下馬

下馬とは?

下馬と書いて「シタウマ」と読みます。下馬とは、袷(あわせ)などの着物下に着る浴衣のことです。重ね着ではなく、実際に浴衣を裏地として使う場合も同義です。時代劇で遊び人の兄さんが、着物の裾をちょいと持ち上げてキョロキョロしているシーンなどで、めくった縞の着物の裏が浴衣になっているのを見たことはありませんか?あれが下馬です。江戸時代には、こんな風に木綿の袷着物の裏や下着に浴衣を重ねる着方というのがありましたが、あまり上品とは言えないものでした。元々、江戸時代においても、下層階級の人が着用していた粗末な着物を意味していたので、オシャレ着とは言い難い種類のものだったようです。

名称のことはともかく、長襦袢の代わりに浴衣を使うなら、こうしたことを知っておくのが無難です。下馬を知っている人は少ないと思いますが、今でも「だらしない」というイメージは変わっていないようなので、少なくとも外出するときにはちゃんと襦袢を着るようにした方がいいでしょう。もっとも、見るからに寝間着のような浴衣を合わせる時の話ですが。

最近では浴衣とは思えない色柄のデザインのものも多いので、こうした浴衣をファッションとして重ねてみるという着方はおもしろいかも知れません。最終的には個人の好みとセンスの問題ですから。ちなみに、丹前の下に一つ前にして着る場合は、用途がそもそも違うので下馬とは言わないようです。