とにかく自分で着てみよう
着物は自分で着る
男の着方は、女物と比べるといたって簡単。帯結びさえマスターすれば覚えたも同然です。最大のポイントはやはり帯の締め方。ツボにはまった締め具合を体験するにはやはり自分で覚えること。一番最初は、最もベーシックな和服姿、長着と帯だけの“着流し”に挑戦してみましょう。このスタイルが基本となります。何度か練習すれば、必ずマスターですきますから、鏡の前で頑張ってみましょう。
▼最も基本的な“着流し姿”になるまでの手順
1.肌着を着る ▶ 肌着の着け方はこちら
2.足袋を履く ▶ 足袋の履き方はこちら
3.襦袢を着る ▶ 長襦袢の着方はこちら
4.長着を着る ▶ 長着の着方はこちら
5.帯を締める ▶ 角帯の締め方はこちら
着物は男女とも“右前”になるように、前を打ち合わせ着ます。そういうデザインの服装です。正面から見て上前(一番外側に重なる部分)の衿が左肩上から右下に向かって斜めに横切っていればOKです。
右前というのは、右側の布を手前、つまり身体側に付けるように着ること。
上前(うわまえ)とは、着物を着たとき一番外側になる布地の部分。
下前(したまえ)とは、着物を着たとき身体に近い側になる布地の部分。
▶左前(ひだりまえ)とは?
帯の締め方は、「片ばさみ」か「貝の口」のどちらかを覚えれば最初は十分。うまく出来たら他の締め方も覚えましょう。新調した着物を着るときは“仕付け糸”を取り除くのを忘れずに!特に外出時は注意。
着方のコツ
「男のきものは腰で着る」と言いますが、これは全くその通り。着慣れてくると当たり前の所作として身についてしまいますが、他にも注意点をいくつかあげておきますので、何度も着たり脱いだりを繰
り返して、ツボを得るまで練習しましょう。そしてあちこち出かけてみることをお勧めします。
▼着慣れた姿とラクな着心地を得るためのポイント
・女性のように着物の後ろ衿は抜いて着ない(“うなじ”を広く見せて着ない)。
・襦袢や着物の前ををあわせるときは衿先を持ち、左右の腰骨部分に引き寄せて着る。
・着物を着るとき、左右の裾先をほんの少し上に持ち上げるようにして腰に合わせる。
・襦袢や長着を着るときには、帯から上の背中部分にゆとりを持たせる。
・帯を締める位置は腰骨の真上。おヘソの上に締めると苦しいだけでなく着崩れもしやすい。
・帯は前下がり、後ろ上がりに締める。そうならない場合は、位置が正しくないか補正が必要。
・着終わったら、足を開いて腰を低く下ろし、裾を割った姿勢を取ると動きやすくなる。
・着物を着たら背筋を伸ばし姿勢を正しく保ちましょう。胸を張って歩くだけで着慣れた貫禄が。
補正の仕方
ウエストが80cm以下の人で、帯がどうしても安定しない場合は、タオルなどでお腹回りを補正します。 男性の場合は、ほとんどの場合、腰回りの補正だけで十分です。補正の手段は、昔ながらに晒しを一反巻きつける方法もありますが、着るたびに巻くのはやはり面倒ですよね。そこで、自分専用の補正グッズを自作しておくとこの上なく便利です。ここに紹介する補正パッドは、 私が学生の頃愛用していたオリジナル品。簡単に作れて形も崩れにくく、洗濯もできるスグレモノです。補正で悩んでいる人はぜひ一度お試し下さい。これを参考に自分でも工夫して色々作ってみましょう。
補正は最小限とするのがポイント。必ずしも補正が必要ではありませんが、細身の人は一度試してみてください。
★特製ウエスト補正パット★
材料 | 晒木綿、タオル、手拭い |
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作り方 | 写真のように手拭いで折りたたんだタオルや晒しを包み込み、 両端に紐を取り付けて縫い止めるだけ。 大きさ(横幅)はウエストサイズの約半分になるようにします。 縦幅は角帯の幅よりも少し広めの12~15cmくらいに。 予め、1本70cm~80cm程度(ウエストサイズと同じか短め)、 幅2cmくらいの紐を晒で作っておきます。 中に入れるタオルや晒しは体型に合わせて枚数を調節。 (通常タオルを1枚~2枚重ねて入れれば適当だと思います) 中身のタオルは端が捲れないよう、雑巾縫いをしておきます。 見栄えを考えたい人は手拭いで全体を包んで縫うとオシャレ。 ミシンがあれば簡単に作れるので、何個か作って取替え利用を。 |
作成例 | 縫い止める前はこんな感じ |
できあがり。カタチは気にしなくても大丈夫 | |
使い方 | 肌襦袢など肌着の上からこの補正パッドをあてがって使います。 タオルを入れた布団部分を下腹に当て、紐を一度後ろに回して 交差させ、一周して前に持ってきてから布団部分を押さえるよう にして結んで止めます。これは裾よけと同じ要領で。 紐を前で止めるときは、腰紐の要領で縛るだけでOKです。 余った紐は左右に振って、下がらないように絡めておきます。 |
紐部分は、古くなった裾よけや腰紐をそのまま使ってもOKです。 手拭いは古手拭いや百円ショップで売っているもので十分です。 お尻が出っ張り気味で帯がずれてしまう人は、少し薄く小さめにこれを作り、 逆に背中側に置くように使うといいでしょう。背中用に作るときは、紐を短め にして前で結ぶようにします。越中ふんどしを利用すると簡単にできますよ。 |
自分ひとりで着られるようになると、ますます着物が楽しくなります!