和傘
和傘について
和傘は竹の骨に和紙を張った雨傘で、和装時に持つ和傘には、一般に蛇の目傘と番傘の2種類があり、他に舞台用の舞傘などがあります。和服だからといって、洋傘が似合わないということはありませんが、和傘の持つ独特の和風な雰囲気はいやがおうでも和装心を盛り上げてくれます。街中で使うと今ではかなり目立つ存在ではありますが、恥ずかしがらずに使ってみましょう。畳んで持つ時は傘の柄の部分ではなく、ヘタの部分を持ちます。ヘタ(正しくはこの部分を「かっぱ」といいます)の先についている紐や持ち手は、かつて軒下などに吊り下げておくためのものでしたが、現在そういう使われ方をすることは滅多にないでしょう。立て掛けておく際は、洋傘とは逆に柄の部分を下にします。使用後は十分に乾かして収納することを忘れずに。なお、和傘には現在、男性用女性用の区別は特にありませんが、番傘などは昔から男性用というイメージがあります。蛇の目傘は主に色柄やサイズの違いなどの好みで選ばれているに過ぎないようです。
蛇の目傘
蛇の目傘の名は、下の写真のように開いた時に白い輪の模様が蛇の目に見えるところからついたものです。番傘よりも細身で、主に婦人用として使われますが、男性用としても使用されます。
この傘は下右端の写真のように、開き加減を2段階に固定できるよう、留め金が二つ付いています。なお、白い輪のない無地の傘もあります。色は他にエンジ、抹茶なども。
専用の傘袋も あると便利です | ||
番傘
番傘は一般に蛇の目より骨が太くしっかりした作りで柄も太目の傘です。昔は店の屋号などを入れて、急な雨降りに貸し傘としても利用しましたが、今では、一部の和風旅館などでその名残が見られる程度です。もちろん現在も実用品として販売されていますので、和服の際は一度利用してみるといいでしょう。どちらかというと番傘の方が男性的で、男性の和服姿には良く似合います。
なお、写真のものはかなり前に妻籠宿でお土産として売られていたものを入手したものですが、こうしたお土産用の安価な傘は海外製品が多く、本来の番傘と同等の作りではないので注意が必要です(国産品のしっかりした本来の番傘は蛇の目傘と価格的には大差ありません)。お土産用の安価な傘は、小道具や雰囲気だけを楽しみたい時には良いかもしれません。
入手するには
入手できる各地方のお店についてはわかりかねますが、老舗の履物屋さんであれば売っているかと思います。知っているところでは、大阪なら日本橋の履物問屋街あたりでも手に入りますし、京都なら、何軒かの和傘専門のお店があると思います。京都では西陣の宝鏡寺門前にある「日吉屋」さんが老舗として有名です。また、東京なら浅草仲見世の和傘専門店「西島商店(TEL:03-3841-8560)」もお薦めです。
なお、HPでも紹介している北海道の履物店、現代屋さんのページにも和傘の詳しい説明が掲載されていますので、参考にしてみて下さい。こちらのページは通販も可能です。なお、このページの説明にもあるように、中国製の安い傘は避けて下さい。油紙がベタベタしていて一度濡らすと、ガムテープ状態になりますので。
憂鬱な雨の季節も、和服を着て和傘をさしてでかければ、いつもとちがった気分を味わうことができること請け合いです。ただし、くれぐれも足元には御用心のほどを。