位置に持ち上げて片手で押さえる か、そのままあごで挟んで止めて おくようにします。前垂れとなる 部分の長さは、ここで自由に調節 して下さい。ただし、あまり長く 取りすぎると布が足りなくなりま すし、前垂れが邪魔にもなるので 前垂れは長くても膝の位置くらい になるようにするのがいいでしょ う。普通は写真のように首の付根 より下くらいに押さえておくとち ょうどいい長さになります。 | |
2 | 前から後ろに、股の間に布をくぐ らせます。このとき、前垂れはま だ押さえたままにします。次に、 後ろにくぐらせた布の端をもう片 方の手で持ちあげてしっかりと持 ちます。 ※写真では、前垂れを左手で押さ え、背中に出した端を右手で持っ ていますが、もちろん左右逆でも かまいません。利き手に合わせて 違和感のないようにして下さい。 | |
3 | 背中から腰骨の上を通り、へそよ りも下に来るように、布を体の前 に廻して行きます。 ※このように、体の横に廻してい く布の部分を「横廻し」と呼びま す。下腹を廻した布で押さえ体の 反対側に持ってきたら、前垂れを 押さえている手を放しても大丈夫 です。 | |
4 | 布を体の後ろまで廻したら、布を 持つ手を持ち替え、股の下から出 て腰に向かう布(立廻し)の下に くぐらせます。このとき、前に廻 した横廻しが緩まないように注意 し布の端をしっかりと持ちます。 ※「立廻し」の上を通して下から 上に引き上げる締め方もあります が、私はいつも下にくぐらせる方 法です。好みに応じて締めやすい 方を選んで下さい。 | |
5 | 布の端を真上に引き上げて褌を締 め「みつ」と呼ばれるT字型の交 差点を作ります。褌の締め加減は ここで自由に調節しておきます。 馴れないうちはあまりきつく締め 上げない方が無難ですが、馴れて くるときつい方が心地よいもので す。ただし、褌はどうしても多少 は緩んでくるものなので、ここで 少しきつく感じるくらいに締めて おくのがいいです。なお、褌をき つく締め上げるコツは、一度上に 引き上げた布端を、力をゆるめな いようにして、もう一度斜め下に 引き降ろしてからまた上に引くよ うに何度かすれば好みの加減に締 められます。上に引く時「みつ」 の近くの横廻しに指をかけ、横廻 しも同時に引き締めながら布端を 上に思い切り引けば、非常にきつ く締める事もできます。 | |
6 | 上に出た布端の余りは、余った布 の長さに応じて褌が緩まないよう に横廻しに絡げるなどして自由に 始末します。ここではその一例を 続けて紹介します。左の写真のよ うに右上から左下に降ろした布端 を横廻しの下を通して上に出し引 き締めます。ここで、余った布が 短ければ、右側の横廻しに絡げて 止めるだけでもOKです。これだ けでもそんなに簡単に解けること はありませんが、私は更にみつの 左右の横廻しに交互に絡げて締め る方法を取っています。 (7.以降参照) | |
7 | 左上に出た布端を持って一度上に 引いて更に締め、今度はみつの右 下に布をおろして、横廻しの右下 を通して右上に引き上げ、もう一 度引き締めます。 | |
8 | 同様にして更にもう一度、右上に 出た布端を持って一度上に引いて 更に締め、みつの左下に布をおろ して、横廻しの左下を通して左上 に引き上げ、引き締めます。 | |
9 | ここで、みつの根元をつかんで強 く上に引き上げるようにしておく と、結び目が強く締まり、更に緩 みにくくなります。ここまでで、 十分に褌は締まっており、少々の ことでは緩みませんから、左上に 出た布端は、切って短くしておい てもいいでしょう。 | |
10 | 左上に出た布端の余りは、横廻し に巻き付けるようにして挟み込ん で始末します。これ以上みつの左 右に布を絡げるとこぶが大きくな りすぎて日常締めるのには不向き なので、必要以上に余った布は適 当な長さに切って始末します。 | |
11 | 締め上がり。 背中のこぶの大きさや余った布端 の処理、締め加減などは、何度か 練習して自分にあったものを見つ けてみて下さい。 ※トイレ(大)の時は前垂れを緩 めて下に引き降ろし、前の袋を左 右どちらかに引き寄せてオチンチ ンを出し、後ろの立廻しを引いて 左右どちらかのお尻の骨に引っか けるようにすれば、褌を解かなく ても用が足せます。 | |
12 | 締め上がりを前から見たところ。 ここだけ見ると越中褌とは区別が つきませんね。 ※トイレ(小)の時は前垂れを緩 めて少し下に引き降ろし、前の袋 を左右どちらかに引き寄せてオチ ンチンを出せば、越中褌と同様の 感覚で用が足せます。終わったら お腹の横廻しを抑えながら前垂れ を引き上げて締め加減を調節し、 横に広げて元どおり整えます(大 の時も同じ)。最初少しきつめに 締めておけば、褌が取れそうなほ ど緩むことはまずありません。 | |
13 | 締め上がりを横から見たところ。 背中のこぶもこの程度なら気にな らないと思います。スリムジーン ズなどを履いても、外から見ただ けでは結びこぶが分かることはあ りません。透けて見える可能性の ある夏物のスーツのパンツなど以 外では、人目を気にすることはあ りませんよ。 締め心地に違和感を感じる時は 、一度股を左右に開いてしゃがみ こむといいですよ(お相撲さんみ たいに)。 |