和服生活日記~1998年8月

ポリエステルの絽のきもの

今月は、安いきものの代名詞、ポリエステルの着物を紹介しましょう。天然素材以外は取り扱わない、「とにかく良いものを」というポリシーをお持ちの呉服屋さんも多いようですが、普段着であれば実用的な化繊の着物も、もっと見直して欲しいものです。安いといっても、仕立て代を考えると2万円近くかかることもしばしばですが、1万円程度で手に入る場合もあります。値段のこともありますが、やはり普段着=実用着である以上、家庭の洗濯機で丸洗いできる着物であるという点がエライと言えます。おまけに洗っても縮まないし、皺にもなりにくいので機能的には十分誉めるに値します。

では肝心の着心地の方はどうかというと、これも意外と悪くありません。何しろ軽いので楽ですし、さらっとした着心地はなかなかのモノ。そりゃあ、極上の素材のきものと比べると別次元の話となりますが、そういう比較は野暮というもの。「普段着ならこれで十分じゃない?」と捉えるのが大方の意見となりうる要素を持った着物と言えるのです。

とまあ、こう書くといいこと尽くめのようですが、夏物の場合、100%ポリエステルの絽の単の着物には、唯一最大のデメリットがあるのも事実です。それは、汗が噴き出るような真夏の暑い日差しの中でこれを着用すると、汗で肌にベタベタと貼り付いて一気に不快感100%となり、よけい暑くて汗が出るといった最悪の衣料品と化する点です(^^;。夏場に薄っぺらなビニールのレインコートを着ている時のことを想像してもらえばよいかと思います。そんな訳で、単のポリ100%の着物は、極端に暑い日の外出着として利用するのは避けた方が無難です。逆にクーラーのよ~く効いた涼しい部屋の中で過ごすような場合には意外と快適です。冬物であれば、もうすこし活用の巾も広がると思いますが、私は写真の一枚だけしかポリ100%の着物は持っていません。なお、絹や麻、綿などとの混紡であれば多少変わってきますので、夏物であれば、麻混のような素材のものを選ぶのがいいと思います。

既製品なので丈も裄も短いが夏はOK。


見た目は涼しげなポリ絽のきもの。汗さえかかなければ・・・。

それにしても、女性の場合は意外と夏でもポリの着物、あるいは着物は絹でも長襦袢などは洗えるポリのものといったものを利用されるケースが多いみたいですが、実際はどうなのでしょう?意外ときものの時はみんな我慢して着ているのかな?ポリの着物をお持ちの皆さん、着用の経験談をお聞かせ下さい。

さて次回は、最近手に入れたポリエステル65%+麻35%のきものを紹介したいと思います。やはり、同じ化繊の着物でも麻が入っているだけで随分違う、非常に安くて実用的なきものです。どうぞお楽しみに。

こんな感じのきもの・・・。


日本はきもの博物館

お盆休みに家族旅行をした途中、広島県東部の福山市松永町にある、日本で唯一の履物博物館「日本はきもの博物館」を訪ねました。下駄や草履、草鞋に足袋といった具合に、足に履くありとあらゆるものが展示してあります。結構広くて以外と充実した博物館です。ここではとても紹介し切れないので、詳細は和服見聞録でご覧ください。ちなみに、隣に「日本郷土玩具博物館」があり、入館料は2館共通で大人千円です。機会があればぜひ一度訪れてみて下さい。おすすめです。

なんとこれ、足袋と鼻緒と下駄の
裏の金具などで作られたカブト。
最も気になったのがこれ。
なんと折畳式の携帯用草履!
昭和初期の発明品で特許取得済みとか。


お土産に買ったミニチュア下駄。
意外とよくできてます。

昭和30年代にタイムスリップ!?

みろくの里という所で再現されていた昭和30年代初頭の風物詩。もうノスタルジーにどっぷり浸かれます。ご覧の写真の他にもまだまだ沢山の「懐かしい」モノ、風景が満載。意外と楽しめました。ちなみに、みろくの里というのは広島県東部の沼隈郡という場所にある、総合レジャー施設みたいなスポットで、付近の山中に時代劇撮影用のオープンセットがあることでも有名なところです(ここは一般立ち入り不可みたい)。


中央の板は着物の
洗い張りをする板。
そう言えば、
昔ウチにもあったなあ・・・。

↑このポストなら今でもある?
↓こんな農家もまだありそう?

↑今もあるけど、
この表紙のタッチは
紛れもなく昭和30年代?

ブリキのおもちゃも定番品でした。

この人って確か水原弘さん?
ボンカレーの大塚昌子さん
も有名ですね。

これは履き物屋の店頭の様子。
下駄の台がこんなに山積みに。

私には記憶にありませんが、
当時の福助足袋の張り紙広告。
復刻版キリンラガーの味

前に当たったキリンラガーの復刻版ビールを、一気に飲み比べ。結論から言うと、個人的には明治ヴァージョンが一番美味しかったです。とっても香りが香ばしく、芳醇な感じでしっかりした味。逆に最もイマイチだったのは大正ヴァージョン。これははっきり言って美味くないビールでしたねえ。ビンの形は大正のがピルスナーみたいでおしゃれでしたけど。
↑この明治のラガーが一番美味だった。
おつまみには、手前のそら豆が最高に合います。(^^)

このビンは大正ラガー↑。

風呂上がりのビールのために生きてると言ってもいい!!・・・・・とホンキで思ってしまうこの瞬間。(^^;浴衣で飲めば味わいさらによし。大きなお世話でしょうが、ビールが飲めない人ってホントに可哀相・・・(^^;。この時ばかりはビールのない江戸時代に生まれなくてよかった!と思ってしまいマス。