直垂を作りたい
「直垂(ひたたれ)」とは、平安時代頃の公家の寝室で用いられた寝具の一種である「衾(ふすま)の直垂(掻い巻き布団の元祖のような形状)」と、もともと民間の労働着だったものが武家の服装として発展した直垂とがあり、現在も残っている直垂は一般的に後者の服装を言うことがほとんどです。
かつて、HP読者の方からそんな「直垂(ひたたれ)」を作りたいという相談のメールを頂いたことがあります。この方はどうやら学際か何かのイベント衣装として利用されたいようでしたが、その後どうなったのかは残念ながら伺っておりません。滅多にそういう人はいないでしょうが、同じくHP読者の僧職の方より詳細な購入情報を頂きましたのでご紹介します。
通常、直垂は一般の呉服店では取り扱っておらず、相撲の行司の装束などと同じ「装束業界」に分類される法衣店など現在も扱われています。ご紹介頂いた当時の値段は、化繊のもので数万円前後~、正絹で10万円程度~となっておりましたが、現在の価格、商品詳細は各店にお問い合わせください。何とか手の届く範囲のものもありそうですが、相撲の行司の装束などは最低でも100万円以上するそうで(凝った刺繍などを施したものが多いためと思われる)、一般的には個人で誂えるアイテムとは言い難いですね。ちなみに、素襖(すおう)も直垂の一種になります。
直垂の入手できるお店
法衣店の一例