絹の性能
株式会社一衣舎(いちえや) 一級和裁技能士 木村 幸夫さんによる資料の中から、絹の持つ性能についてのデータをご紹介します。
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衣類の素材は天然繊維がやはり最良であり、夏は特に、絹 麻 綿の順に向いています。快適衣服内気候とは、肌着と皮膚との空間における温度が32度土1度湿度50%±10%であり、絹は吸水性、吸湿性、放湿性、肌触りがよく快適衣服内気候を保つには絹が最適です。又 柔らかく肌触りのよい素材は血圧を下げ、血糖値の上昇を抑える効果があるといいます。
絹の性能として次のようなデータが確認されています。
吸湿性 | 綿の1.5倍の吸湿力。 |
放温性 | 綿2に対して絹3の速度で放湿する。 |
防菌効果 | 果物を絹布で包むと日持ちがする。 |
防臭効果 | 火災の際の防毒マスクの代わりになる。 |
難燃性 | 化学繊維は二百度で溶融、絹は三百度で溶融せず分解する。 |
紫外線カット | シミ・ソバカス・しわの原因の紫外線を吸収し肌を守る。 |
保温性 | 重ね着による保温性は抜群、外気を遮断。極寒地では絹が有効。 |
その他 | 近年の研究では、絹は皮膚細胞を活性化し、皮膚の若さを保ち、 皮膚病の治療に効果があることが分かっています。 |
絹は昆虫が自分の体を守る為に作り出した物質であり、地球の歴史の中で自然淘汰されながら数億年かけてはぐくんできた驚異の繊維です。食品としての機能性は、コレステロール値の抑制、血糖値の低下、アルコールの代謝促進、痴呆症の予防等、近年 医 衣 食 住 の各分野で研究は始まったばかりです。
なお、絹の肌着のテストは褌で計測したと言われています。
綿と絹のテスト結果 - 肌着と皮膚との空間における湿度比較
湿度飽和状態 歩行状態
での計測 での計測
綿 90% 90% 湿度の変化なく不快
網 85% 70% 放湿性の効巣抜群
男性用ブリーフは精巣を体に密着させます。精巣は絶えず体温より低い温度で無けれは、精子の生産能力、ホルモン分泌能力が弱くなります。精巣が体温並に上昇すると、一週間で精子の生産能力が1ミリリットル中数百万に落ちます。妊娠可能数は2億と言われ、数百万では妊娠の可能性は無いと言われています。
いかがですか?絹には意外な面がたくさんあることに驚かされますね。まさしくバイオ素材とも呼ばれる所以といったところでしょうか。
ところで、以上のデータを基にして作られた越中褌(細川越中守忠興の考案という説が有力?)をこちらのページで紹介しています。絹の褌は、こうした科学的な根拠にも裏付けされた優れた肌着です。越中派の人はもちろん、そうでない方もぜひ一度お試し下さい。