和服生活日記~1998年5月

もう、単衣の季節

単衣のきものは、六月一日の衣替えからが習わしではありますが、最近の気象事情はそんなこと言っちゃあおれないほど、めちゃくちゃなものがあります。今年も春から異常に暑い日が多く、私の住んでいる地域では5月に真夏日が何日も続いたほどです。

というわけで昔からの衣更えの慣習は一応の目安程度に考えて、現実世界の実態に合わせ、暑けりゃ暑いなりに、寒けりゃ寒いなりに、きものだって着替えましょう。衣替えに限りませんが、約束事を気にするあまり、我慢してまで着物を着るというのは既に本末転倒ですものね。

私は今年、ごらんの唐桟縞の木綿単の着物を4月からおろして着ていますが、着心地がよくてすっかり気に入ってます。これはもちろん、本物の「唐桟」ではなくて、反物だけで1万円くらいの安いものです。袷に仕立てれば、秋口からも利用できるので、こうした木綿のきものがもっと復活してほしいのですが、ウールのきもの同様に減産の一途を辿っているのは残念でなりません。



下着は半襦袢と裾除けを合わせて。
肌触りもよい木綿のきものは普段着としても
最高の一品です。安いし洗濯もOKだし。
普段に着るきものは、だらしないほどゆったりと。角帯はこんな風に浪人結び(片ばさみ)が楽でおすすめ。

5月5日、こどもの日

5日5日といえば、こどもの日。我が家にも男の子が一人いるので、毎年ごらんのようなこいのぼりと五月人形を飾ります。五月人形といえば、写真のような鎧兜が目を引きますが、もしかしてこういう「甲冑」というアイテムも和装品のひとつかいな?!(^^;

ちなみに、本来鎧兜の下に着る筒袖のきものは、四季を問わず単衣のきものだそうです。

五月人形のメリットは雛人形と違って、端午の節句が終わってもすぐに片づけなくてもいいこと。しかし、我が家では床の間の置物代わりに、張子の虎といっしょに年中置きっぱなしですが・・・(^^; だけど、さすがにこいのぼりは降ろします。


懐かしのブリキ看板

田舎に行くと、こういうブリキやホーローの看板が今でも目に付きますよね?「大塚のボンカレー」や殺虫剤の「アース」なんかが有名ですが、何といってもこれ。綿入れのねんねこばんてんを着た女の子の絵は、なんかみょーにインパクトあり。これは一部の地方のローカル看板と思われますが、この「カクイわた」って会社が今でもあるのかは謎です。

そう言えばこの手の広告看板は、ボンカレーの京塚昌子(字が違うかも)さんも、アースの水原弘さん(だったっけ?)も、みんな和服でした。この頃は、まだまだきものが日常生活に残っていたのですかねえ。

ゴールデンウィークに家内の実家近くで見つけた幻の!?「カクイわた」。

ちなみに、私の心の中での「街か田舎かという基準」は、子供の頃から、この「カクイわた」の看板があるかどうかということでした。従ってこれを見つけた場所は間違いなく田舎。ああ、田舎にお住まいのみなさま、ごめんね。(^^;(そういう私が、子供の時住んでいた所にも、この看板はあったのですが・・・)
「みーかんのは~ながーさあいている~」って歌がありますが、

これがそのみかんの花。
家内の実家のみかん畑は、五月上旬、白いみかんの花でいっぱいでした。

松江の武家屋敷

今月、仕事で島根県に行った時、時間をみつけて松江市内にある武家屋敷跡に行ってみました。こんな風景の中をきもので散歩したらさぞかし気分がいいでしょうねえ。冬の底冷えさえなければ、ここに住んでしまいたいほど気に入ってしまった風景です。この地に住んだ有名な小泉八雲も、冬の底冷えが耐え切れず、春を待てずに別の地へ移ってしまったとか。近所には温泉もあっていいところです。お近くの方、是非一度訪れてみては?

町並みの様子。
手前の歩道が舗装されていなくて、
土のままなのが感動的でした。
小泉八雲の旧居。
たぶん移設されたもので、
今は記念館みたいになってました。

「甦る太古」のきもの

5月15日付けの朝日新聞の「青鉛筆」に、京都西陣の染織会社が、世界遺産に登録されて話題にもなった、屋久島の屋久杉から抽出した樹液のエキスを使って染めた反物のことが紹介されていました。

樹齢三千年以上の朽ちた倒木などを許可を得て入手して作られたこの反物は、名づけて「甦る太古」だとか。老木のエキスを使っただけあり、渋い色合いが特徴とのことですが、値段は一反50~100万円。

屋久島といえば、あの「もののけ姫」も製作に当たり、白神山地やこの屋久島などにロケに行ったんですよね。きものって、「伝統」という言葉でよく紹介されますが、「神秘的」って言葉の方が似合うような気もしてくるから不思議です。

ちなみに、新聞記事の最後にあった、「数千年は生きるという屋久杉の生命力にあやかって、西陣の織物も甦りたい。」という染織会社のコメントは、読んでいてなんだか悲しい気がしました。


