羽織の仕立て

羽織の仕立てについて

(1)羽織の裄

 羽織の裄は、下の着物がはみ出ない長さにするのが基本です。通常、長着よりも2分(約8mm)程度長く取ります。

(2)羽織の袖丈

 羽織の袖丈は、長着よりも2~3分(約8~12mm)長く取ります。つまり、長着の袖よりもやや一回り大きくします。

(3)羽織丈

 羽織丈の長さは一般に関東では短め、関西では長めが好まれる傾向ですが、当店では膝丈程度を標準としております。
 標準寸法では「羽織丈=長着の着丈- 1尺3寸(約49cm)」となりますが、長く感じる場合は膝上くらいがお勧めです。
 長すぎる羽織は、立ったり座ったりする時に邪魔になりますし、脱いだ時にもかさばる荷物となりますので、実用性と
 お好みを吟味の上、ご指定下さい。また、見た目にもできるだけバランスのよい長さをご確認の上でご指定下さい。

(4)羽織の乳の位置

 羽織紐を取り付ける小さな環を「乳」といいます。乳の位置は、「乳下がり」と呼ばれる寸法で示されます。
 これは、羽織の肩山から乳をつける位置までの長さです。乳の位置を計算式で求めるのは困難なため、
 通常は、着物を正しく着て姿勢を正して立った時、着物の剣先と角帯の上端とのちょうど中間の位置か、
 それよりも好みで5分~1寸程度下げるのが適切です。これを目安に位置を確認し、ご指定下さい。

羽織の各部名称