羽織紐の取り付け方
「鐶付け用」と「直付け用」とがある羽織紐
一般的な、S字鐶(金具)で羽織りの「乳(ち)」に引っかけるだけの羽織紐は、はじめから結んでありますが、S字鐶を使わず直接紐を羽織に結びつける直付け用の羽織紐は、紐を結ぶ前に羽織の乳に紐を取りつける必要があります。この場合、当たり前ですが、結んだ後から紐を乳に通すことは物理的に不可能です。なお、「直付け用」として売られている羽織紐でないと、紐の先の輪が小さいためこのページで説明する方法で羽織りの乳に取り付けることはできません。「鐶付け用」のものはS字鐶という金具を用いて取り付けます。
羽織の乳への取り付け方
1 | 羽織紐の端に付いている、細い紐 の輪の部分(坪「つぼ」といいま す)を、羽織の乳に通します。 通常、内から外に通しますが、通 しにくい場合は、写真のように女 性用のヘアピンなどを利用して通 すと楽に通せます。 | |
2 | 乳に羽織紐の輪の部分を通したと ころ。 | |
3 | 次に羽織紐の本体を乳を通した小 さな輪に通し、引き抜いて結び付 けるわけですが、大きく広がった 房を突っ込んで無理矢理通す必要 はありません。ごらんのように、 紐を二つ折りにして輪に押し込め ば、うまく通せます。写真は平打 ちの羽織紐ですが、太い丸組みの 紐も同様に二つ折りにして通すこ とができます。直付け用の羽織紐 の輪は、二つ折りにした紐がちょ うど通るくらいの大きさになって いるのです。 | |
4 | 紐を輪に通していっぱいに引き抜 いたら、こんな風に自然と乳の部 分に絡み付きます。 | |
5 | さらにゆっくりと引っ張って、し っかりと乳に結べばできあがり。 反対側も同様に取り付けます。 |