大相撲千秋楽打ち上げパーティー

5月24日は大相撲東京場所の千秋楽。この日、各相撲部屋では後援会主催の打ち上げパーティーなるものが催されました。私もきもの仲間と一緒に、「銀座もとじ」さんのお招きでそのなかの一つ、「三保ヶ関部屋(もと増位山関が親方をしている部屋)」のパーティーに参加してきました。詳細は「和服見聞録」のページでレポートしていますので、ご覧ください。
親方といっしょに。


仕立て屋金次郎さん&桐たんす屋さん

前から一度お会いしたいと思っていたこのお二人と、ようやくお会いすることができました。場所は金次郎さんのお住まいの近所浅草の、前にちどり屋の越野さんに教えてもらった炭火串焼きのお店で。金さんこと草川さんは、組合の青年部会とかの集まりがあって、ずいぶん遅れての御到着。噂通りパワフルでとおっても楽しい金さんでした。

桐たんす屋の井上さんも、アットホームで楽しい方。私のような大きなきものは通常サイズの箪笥だとはみ出してしまうので、箪笥のモジュールサイズの見直しも必要とお考えとか。井上さんのお店は、俳優の高橋英樹さんのご自宅もご近所とかで、近々高橋さんご注文の桐たんすを納品に行かれるとか。高橋英樹さんは、「桃太郎侍」の頃からのファンなので、ぜひついて行きたいものですう(^^;。よろしく伝えてね。

あ、かぼすけさんは他でもいっぱい紹介してるので今回は省略(ごめんね)。
とにかく楽しい時間があっという間に過ぎてしまい、肝心のきものの話があまりできなかったのが残念でしたが、またいつかお会いしましょうねっ!(^^)

左から、仕立て屋金次郎こと草川さん、おなじみかぼすけさん、桐たんす屋 相徳の井上さん。雷門通り沿いにある炭火串焼き「櫻田」。こんな写真しか撮れなかったけど、参考にして下さい。(^^;

帯にポケットピカチュウ

ご存知のとおりポケットピカチュウは、実は万歩計。ちょっとだけ子供に借りて帯に挟んでみると、なんともぴったりでいい感じ。さすがにこのまま出かける勇気はありませんが、羽織を着れば見えないからいいかも。(^^;

実は今、憧れのきもの体型も度が過ぎて、ますます腹が出てきたので、お腹だけダイエットしないとまずいかな~なんて思ってます。

余談ですが、きもの体型にベストなウエストサイズは、90cm!ってところでしょうか。経験上、80~90cmあれば、補正要らずで心地よく角帯が締められますよ。(^^;
中にタオルなんて入ってません・・・(^^;


当たった~!

キリンビールが先頃キャンペーンしていた「復刻ラガー」のビールセットが当たっちゃいました!(かなり率のいいプレゼントでしたが、中には何通出しても当たらなかった人もいるらしい)

実は私、お酒はビール党なので、ともかくラッキー。中身は御覧のようなちょとした化粧箱に、明治、大正、昭和の各時代で製造されたキリンラガービールがそれぞれ1本ずつ入ってました。ビンもラベルも王冠も、そして中身の原料や製造方法も可能な限り当時の資料をもとに忠実に作ってあるそうです。だけど、正直なところ、原料自体は現在収穫されるものだろうし、当時と全く同じ味とは思えない。もしかしたら現在のラガーの方がおいしいかなあ?まあ、飲み比べてみるまでのお楽しみです。

すぐに飲むなんてもったいないことしません!
この夏、一番暑い頃、よ~く冷やして
風呂上がりに浴衣がけで一杯やるつもりです。(^^)


家庭内LAN

GWに、兼ねてから考えていた家庭内LANの工事を決行(と、言っても作業は自分でしたので、出費はケーブルとコンセントなどのパーツ代だけ)。電話のモジュラーケーブルが這わせてあるプラスティックの配管パイプに、カテゴリー5のケーブルを無理矢理突っ込んで引きぬき、1階のリビングと2階の書斎を接続。これがなかなか貫通せずに苦労しましたが、なんとか工事完了。

これで、居間に居ながら書斎のパソコン内のデータにアクセスできてとっても便利。ここまできたら、次は家庭内サーバの設置かな。おっと、その前にISDNの導入計画の方が先であった(ウチはまだです)。そうすると、きものを買うか、ダイヤルアップルータを買うかで、また迷わなくてはならないなあ・・・(^^;。

意外と関係なさそうで、きものとハードの買い物は、いつも密接な関係があるという話題でした。(^^;;;

これは私の書斎に設けた情報コンセント。黄色いケーブルのささっているのが10-Base/T用のコンセント。リビングにも同様のコンセントを設置。最近は、パソコンショップに行けばこうしたパーツも売っているのです。

やはりLANするなら直結に限ります。とりあえずこれで10Mbps。赤外線や無線LANもあるけど直結速度にはかないませんからね。そのうち100-Base/Tのカードに替えよっと(^^;。